現在の業界の動向
ビール市場の縮小が続く中、低価格と飲みやすさで人気を博した第三のビール(ビール風飲料)が市場を拡大し、業界を支えるという新たな構造ができつつあります。現在では第三のビールがビール類飲料市場の売り上げシェアの2割近くまでを占めています。この市場構造の変化を受け、各メーカーとも新製品開発に力を入れており、競争の激化がいっそう進行してゆくと考えられます。
アジア市場の開拓も進み、ビール生産量・消費量共に世界一の中国での積極的な投資が進められています。また、日本企業による海外のビール会社の買収が行われるなど、世界の大手を相手とした海外での競争も激化しています。
混迷の続くビール市場の一方で、低アルコール飲料は健康志向・女性向きの商品開発が成功し、概ね好調の動きを見せています。
ビール・アルコール飲料業界の気になる話
07年2月、アサヒビールはカゴメ株の約1割を取得して筆頭株主となるなど、業務・資本提携契約を締結しました。両社は「食と健康」事業で包括提携を進め、共同開発に取り組んでいます。カゴメの野菜原料の独占的提供による野菜入りアルコール飲料の開発が進められており、新商品第一弾は07年9月に両社のダブルブランドとして発売されました。近年国内のビール・アルコール業界では健康志向が強くなっており、この商品には各社の注目が集まっています。
07年6月、サッポロビールは生産体制の見直しの一環として、半世紀にわたって操業を続けてきた大阪工場での製造停止を決定しました。製造停止時期は08年3月末で、跡地の利用については07年6月時点では未定です。
キリンホールディングス1兆6,628億円
アサヒビール8,187億円
サッポロホールディングス2,820億円
サントリーは非上場のため非公開。
アサヒビール1億9,340万ケース
キリンホールディングス1億8,721万ケース
サッポロホールディングス6,424万ケース
サントリー5,364万ケース
アサヒとキリンがトップを争っていますが、キリンがアサヒとの差を縮めています。
インベブ(ベルギー)13.3%
アンハイザー・ブッシュ(米)11.5%
SABミラー(英)11.1%
キリンビール2.4%
アサヒビール2.0%
世界のシェア上位メーカーはM&Aを繰り返し、規模を拡大しています。
ビール・アルコール飲料業界の主要企業各社データ
07年に創立100周年を迎え、同年7月より麒麟麦酒からキリンホールディングスと社名が変わりました。この社名変更にともない純粋持ち株会社へ以降しています。
- 本社所在地
- 東京都中央区新川2-10-1
- 資本金
- 1,020億円
- 連結売上高
- 1兆6,659億円 (経常利益1,208億円)
- 平均年収
- 882万円
- 従業員数
(グループ全体) - 23,332人
02年8月に中国ナンバーワンビール「青島ビール」の国内販売権を獲得以来、中国市場への積極的な進出が目立ちます。06年5月には住友化学・伊藤忠商事と共同で、中国山東省に「三 東朝日緑源美農業更新技術有限公司」を設立しました。同月には、中国浙江省にも「浙江西湖碑酒朝日有限公司」を設立しています。
- 本社所在地
- 東京都墨田区吾妻橋1-23-1
- 資本金
- 1,825億円
- 連結売上高
- 1兆4,463億円 (経常利益901億円)
- 平均年収
- 860万円
- 従業員数
(グループ全体) - 15,280人
非上場ですが飲料業界最大手企業です。ビールシェアでは4社中最下位ですが、日本のウィスキーメーカーで初めてロシア市場に本格的に参入しています。また、業界の中でも多彩なメセナ活動が特徴です。
- 本社所在地
- 東京都港区台場2-3-3
- 資本金
- 300億円
- 連結売上高
- 1兆4,139億円 (経常利益756億円)
- 平均年収
- 853万円
- 従業員数
(グループ全体) - 20,206人
アメリカ系投資ファンド「スティール・パートナーズ」によるTOB提案の話題や08年3月の大阪工場閉鎖、同業他社との経営統合など、その去就が注目されています。
- 本社所在地
- 東京都渋谷区恵比寿4-20-1
- 資本金
- 465億円
- 連結売上高
- 4,530億円 (経常利益58億円)
- 平均年収
- 761万円
- 従業員数
(グループ全体) - 4,112人






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