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自動車の走りをしっかり支える大切な部品、それがホイールです。性能の安定が安全性に直結する重要なパーツであると同時に、車種ごと、用途ごとに異なる仕様が要求される部品でもあります。このホイールのサプライヤーとして世界でトップのシェアを持っているのが、米国を本社とするヘイズレメルツ・インターナショナル(HAYES LEMMERZ INTERNATIONAL)社です。
ヘイズレメルツ社は、ホイール専業メーカーとして100年以上の歴史を持ち、史上初の量産型乗用車といわれるT型フォードの時代から、米国の自動車産業を支えてきました。特に、乗用車向けのアルミホイール/スチールホイール、そしてバス・トラック向けのスチールホイールの分野には強みを持っており、高い世界シェアを誇っています。
現在、米国・欧州・アジア・アフリカの14カ国に事業展開し、ワールドワイドでの売上高は21億2,670万ドル(2007年・日本円換算で約2,275億3,500万円)、従業員数は8,500名となっています。これは、ホイール専業メーカーとしては世界最大級といえるものです。
株式会社ヘイズレメルツジャパンは、そのヘイズレメルツ・インターナショナルの日本法人であり、トヨタ、ホンダ、日産など日本に本社を置く完成車メーカーへの営業拠点としての役割を担っています。
ヘイズレメルツが世界シェアトップを維持している理由は何でしょうか。それは、歴史に裏打ちされた高い技術力とそのグローバルな供給体制にあります。
基本的にホイールは、完成車メーカーからの仕様に基づいて生産されるOEM製品です。ヘイズレメルツでは、確実に一定のクオリティーを実現する品質保証の技術を、長年の経験により磨いてきました。完成車メーカーと自社工場をつなぐセールスエンジニアのレベルの高さにも定評があります。
また、ほぼ世界中をカバーする形で配置された工場は、世界各地で現地生産を行なう完成車メーカーの要望にワンストップで応えることが可能です。たとえば、同じ車種を複数の国で生産する場合、それぞれ現地でホイールを調達しようとすれば、国ごとに地元のホイールメーカーとの打ち合わせを行い、品質保証にも少なからぬ労力が必要となります。しかし、ヘイズレメルツであれば、本社でまとめて打ち合わせを行なうことで、世界中の工場に高い品質のホイールを供給することができるのです。
現在、世界には数多くのホイールメーカーがありますが、同社と同じレベルでグローバルな供給体制を整備しているサプライヤーはほとんど見当たらないといっていいでしょう。
トヨタ、ホンダ、日産といった日本の自動車メーカーも、世界各国で積極的に現地生産を進めています。それに応じて、日本でもヘイズレメルツへの注目度はますます高まっているといえます。
ヘイズレメルツが日本で活動を開始したのは、1987年のことです。当初は、日本軽金属との合弁という形態でしたが、1996年に日軽金がホイール事業から撤退したのを受けて、単独のヘイズレメルツジャパンとしての営業を開始しました。
つまり、前身時代からの通算では20年以上、単独になってからも10年以上の日本での実績を持っています。
現在の主要顧客は、トヨタ、ホンダ、日産など、日本を代表する完成車メーカーとなっています。日本で生産される車種向けのホイールは主にヘイズレメルツのタイ工場から輸入されており、その数は年間100万本以上にのぼります。
また、トヨタ、ホンダ、日産が海外で現地生産を行なう際に必要になるホイールの供給にも、日本のヘイズレメルツジャパンが責任を持っています。
これらのホイール本数もあわせると、ヘイズレメルツジャパンが何らかの形で関係している取引量は、ワールドワイドのヘイズレメルツ社のホイール生産本数のおよそ1割にも相当します。
このスケール豊かなビジネスに携わっているヘイズレメルツジャパンのスタッフは、トップを含めて現在7名という少数精鋭です。生産拠点が日本国内にないためですが、完成車メーカーと海外工場をつなぐ営業(技術営業)拠点として、非常にダイナミックな動きをしています。取引先に出向いての打ち合わせや折衝、海外工場との電話やメールでのやりとり(これはもちろん英語です)、さらには生産立ち合いの場合には海外への出張もあります。出張が多い業務となるため、1カ所にじっとしているのが好きという方には向かないかもしれません。また、一人一人に任される仕事の範囲もかなり広いのが特色です。しかし「世界の自動車業界の動きを肌で感じながら、スケール感豊かな仕事をしてみたい」という方には、非常に大きなやりがいを感じられる環境といえそうです。
ヘイズレメルツ社も米国では100年以上の歴史を持っていますが、積極的な若手の登用により、年齢に関係なく能力のある人を重要なポジションに抜擢する社風になっています。日本法人も、若手社員が大勢活躍しています。
特に日本では、社員数が少ないこともあって、組織は極めてフラットで意思決定が速く、スタッフが社長に直接意見を伝える…といった光景もごく日常的です。大手企業から転職してきた社員も多いのですが、「仕事における裁量の範囲も大きく、非常にやりやすい」という声が多く聞かれました。
またヘイズレメルツ・インターナショナルでは、自社がプレミアムサプライヤー(価値あるサプライヤー企業)であるための条件として、「顧客満足度アップ」「低コストの実現」「社員教育の充実」を挙げています。しかし、3番目の「社員教育の充実」は、社員数の少ない日本では難しいのでは…と思われるかもしれません。たしかに、業務に関する教育はOJTが中心になりますが、短期での結果を求めるのではなく、3〜5年程度の時間をかけてじっくりと育成する方針をとっています。実際、大学から新卒で入社し、現在は第一線のプレイヤーとして活躍している人もいるなど、若手を育成した実績もしっかり持っています。また、タイでの工場研修は全員に対して行うほか、日常的に必要となる英語の研修(会社負担での語学スクール通学など)にはかなり力を入れています。
日本法人の規模は決して大きくありませんが、ぜひグローバルなスケールで評価していただきたいホイール専業の世界最大手メーカーです。日本ではトヨタ、ホンダ、日産向けのビジネスが中心ですが、両社は海外生産も積極的に行なっており、活躍のフィールドは国際的に広がっています。
もし、以下のような志向をお持ちで転職をお考えでしたら、ぜひ視野に入れていただきたい企業です。