日本有数の総合電機メーカー
「三菱電機は何を作っている会社？」と聞かれたら、あなたは何を思い浮かべられますか？ エアコン、冷蔵庫などの家庭用電化製品メーカー。まず、こうイメージされる方は多いと思います。それも確かに、三菱電機の一つの顔です。ですが、それだけでは正解とはいえません。電車・自動車用電装品、ジェットタオル、産業用ロボット、タービン発電機、プリント基板…これらの機器はすべて、三菱電機の製品のひとつ。三菱電機は、多岐にわたる製品群を擁する、日本有数の総合電機メーカーです。
4年連続で増益を続けている営業利益
三菱電機は1921年に設立された、東証一部上場企業。事業分野は重電システム、産業メカトロニクス、情報通信システム、電子デバイス、家庭電器の5つの事業セグメントに大別されており、2007年度の総売上高は4兆500億円（連結）で3年連続増収、営業利益は2002年度から5年連続で増益を続けています。
既に挙げた自動車用電装品などのほかにも、エレベーターやエスカレーター、人工衛星、FA機器、がん治療に使用される陽子線治療装置など、幅広いフィールドで社会性・公共性の高い事業を世界規模・国家レベルで展開しています。
三菱電機が目指しているのは、より快適な社会。ホームエレクトロニクスから通信機器、プラントに代表されるインフラ設備、宇宙関連機器など様々な分野での開発で培ってきたノウハウを活かし、その実現に取り組んでいます。
海外衛星市場への進出にも積極的
三菱電機を支えるのは、長い歴史の中で培ってきた技術。「顧客要望に応え、社会をより快適にする」という目標を持って技術開発を行っています。
同社の高い技術力を裏付ける例としてまず挙げられるのが、宇宙開発技術。
三菱電機は宇宙環境を再現する試験設備を備え、人工衛星の開発・設計から試験までを一貫して行うことができる、日本で唯一のメーカーです。この強みを活かし、国内市場だけでなく、海外衛星市場への進出も積極的に行っています。
現在開発に取り組んでいるのは、次期通信衛星、スーパーバード7号機。これは、同社製の標準衛星バス「DS2000」を採用した、国産初の商用通信衛星です。設計から打ち上げ、軌道上試験までを三菱電機が担当しています。
世界最大級の「オーロラビジョン」
もう一つの例として、三菱電機がオリジナル開発した大型映像スクリーン「オーロラビジョン」が挙げられます。
納入台数は全世界で既に１千台超。その代表例が、2006年9月に東京競馬場に設置されたオーロラビジョンです。スクリーンの大きさは、世界最大級のテニスコート約3面分。
パドックを歩く馬の毛並みまで再現する従来型の約3倍の解像度に加え、単に映像を表示するだけでなく、ハイビジョン映像によるレース中継とオッズ着順などを同時に見ることを可能にしています。
三菱電機の夢であり、使命でもあるのは「夢物語を現実にする」こと、言い換えれば「暮らしをより豊かにし、社会を大きく変えていく製品・サービスを生み出す」ことです。
この夢を実現させるために、三菱電機はVI戦略、AD戦略、グローバル戦略の3つの柱からなる成長戦略を採っています。
VI戦略
VI戦略とは、独自の強みを持っている既存事業を、より強くすることを目的とした戦略。独自の強みを持つ事業には、エレベーター、自動車用電装品、人工衛星などが挙げられます。これらの事業において、個別戦略をより強化するとともに、今まで蓄積してきた様々な技術やノウハウを組み合わせることによる事業強化を図っています。
AD戦略
AD戦略はVI戦略で挙げた強みを持つ事業を核に、それぞれの技術を融合させて「トータルビジネスソリューション」として更に市場競争力のある新事業・新製品を創出することが目的。多様化する市場ニーズに対応し、ユビキタス、環境・省エネなど、様々なソリューションプロジェクトが既に進行しています。
グローバル戦略
グローバル戦略においては、海外拠点との連携、地域戦略と事業・機種戦略の連携の強化を図ることを中心に据え、交通システムをはじめとした多くの事業でグローバル生産・販売体制の強化を進めています。それと同時にマーケティング、ファイナンス支援などグローバル経営のためのインフラ整備、中国やインド、ASEAN諸国など高成長地域における成長戦略強化にも取り組んでいます。
担当コンサルタント関寺 庸平
グローバルに活躍するチャンスも豊富に用意されています
三菱電機は、新しい技術開発に取り組みたい、社会を大きく変えるような仕事がしたい、そんな希望をお持ちの方にぜひお勧めしたい企業です。
その理由としてまず挙げられるのが、事業部門の幅広さと、新規事業への積極的な取り組み。家電部門だけでなく、衛星機器や産業メカトロニクスでもトップクラスの製品群を擁しています。これらのコアビジネスを強化しつつ、相乗効果を狙った新分野での研究開発も盛んに行われています。
アメリカ、中国、チェコ、ブラジル、メキシコなど海外製造拠点も多く、グローバルに活躍するチャンスが豊富に用意されている企業です。