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人材育成・戦力化により、好業績を継続中臨床開発業界で注目される企業

株式会社メディサイエンスプラニング

(取材日 2009/02/18)

「医師の視点」から新薬開発に取り組むスペシャリスト集団

本社

人材の育成に注力し、大きな変革をもたらした会社戦略

新薬開発に欠かせないプロセスである臨床試験。製薬会社とともにこの臨床開発に専門的に取り組むCROの役割は、今後もますます大きくなっていくことが予想されています。そうしたCROの中でも、近年急速に業績を拡大し、業界でも注目の存在となっているのが株式会社メディサイエンスプラニングです。

メディサイエンスプラニングは、もともと医薬品開発に関する資料作成や市場調査などを目的に1982年に設立された歴史のある企業です。
1990年代中盤、日本でもCRO事業が認可されると、ほぼ同時に臨床開発分野にも進出。日本CRO協会にも設立時から参加するなど、CRO業界では確かな地位を築いてきました。
2000年代前半までは中堅クラスのCROであった同社ですが、2005年に現在の浦江明憲社長が就任したことが大きな転機となりました。

医師として1980年代から臨床薬理学を手がけた後、医薬品開発やその周辺ビジネスで知られる米国・スタンフォード大学に研究員として勤務、帰国後は医療法人の立場で製薬会社から臨床試験を受託する…など多彩な経験を持つ浦江社長は、メディサイエンスプラニングに大きな変革をもたらしました。

浦江社長がまず取り組んだのは人材の育成です。近年、臨床開発は大規模化が進んでおり、中堅CROでは仕事を請けきれないことも少なくありません。これに対応するためメディサイエンスプラニングは積極的な人材採用を行ない、モニター(CRA)を拡充。未経験者を戦力化するための研修制度の整備などにも取り組みました。また、M&Aによって即戦力モニターの層にも厚みを加えました。

これによって、2007年8月期には売上高43.1億円(対前期比81%増)・経常利益2.7億円(同160%増)、2008年8月期には54.68億円(対前期比26.9%増)・経常利益4.7億円(同74%増)…と大幅な増収増益基調を実現。今年度も、前年を上回るペースで売上を伸ばしています。規模的にも社員数500名超へと成長し、2008年10月には大阪証券取引所「ヘラクレス」への株式上場も果たしました。

「総合医療サービス企業」をめざす

現在のメディサイエンスプラニングは、国内系CROとしてはモニタリング業務の売上で業界第3位に位置しています(外資系を含めても第4位)。コンスタントに十数本の臨床開発プロジェクトが走っており、安定的な成長を続ける企業となりました。

しかし、浦江社長は早くも「次の一手」に取り組んでいます。MR業務の受託を行うCSO事業、安全性に関する調査などを幅広く行なうファーマコヴィジランス事業はすでに立ち上がっており、現在最も力を入れているのが、「国際共同治験」と「治験マッチングサービス」です。

国際共同治験は台湾、韓国の有力CROとの業務提携がすでに実現しており、また治験マッチングサービスは医療機関に導入した電子カルテサービスを患者スクリーニングに活用することで海外並みの迅速な臨床試験を実現する革新的なビジネスモデルになる予定です。

「医師の視点」から新薬開発に取り組むメディサイエンスプラニングは、CROという範囲を超えて「総合医療サービス企業」をめざしています。

モニター未経験からでも理系大卒なら前職は不問

経営管理本部 人事部部長
吉原 貞行 氏

質量ともに豊富なモニター(CRA)をそろえるメディサイエンスプラニングですが、まだまだ現状に満足しているわけではありません。さらなる成長のためにモニターの中途採用にも力を入れており、毎年定期的な募集を行なっています。
モニター経験者の方については、スタッフクラスからサブリーダークラス、さらにはリーダー、プロジェクトリーダーまで幅広いキャリアの人材に可能性があります。

一方、これから臨床開発の仕事をスタートしたいという未経験者の方についても、同社は広く門戸を開いています。ただし、理系大卒・大学院卒の方に限定しての募集となります。薬学、生物・生命科学系、化学系、農学系…などのバックグラウンドをお持ちの方であれば前職にはこだわりません。実際、医薬品とはまったく関係ない業界を経て採用された方もかなりの数でいらっしゃるとのことです。

メディサイエンスプラニングでは、こうして中途採用した未経験者の教育・研修にも非常に力を入れています。同社では、未経験者に関しては入社日を指定し、集中して内容の濃い研修を行っています。転職希望者の都合にあわせて随時入社とした方が採用の効率は当然よいのですが、それよりも研修の充実を優先しているのです。

この研修によって確実に実力が身につくとともに、思わぬ副産物も生まれています。それは「中途入社にもかかわらず多くの同期ができる」ということです。これは長期に渡って仕事を続けていく上でとても力強い支えになることでしょう。2009年の場合、同社の未経験者入社日は「10月1日」が予定されています。

実践スタイルで学べる独自の「バーチャルモニタリング研修」

約3カ月に及ぶメディサイエンスプラニングの未経験者向け教育は、同社独自の「バーチャルモニタリング(VM)研修」が中心となります。
その特色は、いわゆる座学(講義)ではなく、実際のモニタリング業務を約2カ月かけて疑似体験するロールプレイング形式のトレーニングであること。臨床開発の現場を知りつくしたマネージャーや先輩モニターが、ドクターや看護師、治験コーディネーター、薬剤部長…などの役割を演じ、新人は実際のモニタリング業務とまったく同様に、電話でのアポイント取りから医療機関を訪問しての面談やプレゼンテーションなどを体験します。
最初の1カ月で学んだ臨床試験の流れやGCP・SOPなどについての知識が実践によって確実なものになるだけでなく、ビジネス会話やプレゼンテーションといったモニターに欠かせないスキルも現場のOJTに先立って身につけることができるのです。

もちろん、実際のプロジェクトに配属されると研修では遭遇しなかったイレギュラーなケースが数多く出てきます。しかし、このVM研修で最もベーシックな業務の流れを経験しておくことで何が特殊なのかがすぐに分かり、素早く対応できるようになるという効果もあります。人材育成を何よりも重視しているメディサイエンスプラニングならではの研修は、すでに活躍中の先輩たちにも非常に好評なトレーニングとなっています。

担当コンサルタントより

とても風通しのよい社風です

モニターとして新薬開発に携わりたいという方にぜひご注目いただきたいCROです。現在、同社のモニターの平均年齢は30.5歳(男性31.2歳、女性29.4歳)。若いスタッフが活躍している成長企業です。※モニター職の男女比率は男性45%、女性55%

同社を訪問してみると、とても風通しのよい社風であることが分かります。入社1年後のフォローアップ研修や年2回のマネージャーとのミーティングなど、言いたいことを自由に言える場が整備されています。もちろん、意見は言いっぱなしではなく、人事部などを通して社員の意見に対する会社の対応がすべてフィードバックされるようになっています。浦江社長の就任以来、急速に拡大・成長を続けているメディサイエンスプラニングですが、社員同士の気持ちのつながりは少数精鋭だった時代の良さを受け継いでいるようです。