現代の自動車はあらゆる面で電子制御化が進んでいます。エンジンやブレーキ、ステアリングのコントロール…といった運転に直結する部分はもとより、エアコンやカーナビ、エアバッグなどもすべて電子回路により制御されています。高級車では1台に100個ものマイクロコンピュータが搭載されている例も珍しくはありません。
こうした回路を結び自動車全体に張り巡らされている電線は1000本以上にのぼり、その総延長は1台あたり1500メートルにも及びます。それらの電線をコンパクトにまとめ、コネクタなどを効率的に配置して省スペースを実現する部品が「ワイヤーハーネス」です。
住友電装株式会社は、このワイヤーハーネスの世界的メーカーです。世界30カ国に約350の拠点を持ち、日本および各国の主要自動車メーカーのパートナーとして活躍しています。
住友電装の設立は1917年。当初は電線メーカーとして成長しましたが、1959年にはすでにワイヤーハーネス専用工場を稼動させています。現在では自動車用ワイヤーハーネスを主力としながら、カーエレクトロニクス機器、ハーネス用部品(コネクタなど)、機器用ワイヤーハーネス、各種電線…など幅広い製品ラインナップを展開しています。
今後も高い安全性や居住性の充実を求めてカーエレクトロニクスはより進化していくことが確実視されています。ますます複雑になるワイヤーハーネスをさらに軽量化、コンパクト化する設計・開発技術を持つ住友電装のフィールドはグローバルに広がっています。
従業員数 | 12万4000名(連結、国内・海外含む) |
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資本金 | 75億4151万円 |
連結売上高 | 5119億円(2007年3月期) |
事業所 |
本社:四日市・東京、ほか国内30拠点 国内グループ関連会社:19社 海外グループ会社:米州、欧州、中国、ASEAN、アフリカ等、世界30カ国に95社、350拠点以上 |
主要取引先 | トヨタ、ホンダ、日産、GM、フォード、ルノー、BMW、ヒュンダイ、フォルクスワーゲン、他 |
私が担当しているのは、海外の自動車メーカー向けのコネクタ製品の開発。ドイツ、イタリア、フランスなど欧州のメーカーがお客様です。
今回製品化が実現したのは、電子回路基板と端子をはんだを使用せずに結合できるコネクタです。欧州では、環境面の規制が日本よりも進んでおり、鉛をふくむはんだを使用しない技術が求められていました。ドイツの部品メーカーと何度も打ち合わせを繰り返して、電子回路基板に直接端子を打ち込む技術を開発しました。
しかし、この技術は当社としても初めて試み。テーマを設定し、仮説(計画)から検証(実験)までを責任を持って担当させてもらいましたが、製品化までにはおよそ2年かかりました。
世界初の技術を実現していくわけですから決して簡単ではなく、また様々な苦労もありましたが、自分の開発した製品が欧州車に搭載され、世界を走るというのは何にも代えがたい醍醐味です。
私自身、前職の電子デバイスメーカーで培った技術力もフルに発揮できていますし、語学力がありグローバルな環境で活躍してみたい技術者の方には、またとない環境だと思います。
私の所属グループでは、顧客企業への受注活動、ワイヤーハーネスの設計、設計ツールであるCADシステムの環境構築、設計を効率化するためのシステム開発…など、かなり多岐にわたる業務を担当しています。
ワイヤーハーネスは、カーエレクトロニクスの機器間を結ぶ、神経や血管に相当する部品。表面からは見えないので、エンジニアの方にとってもあまりなじみない部品かもしれません。しかし、自動車の快適性や安全性向上のために使われる電子回路の数は飛躍的に増えており、いかに効率よく軽量なワイヤーハーネスを開発できるかが自動車の性能を決する要素の一つになってきているのもまた事実なのです。
カーエレクトロニクスの進展は今後もとどまることはないでしょう。まさに私たちの仕事は未来の自動車に欠かせない部品をつくる仕事でもあります。それだけに競争の激しい業界ですが、世界の有力企業をライバルとし、最高レベルの技術で受注を勝ち取ったときには大きな達成感のある仕事です。
自動車業界での経験がなくても、「電気・電子」という広い領域での実務経験をお持ちであれば、十分にご活躍可能です。
日本の、そして世界の自動車業界を支える住友電装の一員として働くチャンスにご注目下さい。
職種としては、「ワイヤーハーネス設計」「コネクタなどの機構設計」「生産技術」の各ポジションでの採用を強化中。
電気・電子関連メーカーでの設計や生産技術職の経験者の方、あるいはアウトソーシング会社に所属して同様の業務を担当されていた方もぜひお問い合わせ下さい。