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金融業界担当コンサルタントの転職コラム 山本友香の『金融業界 女性の転職』

第二回 「キャリアアップ転職の成功例から学ぶ 」

不動産金融という「時代の流れ」をつかんだ彼女

先月、某一部上場の金融機関のパーティーに出席する機会がありました。場所は、わたしどものオフィスからほど近い高級レストラン。美味しいものが食べられるかも…と思い、少しワクワクしながら会場に入りました。

まず驚かされたのはその盛況ぶり。代表取締役の方の挨拶の時間と重なったためか、ざっと300〜400名の参加者が、歩くスペースもないほどに、ぎゅうぎゅう詰めになっています。

しかも、90%以上が男性、さらにその大半は40代以上。「男性社会」というより「 THEおじ様社会」といった感じでした。まだ20代の私はきっと大きく浮いていたことでしょう(あと10年はあの場になじみたくないです…)。

さて前置きが長くなりました。今回は私が過去にお会いした女性の中でも、転職によりたいへん素晴らしいキャリアアップを実現された方をご紹介させていただきたいと思います。まずは彼女のキャリアを年表風にまとめてみました。

1995年
(20歳)
地元・東北地方の短大を卒業。同時に、親戚の紹介で地元の小さな不動産会社に入社。事務員として電話対応、お茶くみ、書類整理などの庶務業務に携わる。
1996年
(21歳)
仕事内容が軽微で時間があったため、先輩が勉強していた宅建を一緒に勉強。中高一貫の私立校で育ち、短大も推薦で入学…。しかし、それまであまり真剣に勉強したことがなかったためか、このとき逆に「学ぶこと」のおもしろさに目覚める。この冬の宅建合格を契機に、本格的に不動産鑑定士の勉強を開始。
1997年
(22歳)
昨年と仕事内容も変わらず暇だったこともあり、見事、鑑定士2次試験に合格。鑑定士としての経験を積むため、当時憧れだった東京で働くことを決意し上京。
1998年
(23歳)
都内で最初に就職したのは所員6〜7名の小さな鑑定事務所。この時の給与は月給20万円ちょっと+わずかなボーナス…。働きながら3次試験のための勉強に取り組む日々。
2001年
(26歳)
3次試験に合格、晴れて不動産鑑定士に。もともと見習いとして入った鑑定士事務所だったため、別の鑑定事務所を探すべく人材紹介会社に登録。信託銀行出身の代表が立ち上げたばかりの事務所を紹介され入社。年収は550万円にアップ。
2002年
(27歳)
不良債権処理などにともない不動産の流動化が進んだという時代的な背景もあり、金融機関からの案件を中心に従来とは違った鑑定手法を数多く経験する。
2003年
(28歳)
知人から、某有名会計事務所系のコンサルティング会社が鑑定士を大至急探している…との情報が。最初は話を聞いてみるだけのつもりだったのに、思った以上の高い評価を受け、役職シニア・年収800万円(残業代込みの予想)で転職することに。
2005年
(30歳)
ちょうどプロジェクトの合間だった時期にヘッドハンターからの電話が。ある外資系投資会社の不動産・不良債権部門がアンダーライターチームの人材を探しているとの話。非常にチャレンジングな業務でもあり、さらなる新たなキャリアへの挑戦を決意。役職はマネージャー。年収はベース1200万円+インセンティブボーナスに。
2007年
(32歳)
その後2年でシニアマネージャーに昇格。年収もベース1500万円+インセンティブとなり、不動産や不良債権だけでなくホテルの評価についても経験を積む。

チャンスを生かすにはまず情報の大切さに気づくこと

いかがでしょうか。あまりにも上手くいきすぎているような気がするかもしれませんが、でもこれは実際にあった話なのです。この方は、現在も頻繁にヘッドハンターからの声がかかり、アクイジション部門のヘッドなどの話も数多くあるそうですが、現在はそれらをすべて断っており、35歳までには人脈を広げ独立したいと考えているそうです。

では、なぜこの方が、地方の小さな不動産会社勤務から外資系投資会社のシニアマネージャーという華麗なキャリアアップを成し遂げられたのでしょうか。

一つには、うまく「時代の流れ」に乗れたことも大きいと思います。彼女が不動産鑑定士の2次試験に合格した1990年代後半から現在までは、日本において不動産流動化が大きく進展し、不動産鑑定業務がその必要性と存在感を大きく増した時代でした。

もう一つは不断の努力、勉強です。決して簡単ではない国家資格を取得し、さらに時代の最先端をいく金融や不動産業界の知識を吸収し続けていなければ、この業界で成果を残すことはできません。特に、キャリア形成においてとても重要な20代後半を充実したものにしたことが素晴らしいと思います。

そして、最後に情報収集力。彼女はキャリアの転機が訪れるたびに、情報をとてもうまく活用しています。鑑定士資格を得て最初の転職の際にも、当時まだ一般的でなかった人材紹介会社に登録していますし、その後のキャリアアップでも知人やヘッドハンターからの情報を上手く利用しています。

これは向上心が高く、勉強熱心な方ほど陥りやすい失敗のパターンでもあるのですが

  •  自己鍛錬に気をとられるあまり、市場動向にまで目が行き届かない
  •  資格取得にばかり専念してしまい、実際のキャリア(実務能力や経験)との連動が図れていない

…など、実力はあっても情報が活用できていないためにキャリアアップがうまくいっていない方が、実はとても多いのです。

今回は転職を重ね、キャリアアップに成功された方の例をご紹介いたしました。しかし、転職は常にこのようにうまくいくものとは限りません。また、失敗したらやりなおせばいい、というほど気軽なものでもないでしょう。そのためにも慎重に、様々な可能性を検討することが何よりも重要です。

転職を検討されていて何か不安に思われること、迷われることなどがございましたら、遠慮なくご相談いただきたいと思います。

コンサルタント プロフィール

山本 友香(やまもと ゆか)

管理系職種専門チームから金融・不動産業界担当チームに異動し約5年、金融・不動産業界を中心に1000名を超える方の転職サポート実績を持つとともに管理職として、部下の育成、マネジメントを行う。また、有名転職支援サイトにてコンサルタントランキング総合部門4位に選出されたこともあり、ジュニアクラスの方からエグゼクティブに至るまで、幅広い層からの支持を得ている。

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