転職×天職 > 女性のための転職・求人特集 > スペシャルインタビュー 渋井真帆さん 「稼ぎ力」とはどのようなものだろうか

「稼ぎ力」とは
現在、キャリア&マネーアドバイザーとしてご活躍の渋井真帆氏だが、勤務していた銀行を退職し、結婚した後は、時給650円のパート主婦だった。しかし、28歳で起業し、今や年収は8ケタになった。そのカギとなったのが「稼ぎ力」だ。「稼ぎ力」とはどのようなものだろうか。

「稼ぎ力」といえば、それはスキルや資格をもっていることだと思いがちです。実は私もそうでした。専業主婦でパートをしていたころ、何とか現状を打破しようと、お茶、お華、フラワーアレンジメント、カラーセラピスト、アロマテラピスト、パフューマー、宅地建物取引主任者、PC、英語教室、秘書検定など、あらゆる資格にチャレンジしました。でも中途半端に終わってしまい、しかも、もし資格を取ったとしても、それだけで稼げるわけではありません。

「稼ぎ力」とは自分がもっている「稼ぎ力」の種をお金に転換するための力なのです。私はいわば種ばかリを集めていたにすぎませんでした。むろん、資格だけが種ではありません。自分がもっている才能やスキル、その他、ヒトやモノ、カネ、情報、ノウハウ、アイデア、発想などはすべて種であり、それらをモノやサービスという形で世の中に提供し、それをお金という形に変える力が「稼ぎ力」なのです。
自分に「稼ぎ力」が備わっていないことはないのだろうか
「稼ぎ力」も力というかぎり、能力のひとつだ。能力の高い人もいれば、低い人もいる。自分に「稼ぎ力」が備わっていないことはないのだろうか。その場合はどうすればいいのだろうか。

世の中には「稼ぎ力」が高く、ビジネスの場で大活躍している人がいますから、その人を目標にして、その人になろうとする人もいるかもしれません。ところが、「稼ぎ力」とはどんな人にもあるもので、その能力や資源をいかにビジネスの場で活かすことができるかによって「稼ぎ力」を高めることができるのです。 能力や資源がないわけではありません。気がついていないだけなのです。
それを知れば、会社の中のキャリアアップや転職、出産、育児後の仕事復帰、さらに起業であっても可能になります。
資金がなく、中途半端なキャリア、英語も話せない、パソコンも苦手という私でも転職ができ、起業もできたのは、自分が生まれてから自然と身についていた発想や個性、ノウハウ、視点、その他のヒト・モノ・カネ・情報などの資源をビジネスの場で活かすための方法を模索してきたからなのです。
企業経営者の中にも「稼ぎ力」のある人とそうでない人がいる
企業経営者の中にも「稼ぎ力」のある人とそうでない人がいる。「稼ぎ力」があるから経営者になれるわけではない。「稼ぎ力」がなくても、二世だから、順送り人事だからという理由で社長になる人も少なくない。このような社長が経営する企業は悲劇だ。

経営者は経営者人材と単なる経営者の二つに分けることができます。経営者人材とはどの会社に行っても経営者になれる人のことをいうのです。例えば、日産自動車の業績をV字回復させたカルロス=ゴーン氏が経営者人材の代表的な存在といえるでしょう。
経営者人材は経営者としての知識やスキル、視点、見識を備えています。自由競争と自己責任の時代に入って、企業はリーダーである経営者が経営者人材でなければ生き残れなくなってきました。  実は「稼ぎ力」を得るためのトレーニングは経営者人材になるトレーニングと同じなのです。もちろん、誰もが企業の経営者を目指しているわけではありません。  ただ、誰もが自分の人生の経営者なのです。いつでも、どこでも、どんな環境においても自らの力で生き抜いていかなければなりません。つまり、人生の経営者人材になる必要があるのです。
社員も経営者の視点をもたないと生き残れなくなっているのだ
1989年にベルリンの壁が崩壊した。そしてITが発達し、時代が大転換するとともに、経済環境も大きく変化した。
自由競争と自己責任は企業や経営者だけでなく、個人にも求められるようになっている。社員も経営者の視点をもたないと生き残れなくなっているのだ。


なぜ、社員に経営者の視点を求める企業が増えてきたのかというと、企業が社員に期待する仕事の質が変わってきたからです。
これまでのように企業の都合で商品を提供する時代は終わり、消費者主導になってきていますし、インターネットの普及によって、街の小さな個人商店であっても世界の人を相手に商売をすることができるようになりました。
今の時代の企業は利益を追求するために、自社の独創性を競うようになっています。そのため、開発力や企画力に長けた社員を求めており、それは何より経営者感覚をもつことなのです。
命じられた仕事をこなすだけや目の前に起こった問題を解決するための視点しかない人は、新しい価値を創造することはできません。ある意味で女性の場合、日々の生活で経営者感覚を磨いているといえるでしょう。
経営の定義はその時代によって変わります。現在の経営は企業の経営資源を総動員して、顧客が付加価値を感じるような商品やサービスを開発、提供し、それによって利益を上げていくことなのです。カギは付加価値となります。付加価値が利益、すなわちお金を生むのです。
お金は異性と同じで、追いかけると逃げていきます。女性は追いかけると逃げていきかねない男性のハートをつかむために、美味しい料理を作ったり、セクシーな服を着てみたり、可愛い仕草をしてみたりと努力するでしょう。女性は経営者感覚を普段から自然と磨いているというのはこのことなのです。
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金融機関をはじめ、大手新聞社など多数の企業でのコンサルティング、セミナー、 また雑誌の執筆でも活躍中。
立教大学経済学部を卒業後、都市銀行→専業主婦→都市銀行→百貨店香水販売→証券会社とキャリア模索時代を経て、28歳のとき起業。キャリア模索時代から自分を解放してくれた『人生経営力』と『稼ぎ力(かせぎぢから)』を多くの女性に手に入れてもらうための「女のたしなみ経済塾」、「女のたしなみ やわキャリ塾」などを運営。
著書に「あなたを変える稼ぎ力養成講座〜決算書読みこなし編」「稼ぎ力ルネッサンスプロジェクト」(共にダイヤモンド社)、「渋井真帆の夢をかなえる女 (わたし)になれる本」(三笠書房)などがある。