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「教育を通じてよりよい世の中に」社会貢献にも取り組む教育研修ベンチャー

株式会社ウィル・シード

(取材日 2007/07/11 )

「気づき」を促す体感型研修プログラム

日本の「教育力」が問題になっている…。新聞やTVなどのメディアでも、近年、教育の問題がとりあげられることが増えてきています。国会など政治の舞台でも、法改正も含めて議論が進められており、教育は次世代日本のグランドデザインとも深い関わりのあるテーマとなっています。

これは、いわゆる「学力」だけの問題ではありません。もともと日本人はチームワークに優れる反面、自己主張やディスカッションが苦手といわれてきました。ビジネスや国際政治の分野でも、日本が世界の第一線で存在感を示すには、その良さを伸ばしながら、弱点は補っていく必要があるのではないか。そのためには、学力だけではなく、もっと広い意味での教育、物事に関心を持つ「きっかけ」を与えてくれる教育を根づかせなくてはならない…。
教育研修ベンチャー、株式会社ウィル・シードは、社長である船橋力(ふなばし・ちから)氏のこうした思いから生まれた企業です。

大学卒業後、伊藤忠商事で海外営業を行っていた船橋社長が、教育ビジネスを手がけるために起業したのは2000年。社長が29歳の時のことでした。
設立当初から主力サービスとなり、初年度から黒字を計上する原動力となったのが企業向けの人材研修。現在も同社の研修商品の中心となっている体感型のビジネスシミュレーションを活用した研修プログラムが、味の素、新日本製鉄、ソニーなどの大手企業で採用されたのです。

この研修は、もともと南北問題を理解するためにNGOによって作られたゲームで、参加者はいくつかのグループに分かれ、一定時間内に決められたルールに従ってお金をいくら稼げるかを競います。実際の貿易と同じように、もともとの資本力が違っていたり、経済情勢が変動したり…といった要素を導入し、知識だけでなく参加者の創造性や積極性、戦略的な考え方ができるかどうか、といった面を浮き彫りにしていくのが特徴。ゲーム終了後には、そこで得た「気づき」をもとに様々なディスカッションが行われ、個人や組織を活性化していくプログラムです。

参加者が楽しみながら学習できると、高いリピート率を持つこのビジネスシミュレーション研修は、現在までに約350社以上で採用されています。現在、同社ではこの他に約20種の企業向け研修プログラムを独自に開発。それぞれ高評価を得ています。

こうした企業向け研修をベースにしながら、2002年からは学校教育の支援事業にも参入。経済産業省の委託事業として、埼玉県の小中学校24校で「総合的学習の時間」に、同社のビジネスシミュレーション研修(子供向けにカスタマイズしたもの)が採用されました。2008年現在、「起業家教育促進事業」として、全国95自治体、約5万人がこのプログラムを体験しています。

クリーンでしかも情熱的。船橋社長とともに働く魅力---クイックのコンサルタント・阿部が語る社長像

若手ベンチャー起業家といいますと、昨今は残念な事件などがあり、お金儲けが最優先で突っ走っている人が主流と思われているような印象があります。

しかし、ウィル・シードの船橋社長は、まさにその対極にいる方ではないでしょうか。伊藤忠商事に在籍されていた時から、「世の中のために良いことをしたい」と思い続けていて、社会問題に非常に関心を持たれていたと聞きます。
もともと、ご両親がクリスチャンであったこと、また幼少、高校時代に海外で生活されていたことが関係あると、ご自身でおっしゃっています。ですから、お金儲けが最終目的ではない、とてもクリーンな経営者であるという印象です。

もちろんいくらクリーンといっても、会社を率いている以上、経営者としての責任はあります。これは、実際に会って話をしていただければ、その熱い思い、ビジネスへの情熱に圧倒されると思います。体育会系でスポーツ選手だったこともあって、「やるからには負けられない」という思いが人一倍強い方です。戦略を定めて目標を決めたら、全力で取り組むことを自分にも、社員にも求められます。しかし、その目標の先にあるものが経済的成功だけではなく、社会貢献とそれを通じての自らの成長であるという姿勢が、多くのベンチャー経営者と一線を画しているところだと感じます。

また、2003年には、「ダボス会議(世界経済フォーラム)」の「アジアの次世代リーダー」のメンバーに選ばれました。そして本年は、日本・中国・韓国の若手経済人コンテストの「新人賞」に選ばれています。国内でも構造改革特区の評価委員としての仕事もされていました。次世代の経済リーダーとして国内外で注目されている船橋社長とともに働くことは、ウィル・シードの社員にとって大きな刺激であることは間違いないと思います。

創業期から成長期へ

ウィル・シードは、創業期(立ち上げ期)から、本格的な成長フェーズに突入しようとしています。志を同じくする社員が集まって最小限の人員で運営されてきた会社も、いよいよ組織を固める時期にきました。

今後は、コンサルティング力、営業力のさらなる強化を急務とするとともに、管理部門も整備してまいります。

また、事業の広がりという面では、子供向けのメディア事業「あしたね」が新たにスタート。「教育」をキーワードにした展開をこれからも強力に推進していく計画です。

担当コンサルタントからのメッセージ

こんな方にぜひご注目いただきたい企業です。

  • 法人向け営業、提案営業の経験を生かしたい方。
  • 人事、教育、人材開発などに関連するビジネスに興味をお持ちの方。
  • 将来コンサルタントとして活躍してみたい方。
  • ビジネスを通じての社会貢献に関心をお持ちの方。

まだ少人数の組織であり、皆さんとてもチームワークよく仕事に取り組まれているのが印象的です。

(更新日 2008/08/01 )