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メディカル週刊ニュース
2008年 12月: 1 2 3 4
抗HIV薬を2009年春発売―ファイザー
米系製薬会社のファイザーは12月25日、抗エイズウイルス(HIV)薬「シーエルセントリ」の承認を同日付で取得したと発表しました。HIVが免疫細胞に侵入するのを防ぎます。使用している薬に耐性ができてしまった患者の方や、副作用に苦しんでいる患者の方に向けて、2009年春までに販売を開始します。
国内で販売されている抗HIV薬は細胞内でウイルス増殖を抑えるのに対し、シーエルセントリはHIVが人の免疫細胞に侵入する際に使う「ケモカイン受容体5」に結びついて侵入を防ぎます。作用の仕組みが異なるため既存薬に耐性ができてしまった患者にも効果が期待出来ると見込んでいます。
ワクチン事業化を促進、第一三共と北里研が提携
第一三共は12月25日、学校法人北里研究所(東京都・港区、柴忠義理事長)とワクチンの研究開発や製造、販売などで提携したと発表しました。北里研が見つけた有望な候補品を協力して開発し、第一三共の営業網を活用して販売します。第一三共は北里研の風しんやおたふくかぜなどのワクチンを販売してきましたが、連携を深めることで有望な候補品の事業化を促進します。
北里研は麻疹(ましん)ワクチンを遺伝子の運び役として利用した遺伝子組み換え次世代ワクチン技術などを抱えています。第一三共が研究費を出し、ヒト用感染症予防・治療ワクチンの研究を後押ししていきます。ワクチン生産は製造設備を持つ北里研が担当し、有望な候補品は第一三共が優先的に販売権を獲得します。
2210万人の糖尿病の疑いや「予備軍」―厚生労働省調査
糖尿病が強く疑われる人や可能性を否定できない「予備軍」が合わせて2210万人と推計されることが12月25日、厚生労働省の「2007年国民健康・栄養調査」で分かりました。10年前の1997年と比べ840万人(38%)、06年比でも340万人(18%)増え、増加ペースが年々加速しています。
治療を受けている人の割合も上昇している一方、治療を受けたことがない人もなお4割近くに上っています。
調査は07年の国民生活基礎調査から無作為に抽出した約1万8000人が受けた血液検査などの結果をもとに分析。項目ごとの割合を日本の人口に当てはめて推計しました。
「発熱」社員を赤外線で検知する新型インフル対策―NEC
NECは新型インフルエンザ対策の一環として、赤外線を使って感染者をチェックする装置を本社に設置したと12月25日に発表しました。赤外線を利用して入場時に社員の体温を測り、セ氏38度以上の高熱の人を検知できるようにしています。今後、東京・三田の本社ビルで実証実験し、実用化を探っていきます。
人体が放射する赤外線を解析して温度分布を映像で表示。実験ではビルの入り口に装置を置き、38度以上の部分を赤、その他は白黒で表示します。守衛が映像を確認し、38度以上の人物が通過した場合は、その場で体温計を使用して正確な体温を測った上で、マスクの着用や手洗いなど必要な対策を講じていきます。他事業所への設置や製品化も検討しています。
非喫煙でもコーヒー多く飲む人、膀胱がんリスク高―厚労省研究班
厚生労働省研究班(主任研究者・津金昌一郎国立がんセンター予防研究部長)は、たばこを吸わない男性ではコーヒーやカフェインを多く摂取している人ほど、膀胱(ぼうこう)がんにかかるリスクが高くなるという大規模疫学調査の結果を12月24日公表しました。コーヒーを多く飲む人は、発症リスクが最大で2.2倍になっていました。
一方で、子宮体がんなど別のいくつかの部位ではコーヒー摂取ががんリスクを下げることが分かっており、臓器によってがんリスクを高めたり下げたりすると見られています。
「ぼうこうがんを高めるリスクは喫煙の影響が大きい。カフェインの影響は小さく、今回の研究はコーヒーを飲まない方がいいというわけではない」と研究班は調査結果について話しています。
目薬や内服薬など4品目の花粉症対策品を拡充―ロート製薬
ロート製薬は12月24日、花粉症対策の「アルガード」シリーズで目薬や内服薬など新製品4品目を2009年1月13日に発売すると発表しました。新成分の配合などで既存品に比べ症状を抑える効果を高めました。シェア拡大を目指し、花粉症の発症部位や症状に応じた製品群を揃えます。
点眼剤の「アルガードクリアブロック」は、抗アレルギー剤や症状を抑える働きの抗ヒスタミン剤に加え、抗炎症成分「プラノプロフェン」を配合。炎症の原因物質生成を妨げて炎症を鎮めます。3成分を複合処方した一般用医薬品(大衆薬)の目薬は国内初となります。13ミリリットル入りで価格は1659円です。
仏機能性食品メーカーを買収―大塚製薬
大塚製薬は仏機能性食品メーカー「ヌトリシヨン エ サンテー」(レベル市)を買収すると12月24日発表しました。ヌトリシヨン社を傘下に抱える持ち株会社の全株式を譲り受けることで、主要株主である投資会社と合意しています。買収額は明らかにしていませんが、大塚製薬はヌトリシヨン社の取得により欧州市場の開拓を急ぎます。
大塚製薬は2009年3月末をメドに持ち株会社の全株式を取得して完全子会社化し役員を派遣する予定です。ヌトリシヨン社は機能性・栄養食品では仏大手で、欧州を中心に約40カ国で製品を販売しています。大塚製薬はこの販路を活用し、「ソイジョイ」など自社の機能性食品を売り込むことも検討しています。
ヌトリシヨン社の07年12月期の売上高は約2億6000万ユーロ(約327億円)。大塚製薬は2008年、仏飲料大手アルマ社の株式も49%取得しています。
肌への負担抑え、日常利用に対応した日焼け止め―カネボウ
カネボウ化粧品(東京都・港区)は、日焼け止め乳液「アリィー」から肌への負担を抑えた新商品を2009年3月1日に発売します。日焼け止めを日常的に使う人を想定し、さらっとした付け心地にし、保湿効果も高めました。
「プレシャスバリア サンスクリーン」を中心に、美白効果や耐水性に差をつけた8品目を売り出します。液体の中に粉末を加えてベタつきを抑え、保湿成分を配合しました。顔用以外の製品に配合する紫外線吸収剤は、シミの原因になるとされる長い波長の紫外線も防ぐよう改良しています。
価格は1470―3150円で、20代―30代の女性を主な対象に、全国の薬局やスーパーで販売。発売から09年9月末までに30億円分の出荷を目指します。
「オキナワモズク」のエキスで唇保湿−ヤクルト本社
ヤクルト本社は、薬用リップスティック「ポッシュママ」に、同社独自の保湿成分である「オキナワモズクエキス」を加えて2009年1月5日に発売します。これまでも配合していた「乳酸菌はっ酵エキス」と「オキナワモズクエキス」を組み合わせることで、唇の乾燥や荒れを防ぐ効果を高めました。 パッケージのデザインも一部変更し、容量は5グラムで630円。ヤクルトの訪問販売で年3万個の販売を目指します。
肥満症薬候補を日本で最終治験―武田薬品
武田薬品工業は肥満症治療薬として開発を進める新薬候補物質「ATL―962(開発番号)」について、このほど最終段階となる第三相の臨床試験(治験)を日本で始めたと12月22日に発表しました。武田薬品は第三相治験の開始に伴い、一時金として300万ドルを新薬候補の導入元、英バイオベンチャーのアリザイム(ケンブリッジ)に支払いました。
ATL―962は脂肪の分解酵素であるリパーゼの働きを阻害することで、体内で食事からの脂肪吸収を防いで体重を減らす効果が期待されています。武田薬品はアリザイムから日本での独占的な開発販売権を2004年に取得し、国内で治験を進めてきました。
地下鉄で新型インフル感染拡大防ぐ実証実験―国交省
国土交通省の国土交通政策研究所は、新型インフルエンザの発生時に鉄道車内での感染拡大を防ぐための実証実験を12月22日午前、都内で実施しました。実際に地下鉄の車両を使い、乗客同士で一定の間隔を保っての乗車が可能かや、乗り降りにかかる時間などを調査しました。
実験があったのは、東京都足立区内にある東京地下鉄の車庫。同研究所の職員ら約20人が車両に乗り込み、感染拡大を防ぐための目安とされる1―2メートルの間隔をあけて乗車した場合の車内での着席位置などを確認しました。駅で停車したときに乗り降りにかかる時間や乗客の誘導方法も検証しています。
インフルエンザは主にくしゃみやせきをしたときの飛沫(ひまつ)で感染します。都市部では鉄道の車内が感染を拡大する原因になると懸念されており、このため、乗車の自粛などによって車内の混雑を緩和する必要があると考えられています。
女性向け新ブランド、コカ・コーラにビタミンC
コカ・コーラグループは女性向けの「コカ・コーラ」として、美容や健康に良いとされる栄養素を加えた新ブランドを2009年1月5日に投入すると発表しました。第1弾はビタミンCで、レモン風味に仕上げています。容器のラベルには黄色をあしらい、既存商品との違いを強調します。
新ブランドは「コカ・コーラ プラス」。肌の調子や栄養などを気にする20―30代の女性に売り込みます。今後はビタミンC以外の成分を入れた商品の発売も計画しています。
スペイン企業に出資、欧州で在宅医療参入―帝人ファーマ
帝人ファーマは、欧州で在宅医療事業に参入すると12月19日発表しました。スペインの製薬大手ラボラトリオス・デル・ドクトル・エステベ(バルセロナ)の在宅医療事業子会社に出資、2009年1月末にも酸素濃縮器など装置類の本格販売を始めます。帝人ファーマは米国や韓国で展開しており、在宅医療事業の海外進出を進めています。欧州にも拠点を築き、海外売上高引き上げを目指します。
帝人グループの欧州子会社であるテイジン・ホールディングス・ネザーランドが2009年1月末を目途に、エステベと折半出資のエステベ・テイジン・ヘルスケア(バルセロナ)を設立します。その後、エステベが保有している在宅医療会社オキシメプラス(アンダルシア州)の株式51%をすべて取得する予定です。
東北大院医師ら呼び掛け、冬季出産時の血圧上昇に注意喚起
冬に出産予定の妊婦は、他の季節に出産する妊婦と比べ、妊娠中期から後期の血圧の上昇幅が大きく、その結果、後期の血圧が高くなることが東北大大学院医学系研究科の目時弘仁医師(臨床疫学)らのグループによる研究で12月20日、明らかになりました。
国内の出産は年間約100万件に上りますが、約1割が妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)にかかっています。発症原因は不明ですが、妊娠後期にかかることが多く、「冬に出産予定の方は、夏時点の血圧が低めに出がちで、お産にかけて大きく上昇している場合があるのでこまめに血圧を測ってほしい」と目時医師は話しています。
予防に手洗い・うがいを 「マイコプラズマ肺炎に注意」
インフルエンザが流行する一方で、高熱や激しいせきが長く続く「マイコプラズマ肺炎」にかかる人も増加しています。市販薬は効かず、治療が遅れると重症化する恐れもあることから、専門家は注意を呼び掛けています。 国立感染症研究所(東京)によると、定点観測している全国約450医療機関から報告された患者数は、2008年11月10日から12月7日までに857人に上り、昨年の同じ時期より96人増となっています。患者数が多い都道府県は青森、宮城、福島、愛媛、沖縄などでした。
せきのしぶきで感染するため、学校や会社などで集団感染するケースが多く、治療が遅れると、体力が弱い幼児や高齢者は死亡する恐れもあります。
病原体は「肺炎マイコプラズマ」と呼ばれる細菌の一種で気管支で増殖し、炎症を引き起こします。感染すると高熱が出て、乾いた激しいせきが長く続くのが特徴です。「晩秋から春にかけて流行する傾向があり、これから感染者は増える」と同研究所の荒川宜親・細菌第2部長は指摘しています。

12月31日付

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