転職×天職 > 注目企業採用情報 > 新日鉄ソリューションズ株式会社
新日鉄ソリューションズ株式会社は、その名が示す通り、日本の代表的な製造業である新日鉄のシステム部門を母体としています。設立された1980年代には新日鉄向けのシステム開発が大半を占めていましたが、その後、その高度なソリューションを様々なシステムへと応用し、他業界の企業にも提供するようになりました。現在では、年間売上高1654億円(2008年3月期)とIT業界をリードする企業の一つへと発展。1500社を超える取引先の87%までが新日鉄グループ以外の企業となっています。
では、新日鉄ソリューションズは、なぜこれほど急速に成長することができたのでしょうか。その大きな理由は技術力にあります。
製鉄は、原料を高炉の中で数千度の温度で溶かし、それを様々な鉄鋼製品に加工していきます。内部をのぞくこともできない高炉の管理は、かつては芸術的な職人の勘で行われていました。
製鉄のシステムは、そうした言葉にも数値にもしにくい微妙な技術、ノウハウをITの中に取り込むというところからスタートしています。また、一度火を入れれば数年間にわたって止めることができない高炉を管理するシステムには、絶対の信頼性が求められます。
新日鉄ソリューションズは、この製鉄システムの開発を通じ、「複雑な業務プロセスをIT化する」「24時間365日ノンストップで稼動する高度な信頼性を保証する」というソリューション力を蓄積してきました。製造業をはじめ、流通、金融、エネルギー、運輸、通信…など、24時間サービスを止めてはならない分野は増え続けており、e-commerceなどはまさにその代表といえます。同社は、これらの企業から高く評価され、ますます活躍の場を広げています。
新日鉄ソリューションズのもう一つの特色は、ユーザー系SIerであるため、特定ベンダーに依存せず、最適の機材やソフトウェアを提案できることです。同社のシステム研究開発センターは、1980年代からオブジェクト指向言語に着目。実適用に向けた評価を開始するなど、先端的な取り組みを行ってきました。近年では世界で初めてグリッド技術を大規模一貫製鉄所に適用するなど、同社の技術力には定評があります。エンジニアにとっては、最新の技術を適用し、顧客に最高の満足を提供することができる環境があるといえるでしょう。
こうした高度な技術力を持つ同社ですが、経営資源イコール人材であるとの観点から、働きやすい環境づくり、エンジニアが満足できる体制づくりに配慮しています。
その具体的な例として、2006年1月から「深夜残業、休日就業の原則禁止」を推進しています。システム監視などどうしても避けられない職種を除いた全社員(管理職、一般社員とも)に、夜10時以降の残業と休日就業を原則的に禁止したものです。
これはIT業界の大手としては初めての取り組みであり、同社は、「一時的に競争力に影響するかもしれないが、社員の士気を高めることで長期的にはプラスになる」という判断で踏み切りました。
また、残業ができなければ自宅に持ち帰って仕事…というのでは意味がないことから、社員の重要書類の社外持ち出しを厳禁としています。その他、リフレッシュ連9制度(年1回以上、9連休を取得可能)なども設け、社員の負荷を軽減し、長期勤務できる体制づくりに注力しています。IT業界の常識にとらわれないメーカー(製造業)系の良さを生かした事例といえるのではないでしょうか。
同社では給与や待遇などの条件面において、新卒採用者と中途採用者との間に全く差を設けていません。入社時期などによるハンディは一切なく、評価や昇格・昇進などにおいても、成果に応じた評価が行われています。
これは教育(研修、能力開発)という面においても同様で、これまで蓄積してきた技術やソリューションを、若い世代に継承するため、特に力を入れて行っています。
技術や業務にかかわる「知識・スキル研修」はもとより、その土台となる「コンピタンシー(コミュニケーション能力、時間管理、分析力、思考力、コンセプトメイキング、組織活用力…など)」、さらには「人間力(人間相互の信頼や考える力を養う…など)」を重要視することで、中長期的視点に立ったキャリアデザインを行っています。
こうしたところにも、長期的な観点でじっくり人を育てるメーカー的な発想が生きているといえるかもしれません。
ミッションクリティカルな大規模システム構築に多数の実績を持つ新日鉄ソリューションズでは、チームワークを重視し、まじめにコツコツ取り組むタイプの人材の評価が高いようです。会社自体も、残業短縮など、短期的な視点で見れば業績を圧迫しそうな施策も、大胆に導入するところがあります。短期ではマイナスでも長期にみればプラスなら採り入れる、という非常に合理的な考え方をされる企業だと思います。
これまでシステム構築の上流工程に携わった経験をお持ちの方、あるいは大規模なプロジェクトの経験を積んでみたいというキャリアアップ志向の方には、ぜひお勧めしたい企業です。日系大手メーカーの良さが伝統的に生きている企業ではないでしょうか。