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日本・中国・欧州でトップシェア、世界シェアNo.2.空調から環境技術へ 世界の標準温度をつくる企業

ダイキン工業株式会社

(取材日 2008/01/24 )

国内シェア1位、世界でもトップをめざす総合空調メーカー

イメージキャラクター ぴちょんくん

2000年夏に家庭用ルームエアコンの販促キャラクターとしてテレビCMに登場した、水滴型のマスコット「ぴちょんくん」。

あちこちから問い合わせがあり、あっという間に人気者に。翌年にはキャラクターグッズやCDまで発売されるほど親しまれましたので、記憶に残っている方も多いのではないでしょうか(そのCDは、実は10万枚ものヒットになっています)。

この「ぴちょんくん」でおなじみのエアコンを製造・販売しているのがダイキン工業株式会社です。もともと日本を代表する空調機器のトップメーカーとして有名でしたが、創業以来の得意分野はオフォスや店舗などで使われる業務用エアコン。その業務用で培った高度な技術を、家庭用エアコンにも転用し、積極的な展開を開始したのが、ちょうど「ぴちょんくん」の登場時期、2000年前後だったのです。

冬場の室内の乾燥を給水なしで防ぐ「無給水加湿」という独自機能などが人気を集め、同社の家庭用エアコンはシェアを急速に伸ばします。2003年には家庭用でも、国内シェア1位を獲得。以来、業務用・家庭用の両部門で国内シェアトップの総合空調メーカーとしての歩みを進めています。

ダイキンは、国内だけにとどまらず、世界でもトップクラスの空調メーカーとして知られています。すでに中国、欧州ではシェア1位を獲得。特に、都市部中心に展開している中国では、上海の富裕層の間で、「自宅に大金(ダイキン)のエアコンを備えることがステイタス」といわれるほどになっています。

また、世界最大のエアコン市場である北米でも本格的な攻勢を開始。実は、北米のエアコン市場は、独特のダクト方式といわれる技術が標準となっており、それが参入の障壁となっていました。

しかし、2006年に省エネや環境対応に関する規制が大幅に強化され、それらの技術に強いダイキンにとっての大きなチャンスが到来したのです。

この動きを受け、ダイキンは米国の大手エアコンメーカー・マッケイ社を傘下に持つOYL社を買収。これによって、世界売上高でも第2位となりました。

北米に強力な足場を得たことで、ダイキンの技術を世界標準にするための環境が整いつつあります。すでに全売上高に占める海外の割合は50%を超えていますが、今後はこの流れがいっそう加速するものと見られています。同社では、「2010年までに空調機器の世界シェア1位」を目標に、北米をはじめインド、中近東、中南米…などの成長市場に目を向けています。

あらゆる「温度」を操るダイキンの最先端技術

ダイキン工業は、1934年に飛行機のエンジン冷却部品を製造する大阪金属工業として創業されました。その翌年には、日本初の冷媒用フロンの開発に成功。冷凍機器メーカーとして知られるようになります。1951年には、わが国初の業務用エアコンを開発。80年代には1台の室外機で複数の室内を個別に制御する「ビル用マルチエアコン」を国内で初めて開発。また、化学部門でもフロン規制をクリアする代替フロンの開発、LANケーブルに使われるフッ素樹脂の事業化…などで業界をリードしてきました。

このように、いつの時代にも技術開発型企業として、次世代技術を切り拓いてきたのがダイキンの歴史です。その同社が、現在のコア技術と位置づけているのが、「ヒートポンプ」「インバータ」「フッ素化学」の3分野です。

「ヒートポンプ技術」は、空調技術の核となるもの。大気中の熱を有効に利用して加熱や冷却を行う技術。エネルギー効率が良いことから、地球温暖化防止の観点からも注目されている技術です。
「インバータ技術」は、外気温・設定温度にあわせて、空調機器のモーターの回転数をコントロールし、エネルギーを節約する技術。
これも省エネに直結する技術であると同時に、冷凍・冷蔵機器や、ショベルカーの制御部品(消費電力を95%削減する油圧ポンプ)など異分野への応用という点でも注目されています。

「フッ素化学技術」では、水や油をはじく・よく滑る・優れた電気特性…といったフッ素のユニークな性質を生かし、“塗るエアコン”といわれるフッ素系遮熱塗料「ZEFFLE」の開発など、環境規制に有効な製品を多数開発。実はダイキンは、このフッ素化学の分野でも世界第2位のシェアを持っており、半導体の微細加工材料や次世代光メモリ用の光記録材料の開発など、最先端分野の研究も継続的に行っています。

この他にも、空調機器やその関連技術から派生した多くの新しい技術の製品化や事業化が進められており、特に環境対応という点では世界でも最先端という評価を受けています。まさに空調から環境へとダイキンは進化を続けているのです。
もちろん、この技術を支えているのは同社のエンジニアの力です。「機械設計」「プラントエンジニア」「ソフトウェア開発」「電気設計」などの他、「セールスエンジニア」「購買」などの多くのポジションで新しい力を求めています。

人を活かす経営が成長を支える 中途入社の社員も多数活躍

技術力とともに、ダイキン工業の大きな特色といえるのがその社風です。基本となっているのは「人を活かす」ということ。
「スピード&フラット」という考えにもとづいて、年齢や役職ではなく、意欲があって最も適任と思われる人に仕事をまかせていきます。一例をあげるならば、冒頭で紹介した「ぴちょんくん」のキャンペーンを企画したのは、入社4年目の社員だったそうです。

また、何かのプロジェクトを進める際などには、トップダウンではなく、関わる人全員が徹底的に議論する風土があります。そして、組織全体が納得したことについては、一丸となって遂行する。それによって得られる組織全体の納得感と行動力がダイキンの強みになっているのです。

国際化が進む同社では、現在グループ社員の約70%が外国籍となっています。異文化の人材を受け入れてその力を引き出すこともごく当たり前になっており、当然中途入社の方に対するハンディなども一切ありません。ここでも「フラット」の考え方は貫かれており、現在管理職として活躍されている方も多数おられます。

担当コンサルタントより

担当コンサルタント
藤田 七瀬

空調分野においてはトップメーカーですが、同時に環境対策をはじめ様々な先端技術で国際的に評価の高い企業です。
以下のような志向の方に、ぜひご注目いただきたいと思います。

  • 新しい技術開発に取り組んでみたい方、先端技術に興味がある方
  • 環境技術を志向されている方
  • 国際的な企業で働きたい方
  • 海外で活躍してみたい方
  • 関西が本社の企業で働きたい方
  • 成長企業でそのスピード感を実感してみたい方
  • スケール豊かなビジネスを体感してみたい方
(更新日 2008/08/01 )