有給休暇を消化中に他の会社に勤務することはできますか?
法律上は不可能ではありません。しかし有給休暇は在職中のみ有効な権利ですから、有給休暇取得中は在職中の扱いとなります。退職する会社の雇用保険や社会保険は喪失していませんので、この期間中に他社での雇用保険や社会保険の加入手続きを行うことはできません。
また、退職する会社(および勤務しようとしている他の会社)の就業規則等で副業、兼業が禁止されている場合には、有給休暇中に他の会社へ勤務することが就業規則の服務規律違反として懲戒の対象になります。就業規則を確認しておきましょう。
有給期間中のアルバイトやパート
就業規則で副業の禁止がなく、有給休暇の消化期間中にどうしても他の会社に勤務したい場合はアルバイトやパートとして入社することが可能です。ただし先述のとおり、新しい会社の雇用保険や社会保険の加入手続きをすることはできません。 新しい会社からの信頼を得るためにも、業務の引継ぎのためにやむを得ず退職の時期を遅らせるという旨を伝えておくのが望ましいでしょう。
有給制度とは
労働基準法によると、有給(年次有給休暇)は勤務期間が6か月以上あり、その期間の出勤率が8割以上の労働者に与えられます。 例えば、あなたが入社してから6か月間8割以上出勤していたとすると、7か月目からの1年間に最低10日間の有給が与えられます。
ちなみに、以下の場合でも出勤したとみなされます。
- (1)業務上の負傷、疾病による療養で休んだ日
- (2)産前産後の休暇や育児・介護休業の期間
- (3)有給休暇を取った日
また、次の場合は労働日に含まれません。
- (1)休日労働した日
- (2)会社の都合による休業日
- (3)ストライキの日
有給の時効は2年で、この間の未使用分の有給は消滅します。なお、退職後は有給休暇を使用する権利は喪失します。