転職×天職 > 注目企業採用情報 > ASMLジャパン株式会社
半導体のフォトリソグラフィー(露光装置)で、約65%の世界トップシェアを占めているのが、オランダを本部とするASML社です。そのグローバルの売上高は、2008年第2四半期で844百万ユーロ。露光装置の分野で6年連続トップであるばかりでなく、世界の半導体製造装置業界全体の中でも第3位に位置する企業となっています。ASMLのフォトリソグラフィーは、世界の大手半導体メーカートップ20社のうち18社で採用されています。
このASML社の日本法人がASMLジャパン株式会社です。ASML社が日本で本格的に営業を開始したのは2001年からのこと。それまでは露光装置の日本シェアは、日系企業で占めており、世界トップのASML社といえども日本市場に進出するのは難しい…と、進出が手控えられていました。
しかし、国際的な競争力を高めたい日本の半導体メーカーがASMLの高い技術力に注目したこと、またASML社サイドでも世界の半導体設備市場の20%を占める日本市場の開拓が大きなテーマになったことなどから、2004年以降、日本でも積極的な営業を開始しました。現在、ASMLジャパンは全国に8拠点を展開、2004年に70名だった社員数も266名(2008年9月現在)にまで成長。日本市場での売上シェアも着実に伸ばしています。
ASMLの露光装置が日本でも急速に普及した理由の一つは、やはりその先進的な技術力でしょう。純水を用いた「液浸露光技術」はASMLが世界をリードしている分野であり、36.5nmまでの解像度を持つなど半導体パターンの微細化、高集積化に大きく貢献しています。
また、ASMLは同時に2枚のシリコンウエハーを処理する「デュアルステージ技術」でも知られています。フォトリソグラフィーを構成する部品の中でも特に高価なレンズの稼働率を上げるこの技術は、半導体の製造コストを大幅に引き下げるものです。
これらの先進技術は、ASMLの技術開発への惜しみない投資から生まれました。2007年の同社の研究開発費は年間5億ユーロ以上(約775億円)にも上っています。半導体は技術の革新が非常に速い分野であり、積極的な研究開発投資は欠かせません。
現在、フォトリソグラフィーの次世代技術といわれるEUV(極紫外線)露光装置の実用化テストも着々と進んでいます。世界トップの売上をあげているからこそ可能な、豊富な開発投資により、ASMLはそのリードをさらに広げようとしています。
現在ASMLジャパンの売上は、世界のASMLグループ全体の中でも急激に伸びてきています。存在感を増す日本市場に対応するため、同社ではカスタマーサポートエンジニアの強化に一層の力を入れています。
ASMLの露光装置が日本市場に受け入れられたもう一つの理由が、このサポートの充実です。同社では1台でもその機器を導入した顧客があれば、その顧客に迅速に対応し、サポートするためのオフィスを開設します。
1台当たりのエンジニアの数も3〜5名と業界の中でも装置のサポート体制は秀でています。「ウエハーの搬送技術」「露光源の技術」「露光位置の制御技術」…など、プロセスごとの専門知識を持ったエンジニアがあらゆるケースに即時対応できる体制を作っているのです。
こうしたASMLの高いサポート体制は、顧客企業から高い評価を受けています。現在、日本全国で活躍中のカスタマーエンジニアは200名程度(カスタマーサービス部門)。ASMLジャパン社員の8割近くがこの部門に所属していることからも、同社のサポートへの力の入れ方が分かるのではないでしょうか。
こうした専門知識を持つASMLのサポートエンジニアも、もともと露光装置の経験者だった人は少数派です。その多くが洗浄装置や検査装置…といった露光以外の半導体精密機器の分野からステップアップしてきた技術者たちなのです。
「最高の精密さが求められる露光の技術を学びたかった」「世界最先端の製品をサポートしてみたかった」…転職した動機をきくと、そんな技術的なやりがいをあげる人が多くいらっしゃいます。
また、その方たちの多くは20代後半から30代、半導体業界で3〜10年程度の経験を持ったエンジニアの方たちとなっています。
最先端のフォトリソグラフィー技術を学んでもらうため、ASMLジャパンではトレーニングに力を入れています。入社から6〜9カ月は研修期間と位置づけ、国内の現場でのOJTの他、アジア・欧州・米国など海外の教育拠点でも研修を行います。この期間で露光技術の基礎をしっかり身につけることができます。これ以降も毎年2〜3回の国内・海外研修(オランダ本社、米国、韓国、台湾など、期間は各1〜2週間)で日々進化する最新技術をキャッチアップするようになっています。
もちろん、業務に必要な語学研修(eラーニング)やビジネス研修、リーダーシップ研修、マネジメント研修、コミュニケーション研修…など、一人一人をレベルアップさせるさまざまな自己啓発プログラムも用意されており、エンジニアとしてだけでなく、ビジネスパーソンとしても成長していける環境が整えられています。
ASMLグループはオランダを本社としており、人を大切にする欧州系企業の伝統は、日本のASMLジャパンにも深く根づいています。
フィールドサービスエンジニアの場合、フィールドサービスのリーダー、マネージャー…と昇格する他に、現場と海外の技術部門をつなぐテクニカルサポートへのステップアップ、あるいはセールスやアプリケーションエンジニアなど営業系のキャリアへの道があります。
また、海外のグループ企業で働くコースにも可能性があります。
組織はフラットで、社員の意見が会社運営に反映されやすいシステムとなっています。前述の研修、自己啓発などの制度の中には、社員からの要望でできたプログラムも少なくありません。ゆとりを持って働ける環境をつくりだしているのは、やはり同社の高い収益率と安定性でしょう。シリコンサイクルや景気変動への対応が求められる半導体業界ですが、ASMLではシステム全体の設計や統合、顧客サポートサービスに注力するといった独自のビジネスモデルを生み出すことで対応を図っています。
日本では日系企業が市場の大半を占めていた半導体露光装置。しかし、世界のリーダーであるASMLが本格的に市場に参入してきたことで、大きく変わろうとしています。海外で高いシェアを持つASML社の技術を学ぶチャンスが日本でも大きく広がりました。
主な募集職種は、カスタマーサービスエンジニアです。半導体業界にてご経験を有するエンジニアの方であれば、露光装置自体の取り扱い経験は問いませんので、半導体設備の中でも最も高度な技術が要求されるこの分野にチャレンジしてみたい…という方にぜひご注目いただきたいと思います。
こういった志向をお持ちの方にぜひお勧めしたい企業です。
なお、勤務地は東京のほか、富山・福島・山形・三重・長崎・熊本などの可能性があります。転居が必要な赴任や異動の場合には住居手当、転居費用などが支給されますので、お気軽にお問い合わせ下さい。