転職×天職 > 金融の転職求人特集 > 金融業界内で「初めての転職」

金融業界内での「初めての転職」

まず大切なのは情報収集です

1990年代からの長い金融不況を経て不良債権処理にもめどがついたこの数年。業界統合や景気拡大に伴い、金融スペシャリストの絶対数の不足が鮮明となり、金融業界は人材の確保のための中途採用を強化してきました。同じ職種でのステップアップや未経験職種へのチャレンジが可能になるなど「売り手市場」が続いていたといえます。

しかし、2004年から続いたこの採用拡大の空気にも大きな変化が現れつつあります。そのきっかけになっているのが、ご存知のサブプライムローン問題に端を発する世界金融危機であることは間違いないでしょう。米国型の金融ビジネスモデルの代表といえる投資銀行が行き詰まりを見せるなど、業界全体の先行きの不透明感は拭えず、日本の金融業界にも大きな影響が及んでいます。

金融業界は様々な業界の中でも、環境の変動に特に強く影響される業界です。転職希望者の実力やポテンシャルといった要素はもちろん重要ですが、それ以上に転職の成否はその時その時の転職マーケットの状況に大きく左右されてしまう傾向があります。

そういう意味でも、今後の採用市場の動向、あるいは金融業界全体の流れなどに関する正しい情報をしっかりつかんでいくことが、これからの転職を成功に導く上でより欠かせない条件となるでしょう。

【コンサルタントからのコメント】
不況期のなかで「機会」を捉える視点を

では、この時期には転職は不可能なのでしょうか。結論からいえば、不況期にもさまざまな機会=求人はあります。不況を脱した後の好況期に伸びるビジネスは、実はこうした時期に準備されていることが多いからです。1990年代の金融不況期にも、不良債権投資、企業再生、企業投資…といったそれまでになかったビジネスの芽が生まれ大きく成長しました。現在も富裕層向けビジネスなどは業界全体として拡大基調にある分野といえます。不況期の企業は組織再編を行い、今後伸ばす部門と縮小する部門を鮮明にしていきます。求人があるのは当然前者の部門となり、現在はこれから伸びる新ビジネスに先駆者として関わるチャンスのある時期ともいえるのです。

また、組織再編や人事異動が行なわれれば、必然的に出てくる欠員募集もあります。特に不況期においては、多くの企業が収益部門(フロント)強化に動きますので、ここでも求人の発生する機会はあるといえるでしょう。

「採用人数」自体はどうしても減りますが、逆に採用する人材は「どうしても必要な人材」となるのもこの時期の特色です。当然、好況時に大量採用される人材よりも期待も大きく、長期的に見ると組織内でリーダーシップをとる立場になっていく人が多いとも言われています。

いずれにしましても、転職の成功にはしっかりした情報収集や分析が欠かせません。また、ある程度時間をかけて取り組むことも必要になります。早期からのご準備、個人では難しい情報収集には、ぜひ人材紹介会社ならではのプロの知識と情報網をご活用いただきたいと思います。