榊原記念病院は、わが国を代表する循環器専門病院として知られています。2003年に現在の所在地である府中市に移転した際に、病棟をはじめとするすべての施設が新しく生まれ変わり、最新の環境のもと、地域医療に取り組んでいます。2006年には年間の心臓血管外科の手術数が1300件を突破し、これはこの分野で国内トップの数字となっています。また心臓カテーテル検査でも同じくトップクラスの件数を実施するなど、新生児から高齢者まで、また外来、入院、リハビリ…など循環器に関わる幅広い医療を提供しています。
同病院は、看護の面でも、患者さん中心の先進的な循環器看護を実現しています。その基盤となっているのが「チーム医療」体制の推進。医師、看護師、検査技師、薬剤師、臨床工学技士、管理栄養士…などがチームを組んで患者さんに対応し、入院初期から退院まで、職種の垣根を越えてフォローしていきます。そのため、従来の「ナースステーション」を、同病院では「サービスステーション」と呼び、総合的な医療活動の拠点としています。
チーム医療をより患者さんの近くで実施するために導入されているのが、「院内情報システム(HIS)」とベッドサイド看護を徹底できる「ナースコーナー」です。各病室の前に設置されたナースコーナーには看護師が常駐。HIS端末を使って、医師の指示や検査の予定、服薬の確認、看護記録の入力業務などを、患者さんのそばを離れずに行うことができます。また、このHIS端末はすべてのベッドサイドにも設置されており、顔認証システムを使った患者本人確認をはじめ、あらゆる情報をその場で確認することができるようになっています。
「患者さんのより近くで看護を行う」ために、榊原記念病院では病棟などの施設そのものが、工夫された設計・建築となっています。同病院は、2006年度医療福祉建築賞を受賞していますが、これは患者さんに優しいのと同時に、看護師をはじめとする医療者にとっても、業務の無駄を減らし、本来の医療・看護に専念できる環境を実現しているともいえるのです。
「循環器医療に取り組んでみたいけれど、とても難しいのではないか」…看護師の皆さんの中には、このようにお考えの方も多いのではないでしょうか。たしかに、循環器看護には必要な専門知識なども多いのですが、一度そのエキスパートになれば、他の医療領域にも応用できる貴重なスキルとなるといわれています。
榊原記念病院では、従来からこの循環器看護のエキスパート育成に積極的に取り組んでおり、循環器未経験の看護師(新卒含む)を数多く育ててきました。現在、在職している看護師も、その約8割が同病院に入職して初めて循環器を経験したスタッフです。同病院には、看護師の出向研修制度があり、全国から循環器看護の研修を受けるために看護師が派遣されており、この分野でのエキスパート育成には定評があります。榊原記念病院での実務経験は、必ず看護師としての大きな財産となるはずです。
研修について簡単にご説明しましょう。最初は新卒・既卒を問わずプリセプター制度を導入し、1ヶ月・3ヶ月・6ヶ月・1年という節目ごとに教育目標を設定していきます。多くの症例を扱う榊原記念病院では、様々な事例に触れて成長することが可能です。もちろん、OJTだけでなく、研修会や看護講習など専門的な知識を学ぶ場も設けられます。
目安として3年間の実務を積み、一定の評価を満たすと「SRN(Sakakibara Registered Nurse)」という認定資格を得ることができます。現在、同病院に勤務する看護師の31%が「SRN」資格を取得しており、取得者には月額2万円の手当も支給されます。また、SRNはゴールではなくスタートであり、SRNを取得したスタッフには、看護協会の認定看護師や専門看護師資格を取得するためのあらゆるサポートを実施しています。
また、同病院では外来看護師が「メディカルトリアジー」を担当しています。これは、救急受診された患者さんの緊急性や重症度を迅速に判断し、必要なら救急初療室での診察や集中治療室、一般病棟などへ…と適切に誘導する役割。経験を積むことによって、この重要な判断を任される循環器専門のトリアジーナースとして活躍することもできます。
榊原記念病院は、患者さんへの高品質な医療提供と同時に、充実した病院経営のための努力も日々行っています。その一つが職員の待遇向上、勤務環境の改善。看護師の待遇(給与)についても全国トップクラスをめざしています。
最寄り駅は、京王線飛田給駅。近くには味の素スタジアムがあります。500平方メートルの敷地内には余裕のあるレイアウトで建物が配置され、心臓リハビリテーション用の庭園など心をなごませる景観となっています。
最寄り駅からは徒歩、または京王バスで通勤できますが、駐車場がありますのでマイカー通勤も可能です。また、病院近辺に160室の独身寮も完備しています(ワンルームマンションタイプですべて個室。バス・トイレ別、エアコン、ミニキッチン、室内洗濯機置き場あり)。
待遇情報 | |||
---|---|---|---|
勤務体制 | 二交替勤務(変則) | 日勤 | 08:30〜19:30 |
日勤 | 19:00〜09:00 | ||
日勤(短) 病棟勤務の場合 |
08:30〜16:50 | ||
日勤 | 日勤 手術室の場合 |
08:00〜16:20 | |
諸手当 (主要手当以外) |
通勤手当50,000まで支給、看護師手当、夜勤手当、住宅手当、食事手当 | ||
昇給・賞与 | 昇給/年1回 賞与/年2回(6月・12月)人事考課による個別評価 | ||
休日制度 | その他 日曜、祝日、第2・第4土曜日・年末年始7日 | ||
休暇 | 有給休暇初年度12日、最高20日、夏季休暇8日 | ||
看護宿舎 | オートロックマンション 全室個室、冷暖房完備 | ||
社会保険 | 健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険 | ||
赴任経費 | 赴任旅費、荷物運送費を規定により支給 | ||
その他の福利厚生・制度 | 財形貯蓄 | ||
その他福利厚生・施設 | 職員食堂、仮眠施設等 | ||
退職金制度 | 勤続3年以上に支給 | ||
教育制度 | 院内教育、各種院外研修会、研究発表会、各種学会等 | ||
保育施設・補助 | 病児保育あり(日勤帯のみ) | ||
被服 | 白衣、ナースシューズを貸与 |
看護師の方なら誰でも、患者さんの近くで親身な看護を行いたいとお考えではないでしょうか。榊原記念病院は、患者さんの満足度調査で「全国1位」(※1)になるなど、真の意味での患者さんを中心にした医療を行っています。
※1 2005年度厚生労働科学研究補助金「臨床指標を用いた医療の質向上に関する共同研究(主任研究者・長谷川敏彦先生)」の一環として実施されたアンケートにおける患者さんの満足度調査(500床未満の急性期病院(入院139施設、外来134施設)の部門)。
難しいイメージがある循環器ですが、同病院では循環器未経験だった方が多く活躍されています。ここで身につけたキャリアを生かして、別の病院での循環器科の立ち上げなどに関わられた方もいらっしゃるなど、レベルの高さが広く認められている病院です。