携帯電話やパソコン、家電製品、さらには自動車など…私たちの身の回りの様々な製品に半導体は不可欠な部品として組み込まれています。しかも、その性能は日々向上し、逆にサイズはますます小型化を実現。現代の半導体は、1/1000ミリメートル(マイクロメートル)単位の超微細技術の世界に突入しています。そのため、製造工程においてもそれに対応した超精細技術が要求されるようになっており、その先頭を走っているのが日本の半導体製造装置メーカーといわれています。
半導体製造には様々な工程がありますが、その中でも「ボンディング」といわれる工程を担う装置で世界トップクラスのシェアを占めているのが株式会社新川です。
ボンディングとは、英語で「結合する」という意味で、接着剤のボンドもここからきています。半導体製造工程においては、半導体の核となるICチップをリードフレームに接合する「ダイボンディング」、チップの電極とリードフレームの電極を金線などで結ぶ「ワイヤボンディング」の2種類があります。
数年前までのICチップの電極と電極の間隔は160μm(マイクロメートル)でした。これは髪の毛一本分とほぼ同じ太さ。しかし、現在ではその半分以下の約50μm間隔が主流となっています。つまり、髪の毛1本分の幅に2本以上の金線を張る技術が求められるようになったということです。まさに顕微鏡レベルの超微細な世界での技術と言え、その動作にはきわめて高速、かつ正確さが要求されます。
新川は、このボンディング工程を全自動で行う装置を世界で初めて開発したメーカーとして、この分野を常にリードしてきました。他の追随を許さない技術を確立することで、高収益・安定経営を実現。現在も完全無借金経営を続ける優れた財務体質を持ち、その利益をさらに研究開発費として次世代技術の開発に投入しています。
また、研究部門・設計部門・製造部門(工場)を一つの拠点(東京都武蔵村山市)に集中することで、技術研究から製品化までを無駄なく行う体制をつくりあげています。まさに技術最優先の企業風土で世界的な成功を収めている企業といえるでしょう。
ボンディング装置には、様々な技術が必要になります。まず、微細なICチップや電極をセンサーで認識。ここでは光学技術や画像認識技術、デジタル信号処理技術などが用いられます。さらに、正確なマテハンや加工のための機械技術、自動制御のための電子/電気、ソフトウエアなどの技術も欠かせません。 そのため、新川では「電気/電子」「機械工学」「制御ソフト」…など様々な分野のエンジニアが集まっています。通常、中途採用の場合は、同じ業界の経験者を募集することが多いのですが、世界の半導体製造装置業界、特にボンディング装置で最先端に位置する同社の場合、同業界の経験者がほとんどいないという現状があります。
そこで、新川では第二新卒をはじめとして、技術系のバックグラウンドを持つ若手を積極的に採用しています。工学系の学部・学科を卒業して、その後は設計や開発の仕事はしていなかったという方へも、入社後の教育・研修で一人前のエンジニアへ成長できる環境を整えています。
具体的には、各人の経験・スキルに応じて、工場で実機に触れながらの教育、座学、マンツーマンOJTなどを組み合わせて行われます。特に、設計部門ではCAD(3D CAD)のスキルが重要になるため、自己申告により社外の講習なども受講することができます(費用は会社負担)。
実際の業務でのOJTが中心となり、次第に仕事が任されていきます。また自己啓発には非常に熱心な企業であり、この時点で業務の中に「自分にはここが足りない」という部分が出てきた場合は、追加で研修、講習などを申告することもできます。
新川の技術拠点は、東京都武蔵村山市。都心ではないため、十分な敷地にエンジニアが技術に専念できる環境が整えられています。ゆったりとしたパーテーションで区切られた社内スペースには、全員にパソコンやCAD/CAMなどの最新の設計ツールを完備。また、必要に応じて、計測器や開発ツール、ソフトウエア、工作機器なども申請して購入できます。住環境面では、徒歩で通勤できる距離にある独身寮(個室・約10畳)や社宅(3〜4LDK)も完備。全員がマイカー通勤可能な駐車場もあります。
基本的に、利益の1/4は社員への還元に当てられており、通常の賞与以外に年度末の決算賞与もほぼ毎年支給されています。
また通常の賞与以外に年度末には決算賞与が支給される年もあり、社員の頑張りには待遇で応えるという会社の姿勢があります。
とにかく研究開発型の企業として非常に魅力のある会社です。理工系出身で若手という方にぜひお勧めしたいと思います。
こんな方にオススメします。