転職×天職 > 転職ノウハウ・コラム > スペシャルインタビュー 藤野英人さんTOP > 会社訪問でチェックできるダメ会社の共通点

法則その06
社長室が豪華な会社は×
経営者の意思が反映されているのが社長室だ。豪華な内装や調度品が並ぶ社長室は、その会社の風通しの悪さを示している場合が多い。次の項目のうちふたつ以上が社長室に置かれていれば、その会社の成長はあまり期待できないと考えられる。

●磨き上げられた切り株
●動物の剥製
●一目で作者がわかる絵画
●高級酒
●ゴルフのクラブ
●コンペのトロフィー
●有名人とのスナップ写真

これらの物は、すべて社長の権威を誇示するための仕掛けなのである。自分に自信があり、仕事にチャレンジしていく姿勢を持つ社長であれば、こうしたものは不用なわけである。社長室はシンプルで仕事をしやすいスペースでなければならない。
法則その07
豪華な新社屋を建てた会社は×
この法則は投資家の間で広く言い伝えられている法則だ。新社屋とは、経営者にとって精神的な達成感の現れなのである。経営者が達成感を持ってしまっては、その会社の成長は頭打ちであるといっていい。財務面から見ても、新社屋建設は資金が固定されてしまい、機動性が失われることになる。また、そのようなまとまったお金を社屋に投資するということは、他に投資する先がないことを意味する。転職者にとってその会社は、今後の成長がほとんど見込めない会社ということになる。新社屋建設で一時的に信用度はあがるが、業績が伸びる局面は終わったということなのである。
法則その08
社員に体操を強制する会社は×
この法則は、工場などではあてはまらない。体操することが安全性とスムーズな業務活動への準備であるからだ。つまり体操をする合理的理由がある場合は例外ということだ。しかし、全社員を同じ時間に集合させ、一体化を求めるという管理面の効果をねらって行われている場合は、アナクロであり時代に対応できていない証拠となる。また、このような理由で体操を行っている会社は、従業員が批判的な意見を言い出せない雰囲気があるのだ。体操に象徴される不合理なところがあると、その会社には、その他にも不合理なことが一杯あるということになる。
法則その09
トイレの汚い会社は×
トイレ掃除、机のまわり、工場の清掃の徹底は、経営コンサルタントが厳しく指導するところである。実際これらのスペースの清掃が行き届いているところと、そうでないところは生産性に大きな違いがあるようだ。企業再建のプロとして知られる日本電産の永守重信社長も、掃除の徹底は従業員の意識改革にとって極めて有効であると語っている。もちろんやたら精神主義を持ち出す会社は良くないが、トイレの状態は、かなりその会社の社員のモラルを反映してると言える。
法則その10
極端に美人の受付嬢がいる会社は×
受け付けに美人がいる会社は良い会社といわれるが、美醜と能力には何の因果関係もない。極端に美人がいる会社はどこかおかしいと考えるべきなのである。例えば、面接に個人の趣味を反映し、正当な評価をしていないケースが考えられる。経営者のお客に対する考え方、女性社員に対する姿勢が出ているといえるからだ。美醜という基準を優先させる意識は必ず他の部署にも波及すると考えられる。そんな判断基準の会社で働いても正当に評価される保証は全くないといえる。
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1966年、富山県生まれ。

90年早稲田大学法学部卒業後、野村投資顧問(現、野村アセットマネージメント投信)に入社。

96年、ジャーディン フレミング投信・投資顧問に入社。中小型株チームでファンドマネージャーとして活躍、99年12月には2600億円を運用するなど、驚異的な実績を収める。

2000年、ゴールドマン・サックス投信に入社。

2003年8月、レオス・キャピタルワークスを設立、代表取締役社長に就任。著書に「トップファンドマネージャーの明快投資戦略」(ビジネス社)、「スリッパの法則」(PHP)、「金のなる木は清い土で育つ〜清豊の思想〜」(経済界)がある。

■参考書籍
スリッパの法則
〜プロの投資家が教える「伸びる会社・ダメな会社」の見分け方〜
(PHP刊・1300円)

準備ができている人にチャンスは微笑む。常日ごろから個人の能力を磨け!
多くのお笑いタレントを育てた名プロデューサーが語る“売れる”ビジネスキャリアの築き方
カリスマ・ファンドマネージャーが語る転職者のための伸びる会社伸びない会社の見分け方