【 第1回 】会議にスキルが必要だったとは!
「会議にスキルが必要なことを知らない」というビジネスパーソンが、世の中にはどれだけいることか。実は結構大勢いるのではないかと考えている。仕事ができる人は会議スキルも高い!?
アビーム コンサルティング株式会社 戦略事業部 シニアマネージャー 斉藤 岳
東京大学大学院農学生命科学研究科修了。コンサルティングファーム勤務を経て2001年にアビームコンサルティング入社。新規事業立上げ、事業再編、グループ経営、経営管理、業務改革等のコンサルティング経験多数。
現場でのコンサルティング業務のかたわら、社内・社外にて、「会議で結論を出す技術」「インタビュースキル」「提案スキル」「ソリューション営業スキル」「ビジネスモデル開発」等の研修を行なっている。
あの本の著者!
会議で結論を出す能力が身につけば、デッカイことができます。そして、自由な時間が増えます。無手勝流の会議運営から、生産性の高い会議運営に変われば、サラリーマン人生が変わります。
会議にスキルが必要だったとは!
“ファシリテーション” という言葉を聞いたことがあるだろうか?
ファシリテーションとは、
会議をスムースに進行させたり、組織を活性化させたりする手法のことである。
私は社内(アビームというコンサルティング会社)や社外にて、
会議ファシリテーションについての研修を、かれこれ4、5年やってきている。
この研修をやる中で、受講者からこんな声を聴くことがある。
「会議ってスキルが必要だったんですね!」
「会議にスキルが必要だったとは!」
正直、最初は「おいおい」と思うところもあった。
会議とは、非常に難しいものなので、
上手くやるにはスキルが必要なのは当たり前だ!
と感じていたからである。
しかし、研修を重ねる中で、
「会議にスキルが必要なことを知らない」という人が結構いる
のが実情だということがわかってきた。
仕事が出来る人 = 会議スキルがある人 ?
身近な「仕事が出来る人」を思い浮かべてください。
どんな人です?
- 必ず売上等の成果を出してくる人
- ものすごく物知りで色々なことを知っている人
こういった視点も、もちろんある。
しかし、私がイメージする出来る人はというと・・・
混乱した会議で、ホワイトボードの前にスッと立って
「こういうことじゃないでしょうか?」
「こうしたら上手くいくんじゃないでしょうか?」
と話を上手く整理し、引っ張っていける人。
こういう人も「仕事が出来る人」と呼べるのではないだろうか。
少なくともコンサルタントで「出来る人」というと、
間違いなく会議の仕切りが上手い。
その人が会議を仕切ると
- 会議の参加者からどんどんアイディアが飛び出て
- 話が整理され、必ず結論が出る
以前、とあるメーカーに勤める友人から、こんなことを聴いた。
「今、コンサルと仕事してるんだけどさぁ。カッコイイんだよねー」
もう少し聴くと、プレゼンの上手さに感心したのではないとのこと。
「プレゼンというか、会議だね。普段の会議の仕切りがいいんだよねー。カッコイイよ」
今までの会社の会議との違いに驚いたそうである。
A玉とB玉
ちょっと話がそれます。
ラムネの栓に使われているガラスの玉、なんて呼ぶか知ってますか?
答えは、タイトルにあるように「A玉」である。 炭酸が抜けない完全な球形のガラス玉が「A玉」、 失敗作が「B玉」なのだそうだ。 放置されていた失敗作で子供が遊ぶようになり、 一般的になったのが「ビー玉」だとのこと。
「A玉」の人生と、「B玉」の人生、どっちがいいか?
と考えだすとなかなか深いのだが、
ちょっと難しいので、今日はラーメン屋の話をする。
私は「A玉」ラーメン屋が大好きだ。
「美味しいラーメン作っていれば、客はついてくる!」
という親父がひっそりと作っているラーメン屋を見つけると
とても嬉しくなる。
さらに、こういう「A玉」の店を見つけて、
「この店、あんまり有名じゃないけど、いいよ!」
と友人に教える、教えあうのも趣味のひとつになっていたりする。
会議の話に戻る。
前半話してきた会議スキル、
この会議スキルはビジネスパーソンにとっての「A玉」スキル
なんじゃないかと最近感じている。
「コンサルはそうかもしれないけど、うちの会社じゃ無理だ」
そう感じた人もいるかもしれない。
ただ、前半に出てきたような派手な仕切りの例でなくとも、
- 合コンを盛り上げる
- 身近な人との2,3人での打ち合わせを楽しく、短くする
- 気の利いた(意味のある)発言をする
- さりげなく進行をサポートする
といったことでも十分活用可能なスキルなのである。
「A玉」ラーメン屋ならぬ、「A玉」スキル、
ちょっと覗いてみませんか?