金型の隙間に溶かしたプラスチックを注入して、ある形の物をつくることを「成形」と言います。そしてできあがったプラスチックの製品が「成形品」です。
自動車や電化製品の部品、CDやDVDのケース、プリンやゼリーの容器、医療用の注射器などもすべて「プラスチック成形品」。もはや成形品なしでは私たちの生活が成り立たないと言えるでしょう。
不二精機の事業の軸は、成形に用いる「超精密金型」の製造・販売です。情報関連、医療、食品、光学機器、家電、自動車など、あらゆる分野のメーカーに精度の高い金型を提供。また金型だけでなく、成形機・成形周辺機器・取出し機・組立て機といった「成形システム」も販売しています。
さらに生産管理・製造の自動化を担う「製造システム」まで提供し、各メーカーの製造工程をトータルにサポート。「最適な成形環境をお届けする」という企業スローガンのもと、成形に関わるあらゆる事業を展開しているのです。
不二精機では精密金型の製造を核に広げてきた幅広い技術により、商品企画からアッセンブリ(成形後の工程)まで、精密成形品とその製造に関わるソリューションをワンストップで提供できる体制を実現。製造工程のすべて、あるいは一部分を顧客ニーズに合わせて提供する「プロダクト・マザー」という考え方で、「成形の次代のスタイル」を提案しています。
数あるプラスチック成形品の中でも、特にCDケースでは抜群の強さを誇ります。CDケース用金型では圧倒的シェアを獲得。世界で販売されているCDケースの半数以上が、不二精機の精密金型および成形システムによって生産されていると言われるほどです。
さらに最近その需要が大幅に高まっているDVDケースにおいても、高品質・高生産性を兼ね備えた精密金型・成形システムを販売。ここでも確実にシェアを伸ばしています。
精密金型や成形システムを提供する会社として抜群の信頼を誇る不二精機ですが、最近はその技術を活かした自社製の成形品(完成品)の納入を求められるケースが増えています。
そんな市場ニーズの変化に対応するため同社では「精密成形品事業」を拡大し、すでにCDケースやデジタルカメラ用の光学部品、食品用コンテナーなどを製造。品質・精度はもちろん、価格や納期の面でも高い顧客満足度を実現し、これが「精密金型」「成形システム」「製造システム」に次ぐ「第4の事業の柱」になろうとしています。
不二精機は今後の中期戦略・展望の中で、「プロダクト・マザー」の考え方に基づく「ワンストップソリューション」のさらなる拡大をメインに置いています。
上記のような提案・サポートを一貫して行う「プラスチック成形総合システム会社」への飛躍を目指しています。
大阪・東京・松山の国内拠点に加え、早くから海外にも関連会社を置く不二精機。そこでも各地の市場ニーズに応じた目標を掲げています。
私たちの生活に欠かせないプラスチック成形品。求められる製品は時代の流れや技術の進歩により、多様化・高度化の一途を辿っています。不二精機は今後も市場ニーズの変化に臨機応変に対応しながら、また国内外拠点の総力を合わせて、成形という分野の先頭を走り続けていきます。
近年、医療業界においては衛生管理の徹底のため、注射器をはじめとした医療器具はほとんどが使い捨てです。上記のような、大量生産に向かない「精密さ」を求められる製品を大量生産するための金型をリリースできる技術力のある同社の技術力は高いといえるでしょう。
また、金型製造だけにとらわれず、市場から完成品を求められれば、その生産体制を即座に整える同社。スピーディーな事業展開力を持つこの社風は、同業他社にはあまり見られません。
ジャスダック上場の金型メーカーが今、新たなチャレンジをしようとしています。その活気あふれる職場環境は、スキルアップだけでなく、事業運営の当事者としてのやりがいなども転職の際に求めたい方にはお薦めの企業です。