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徳島から世界の頂点を目指す「青色LED」の日亜化学工業

日亜化学工業株式会社

(取材日 2007/08/31 )

次々と「世界初」を生み出し、シェア「世界一」を獲得

青色LEDから青紫色レーザーダイオードへ

蛍光体(無機蛍光物質)を中心とした精密化学品の製造・販売を行う日亜化学工業が、発光物質を追求する中で生み出したのが「青色発光ダイオード(LED)」。それまで開発は不可能と言われていただけに、1993年の発表には世界中が驚愕しました。そして1995年には、これも世界初の高光度(6カンデラ)純緑色LEDの開発に成功。さらに1996年には白色LEDを、1997年には紫外発光LEDを世界に先駆けて開発しました。紫外〜黄色までの窒化物LEDに加え、白色LEDなどの商品化で、LEDの応用分野は大幅に拡大。高寿命・高信頼性・高視認性・省電力・省スペースなどの特徴を持つことから、あらゆるシーンに活用されるようになりました。 携帯電話やデジタルカメラのバックライト、フルカラーディスプレイ、競技場などの野外大型ビジョン、交通信号機、自動車のウィンカーやブレーキランプ、各種照明…。そのいずれにも、日亜化学工業の技術が活かされているのです。また同社は現在、「青紫色レーザーダイオード」の開発研究にも力を注いでいます。これは次世代大容量光ディスク装置(ソニーBDZ-S77など)の記録再生にも用いられ、大容量光ディスク記録再生用デバイスとして今後さらに大きな需要が見込まれる分野。積極的な研究開発で、青紫色レーザーダイオード市場の迅速な立ち上げと拡大を目指しています。

世界に認められ、賞賛されるその技術力

LEDディスプレイ

日亜化学工業はすでに蛍光体・リチウム電池用正極材料・高輝度窒化物LEDにおいて世界一のシェアを誇っています。またニューヨークで開催された「Lightfair International 2003(国際照明フェア)」では、「Technology Innovation Award(技術革新賞)」と「Best of Category Award(カテゴリー別製品賞)」を受賞。青色LED技術と赤色蛍光体・YAG蛍光体を組み合わせて開発した、高効率・長寿命の「照明用電球色LED」が高く評価されたのです。日亜化学工業は「Ever Researching for a Brighter World(光明一途)」をモットーに、より高度な技術・高機能な製品づくりに力を注いでいます。そして世界に貢献できる企業であり続けたいと考えています。その思いの通り、同社の技術は今後の人類のエネルギー政策さえ変えてしまう可能性を秘めているのです。

徳島にこだわりながら、全国へ、世界へ展開

本社(徳島県阿南市)

国内では東京・名古屋・大阪に営業所を置き、アメリカ・アジア・ヨーロッパに13の海外拠点を展開する日亜化学工業。さらに横浜にも新たな研究開発拠点を開設しました。LEDの応用分野の拡大に伴いより多彩な人材が必要となってきたこと、市場の拡大につれ機器メーカーとの接点を増やす必要が生じてきたことを受けての横浜進出です。しかし本社機能、主要な開発部門・製造工場は今も徳島県内に置かれています。同社は設立から50年以上にわたり、研究開発の主要な人材を県内で採用し、地元社会にも大きく貢献。地域と一体になって成長してきました。2005年には大手メーカーの鳴門工場を買収。生産拠点を海外に新設する企業が多い中、国内での生産、地元中心の事業にこだわっているのです。もちろん今後もこの姿勢は変わりません。あくまで徳島県に軸足を置き、そこから日本全国へ、そして世界へ、新たな技術を発信しつづけていきます。

「環境を大切にしよう」という統一理念

歩危公園(本社)

すべての事業活動で「環境を大切にしよう」の統一理念のもと、全従業員が参加し世界一の商品創り活動を展開する。これが日亜グループの事業方針です。さらに同社は

  1. 1、品質志向の、環境に優しい商品の開発
  2. 2、省資源、省エネルギーの推進
  3. 3、廃棄物の削減
  4. 4、化学物質による汚染の予防・低減
  5. 5、緑化の推進

という5つの具体的な行動指針を掲げ、目先の利益や固定観念にとらわれることなく、常に大きな視野で地球の未来を見つめています。そんな中から生み出される「環境にやさしい」製品の数々。例えば「LED照明」は白熱電球のやわらかな光を実現しながら、消費電力は電球の約1/10、寿命は電球の10倍以上という優れた性能を誇ります。これは環境問題に厳しいドイツで開催された「Light+Building 2004(世界最大の国際照明見本市)」にも出展され、好評を博しました。

日亜化学工業が目指すのは、このような高性能・長寿命・高信頼性を大切にした「ものつくり」。その活動を通じて「存在意義が認められる会社」として末永く存続していくことを、グループ全体で願っているのです。

コンサルタントからのメッセージ

担当コンサルタント
篠原 功一

徳島に本社・研究開発拠点を置く同社ですが、「あの日亜化学工業で働けるなら」と、Iターンというかたちで入社する技術者もいます。しかしLEDの適用範囲を広げるには、徳島だけにとどまらず機器メーカーとの接点を増やすことが不可欠。そこで各メーカーとの距離を縮めるべく、日本のハイテク企業が軒を連ねる「横浜」にも進出しました。本社でしっかりとコアな技術を身につければ、将来的には横浜勤務の可能性もあります。 また日亜化学工業はその技術力だけが特筆されがちですが、財務諸表から見ても非常に優良な企業です。例えば同社の有価証券報告書によると、 (連結)売上高2210億円、経常利益569億円(2007年12月期)
自己資本比率 80%

自己資本率も高く、利益率などは製造業の常識をはるかに超える値で、良質な経営体質が見て取れます。 世界屈指の技術力と潤沢な資金を有し、国外の低賃金労働力に頼らずとも厳しい国際競争に勝ち続けている。そんな強い企業力を持つ同社は「しっかりとした会社で、腰を据えて最先端の技術開発に取り組みたい」といった志向の方に、ぜひお薦めしたい企業です。

(更新日 2008/08/01 )