パソコンや携帯電話といったデジタル機器だけでなく、いまや身近な家電製品にも数多く用いられるようになった「半導体」や「液晶パネル」。世界的に需要が伸び続けるこれらの製品の製造工程を支えているのがローツェの「ウエハ搬送ロボット」「液晶ガラス基板搬送ロボット」です。
半導体の基板となるシリコンウエハ、液晶パネルの最重要部分のガラス基板は、チリやホコリの有無が製造コストを大きく左右するといわれています。同時にその搬送工程では作業スピード・効率・操作性・信頼性など、多面的な性能が求められます。
こうした難しい要求にことごく応えているのが、同社の搬送ロボット。「半導体・液晶パネル製造工場の“無塵化と無人化”」を目標に開発されました。他社製品を圧倒するクリーン度、高精度、故障の少なさ、そして充実したメンテナンス体制で多くユーザーから厚い信頼を獲得しています。
取引先には富士通・シャープ・ソニー・東芝といった国内大手や、アプライドマテリアルズ(米国)・サムスン電子(韓国)といった世界的企業が名を連ね、ウエハ搬送装置も含めたシェアは世界第3位、国内企業ではトップです。
ローツェは1985年、モータ制御機器の開発・製造を手掛ける会社としてスタートしました。設立当初は社員数わずか6名。社屋はプレハブ小屋という状況でした。しかし当時から「他社が販売している同等品は製品にしない。従来より優れた製品、すなわち世界的にニュースとなる製品のみを商品化しよう」という高い志を持って、先進的・独創的な製品開発を行ってきました。
その言葉どおり、同年に「ステッピングモータドライバ」の製造・販売を開始。翌年には「超小型コントローラ」、87年には「クリーンロボット」を発表。その後も「真空用クリーンロボット」「デュアルアームロボット」「液晶用ロボット」など、多くの画期的な製品を生み出してきました。
こうした技術力は社会でも高く評価されており、「ニュービジネス大賞優秀賞(1991年)」「元気なモノ作り中小企業300社(経済産業省/2006年)」といった賞を受賞しています。
もちろん業績も急伸し、1997年にはジャスダック市場に株式を上場。現在は海外6カ国に事業展開、従業員数900名(連結)、売上高135.7億円(2008年2月期/連結)という規模にまで成長し、世界の半導体産業を支える会社として広く認知されています。
ローツェは目指す企業像として「国際社会の中で国内・海外の拠点において多様なネットワークを構築し、それぞれの拠点地域に優秀な人材を集め、研究・開発業務あるいは製造・サービス業務を行う」という項目を掲げています。
そして実際に、世界各地に広がるユーザーへの製品提供・メンテナンス体制の確立とともに、世界規模でのネットワーク構築、世界市場でのさらなるシェア拡大を目指し、積極的な海外戦略を推進してきました。
現在ではアメリカ・韓国・台湾・ベトナム・中国・シンガポールの6カ国に8つの海外子会社を有しています。なかでも韓国の「RORZE SYSTEMS CORPORATION」は現地のコスダック市場にも上場。もちろん今後もアメリカ・アジア・ヨーロッパなど世界市場を舞台に、よりグローバルな展開を目指していきます。
またローツェは半導体・液晶パネルで培った搬送技術を新たな分野で活かすべく、2005年にバイオ関連事業を展開する「アイエス・テクノロジー・ジャパン株式会社(ISTJ)」の株式を取得しました。
同社とISTJ社は2004年から、技術営業取引の中で互いの技術を融合させ「タンパク結晶化ロボット」を開発し、ローツェ製の搬送システムを大手製薬会社に納入しています。そして株式取得で相互協力関係をさらに強化し、「ラボオートメーション事業」を本格的にスタート。製薬会社やゲノム・プロテオーム研究のラボで求められる搬送・分注・計測といった実験研究作業を全自動化する最新鋭のラボラトリー・オートメーション・システムを開発・製造・販売しています。
「技術に自信を持って、楽しみながら仕事のできる集団」というのが同社の哲学。会社というものを「個人の技術を発揮して実務に結びつける所、同時に個人の技術を向上させて将来の希望を実現させる所」と位置づけ、優秀な人材を育てるために「個人の時代にあった会社システム」づくりに力を注いでいます。
ローツェ株式会社 | |
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知的財産報奨制度 |
特許などの発明者には出願時報奨金。 登録後、特許などの実施による利益額に対して一定割合で報奨金を加算 |
通信教育制度 | 自主的に通信教育を受講し、全課程が終了すると、通信教育にかかった費用の半額を会社が負担 |
ライセンス制度 | 業務遂行に関連のある国家試験およびそれに類する試験に合格した場合、合格祝い金を支給 |
従業員持株制度 | 社員による自社株の所有 |
同社には一人一人が組織の歯車ではなく駆動軸として活躍できる環境があります。社歴や年齢に関係なく、会社への貢献度を正当に評価するシステムが整っています。その中で技術者たちが、人からの指示を待つのではなく、自分自身で仕事やキャリアアップを求め、自由闊達に活躍しています。もちろん上司や仲間のサポートはありますが、あくまで主体は自分自身。ここでは誰もが自ら主役となり、楽しく仕事をしながら世界レベルの技術を身につけることができます。
97年にはJASDAQ(ジャスダック)市場への上場を果たし、国内はもちろんアメリカ、台湾、中国、韓国、シンガポール、ヨーロッパなど世界の製造現場に製品を供給するグローバル企業へと成長を遂げ、今後も世界をターゲットにシェアを拡大していく予定の企業です。
年功序列ではなく、成果が直接報酬に繋がる給与体系や、特許料の個人への還元、持ち株制度など、社員全体の意欲を引き出す環境が整っています。また、入社のために遠方から転居された方に対しては、会社より家賃の70%の補助が2年間支給されます。
上記のような志向の方に、お勧めの企業です。