今回ご相談いただいたDさんは、大学卒業後、海外と日本の大学でそれぞれ1年ずつ研究助手として勤務後、海外の大学院に留学。4年間の博士課程を修了される直前に、日本への帰国転職についてのご相談をいただきました。これまで企業で勤務されたことがないため、日本での企業勤務がどのようなものか、といったところから情報提供させていただきました。
仕事への希望条件
大学院で学んだ免疫学の知識と学位(博士)を生かして、日本の企業で研究職として働きたい。
最初にDさんにお会いしたのは、転職を予定されていた時期の半年前でした。大学院の休暇中で、日本に一時帰国されていた時のことです。Dさんは企業への転職を希望されていましたが、その採用動向についてはご存知ないということでしたので、まずは日本企業での仕事はどのようなものかと、日本における研究職の採用事情を十分に説明させていただきました。具体的には、「企業での勤務経験がない方は不利であること」「同じ研究分野の経験者に絞ったピンポイント採用がほとんどであること」「1名だけといった狭き門であること」…といった内容です。結果的には、少し早いかな…とも思えるこの段階でご相談いただいたことがとても良かったと思います。
この時点で、Dさんの研究経験が生かせ、またご本人も希望されている内容の研究職募集がありましたので、さっそく5社をご紹介しました。ここで問題になったのは「入社時期」です。Dさんは、その後、再度海外の大学院に戻り、博士論文を執筆する予定でした。大学院修了(学位取得)はさらにその先になりますので、企業側に「入社が半年先になるが良いか」を確認しなくてはなりませんでした。幸い2社から、それでもよいので会いたい…というお返事をいただき、面接を設定することができました。2社とも、Dさんに対しての評価は高く、大学院を修了して帰国した後に最終面接を行なうことで合意をいただきました。
その後、Dさんからは「教授の都合で博士論文の口頭試問が終わらず、帰国が1カ月延びる」というご連絡をいただきました。また、ちょうどその時期が海外旅行の繁忙期に当たってしまったため、なかなか航空便のチケットが取れないという事態にもなりました。実は、帰国転職というのはここが一番難しいところです。もし、企業が待ってくれなければ、せっかく1次面接では合格していたのにご縁がなかった…ということにもなりかねません。Dさんの場合は、状況の変化を逐一ご連絡いただけましたので、企業側にもその状況をその都度お伝えし、待っていただけるようにこちらで交渉をしました。結果的には、約1カ月遅れになりましたが、帰国後に最終面接を受けていただき、無事2社から内定をもらうことができました。現在は、そのうちの1社で研究職として勤務されています。
まず第一のポイントは、一時帰国の段階でご相談いただいたこと。研究職の募集は「1名のみの募集」が多いので、大学院を修了してから動いたのでは、もう募集を締め切っていた可能性のあった求人にも応募することができました。
第二のポイントは、海外から本当にこまめに連絡をいただけたことです。それによって、学位取得の遅れや航空便のチケットが取れない…といった問題が発生した際にも、企業に即座に状況をお伝えし、待っていただくことができました。帰国転職の場合、企業側は「本当に帰ってくる気があるの?」「約束した時期から遅れているのに連絡がないのはなぜ?」といったことを、実は非常に気にされているものです。Dさんのケースでは、ご連絡が密であったことが最大の勝因だったといって良いでしょう。
また、連絡をメールではなく「電話」で行なったことも良かったと思います。電話の場合、リアルタイムで双方向ですから、細かい質問や確認ができ、企業にもDさんにも十分な情報をフィードバックできました。帰国時期が当初の予定から大幅に遅れても、企業側がDさんを信頼し続けてくださったのは、そのためだと思います。
海外の大学院からの帰国転職でしたが、最終段階では入社時期がずれたりと、クイックさんには本当にいろいろご迷惑をかけてしまいました。しかし、1名の募集枠の研究職に応募・内定し、入社も待っていただくことができ、そういった意味では、早い時期からご相談させて頂いたのが良かったのだなと改めて思いました。また、こちらの都合で遅れたものを、きちんとフォローしていただき、神部さんには本当に感謝しています。
現在は、希望していた企業の研究職として勤務し、大学院で学んだことも生かせる環境です。企業について何も知らなかった私に、初歩的なことから教えていただき、その面でもとてもよいアドバイスをいただけたと思っています。ありがとうございました。
















