社会人の人間関係、とくに先輩との付き合い方って難しい……。「なんか怖い」「できれば話したくない」って思ってしまうこともありますよね。

そこで今回は、タレントのウエンツ瑛士さんにインタビューしてきました!

ウエンツ瑛士(うえんつ・えいじ)。4歳から芸能活動を始め、ロンドン留学を経て現在は『火曜サプライズ』『スッキリ』にレギュラー出演。様々な先輩との交友関係を持つ。

先輩や大御所に怒られながらも、なんだかんだ愛されているように見えるウエンツさん。先輩との接し方や、怒られ回避術などなど、ぜひ教えてください!

ウエンツさん、ぶっちゃけ先輩のことどう思ってる?

──今日は先輩と対等な関係を築けているウエンツさんに、先輩との付き合い方のヒントを伺いたいと思います!

ウエンツ瑛士さん(以下、ウエンツ):いやいや、先輩と対等な立場だなんて、そんなわけないですって(笑)。まあ、でも僕で良ければなんでも聞いてください!

──ありがとうございます! まず単刀直入に、先輩と仲が良い理由を教えてください。

ウエンツ:あの……、取材していただいて本当に申し訳ないんですけど、たぶん参考にならないと思います(笑)。

「これ、大丈夫なのかな~……?」とちょっと不安そう。

──大丈夫です! 教えてください!

ウエンツ:……実は僕、もうかなりの確率で、先輩方を怒らせる地雷を踏んでしまっているだけなんですよ。「これを言ったら怒らせてしまう」という認識がないんです。自分なりには気を遣ってるつもりなんですけど。

──え、そうなんですか?

ウエンツ:ただ、よく他の人と違うと言われるのは、怒らせてしまったら、それ以降はもうあまり気にしないことですかね。

怒らせても気にしない、って相当メンタル強くないですか⁉

──なんで気にしないでいられるんですか……?

ウエンツ:だって、地雷を踏んで怒らせちゃったなら、もう気を遣ってもしょうがないじゃないですか。怒らせちゃった事実は変えられないでしょ?

──変えられないからこそ気にしちゃったりしませんか!?

ウエンツ:いや~、もちろん怒らせちゃった事実は受け入れますけど、怒らせた理由に気づけないんですよ。もう先輩から見たら、終わってますって。だから、地雷を踏んで、怒らせて、どうしようもないところに手を差し伸べていただいているだけかなと思います(笑)。

「怒られ」から始まる人間関係ってあるんですね……

──先輩と対等な立場で、みたいなことは意識されていないんですね。

ウエンツ:もちろんですよ。対等な立場にいたいなんて、思ってもないです。

僕、基本的には先輩に全頼りですからね。頼らないとしても、「こういうときには頼らせてください」と伝えるのも大事にしています。これは、意識してやっているというより、自分が自然にそうしたいし、助けてもらうべき時に助けてほしいからですけどね。

大事なのは、先輩の言葉を「そのまま」受け取ること

──ウエンツさんは先輩とのコミュニケーションの中で、気をつけていることはありますか?

ウエンツ言葉を言葉のまま受け取ること。ちょっと言いづらいことだったり、重く受け止めてしまいそうになった時には直接会話をするということですかね。

──どういうことでしょう?

ウエンツ:例えばメールとかLINEで文字面を見た時に、相手の意図以上に、勝手に怖く見えることってないですか?

──あります! 冷たく感じちゃったりとか。

ウエンツ:そうなんですよ。でも、話してみるとそうでもなかったりしますよね。文字だけのパワーで、自分が想像で勝手に怖いものにしちゃっている気がするんです。

──たしかに。勝手に萎縮しちゃってるときもあるかもしれないです。

ウエンツ:だから、電話で話しちゃったほうが楽なこともあるんですよね。よく「若い人は電話をしない」みたいな意見もあって、それはそれでいいと思うんですけど、会話の方が自分の心は安心するかなって思います。

自分の気持ちを楽にするためにも、電話するってありかも!

先輩の誘いを断るのに「理由」はいらない

ウエンツ:あとは、断る時とかマイナスなことを言う時ほど、フォローするのは大事にしてますね。

──?? 例えばどういうことですか?

ウエンツ:「ご飯行かない」ってただ断るんじゃなくて、「この日だったらどうですか?」ってこっちから提案するとか。

断った時に先輩から冗談で「えー」って言われたら、ちょっと重く聞こえちゃうじゃないですか。そこを聞かないで済むような受け答えを、後輩が先にしちゃえば楽だと思うんです。

先回りしてフォローすることで、相手も自分も負担を軽くする。気遣いの鬼……!

──文面で何かを断る時、言い訳っぽくならないように気をつけてることはありますか?

ウエンツ:僕は文面をなるべく短くして、削ぐようにはしています。謝罪の気持ちと、事実を伝えるだけで十分。「用事があって」とか「何時ならいける」とか入れなくていいんですよ。

後輩ができて初めて思ったんですけど、いろんな理由をつけても先輩ってわかってるから、素直でいたらいいと思います。

断るときは理由を伝えて納得してもらわなければ! と思ってました。

「怒られ」から関係改善の鍵が見えてくる?

──ウエンツさんは先輩から怒られた時、どういうスタンスで受け止めてらっしゃいますか?

ウエンツ:僕もあんまり受け止めるのは上手じゃないんですけど……(笑)。ただ自分の中では、あんまり言葉を変換しないようにしています。

──変換しない?

ウエンツ:「これって実はこういう意味なんだろうな」とか、もらう言葉を自分の都合のいいように変換して、自分が傷つかないようにしちゃう癖があるんですけど。そういうことをしないで真っ正面から受け止めることが大切かなって。

ウエンツ:あと、怒られた相手との関係性を考えると言うか、言葉の根本を探るようにはしていますね。

──原因を探るというのは、相手に聞くのではなくて、自分の中で考えるんですか?

ウエンツ:めちゃくちゃ考えますね。

たとえば、遅刻した時に怒られた場合、遅刻だけだったらそんなに怒られないと思うんですよ。なのに怒られたってことは、その人との関係性に何かがあるからかもしれない。自分の態度が悪かったり、その人を傷つけてしまっていたり、言葉にとげがあったり……。

原因を考える時は、散歩中に時間を区切って振り返るそう。「家は落ち込んじゃうからダメ」だそうです。

──なるほど。

ウエンツ:そういう根本的な部分を考えてから、今後どうしようか考えればいいと思うんです。自分を見つめ直すチャンスになりますし、一喜一憂せずにいられるようになると思います。

──自分の態度が原因だったときは、言葉で謝るのでしょうか?

ウエンツ:僕は態度で示しますね。信頼関係は積み重ねでしかないので。逆に言葉に出して謝るって、「自分が楽になる」という感覚に近いのかなって思っちゃいます。

どこまでも自分に厳しい……

──その場しのぎみたいな?

ウエンツ:そうですね。せっかくなら自分がプラスに変わったほうがいいですし、あえて言う必要はないのかなって。同級生とか後輩との喧嘩とは違って、何かしら理由があるはずですからね。

怖い先輩に対しても態度を変えない

──「怖いな」と感じる先輩との接し方で、気をつけていることはありますか?

ウエンツ:うーん…あんまりないですけど、しいていうなら態度を変えないことですかね。踏み込まない時は誰にだって踏み込まないし、無理に話さないときは誰とも話さない、とか。

ウエンツ:自分の気持ちに準じているんですよね。相手に合わせて何かを変えることはしないです。

──意外です。相手に合わせる社会人も多いので……

ウエンツ:うーん……。なんかね、そうなると衝突があったときに「自分は合わせたのに」って思っちゃうんじゃないかな。逆に向こうからしたら「合わせてくれって頼んでないし」みたいなね。そういう負い目を自分で作るのもおかしい話ですよね。

気を遣いすぎた結果イライラしちゃうこと、ありますよね。

──なるほど。

ウエンツ:あとは、怒ってくる先輩を嫌いと思うのは、自分が見方を変えちゃってるだけかもしれないですよね。自分にばかり矢印を向けて、なんか傷つくとか怖いとか、いろんな理由を作っているだけなんじゃないかなと、今一度考えてみてもいいかもしれないです。

──なぜですか?

ウエンツ:やっぱりね、確定はできないんですけど、出世している人というのは、大前提、人間としてもしっかりしてらっしゃるし、仕事もできて、九分九厘理由があるなと思うんですよ。

ウエンツ:そういう方から認められないっていうのが、怖いとか嫌だって感情に変換されているだけで、実は自分が勝手に負い目を感じているだけの可能性もあるんですよね。

──ネガティブな感情の原因と向き合う、と。

ウエンツ:そうそう。これも勝手に自分の中で変換しないことが大切ですね。負けて悔しいと思うなら、悔しいでよくて。そこから嫌いに変換しないように気をつけたほうがいいかな。

ウエンツ:だって、自分がその人より仕事ができていたとしたら、ポジションも今とは違うだろうし。事実として、今はその先輩の方が仕事ができているんですからね。

「先輩だから」って、自分に言い訳してない?

──ウエンツさんは先輩にも自分の意見を伝えられている印象ですが、なかなかそうできない人たちにアドバイスをいただけますか?

ウエンツ「先輩だから」自分の意見を言っちゃダメって、本当なんですかね? もし不文律が本当にあるのだとしたら、それはおかしいことですけど……。

力を持っている人には意見を言いづらい、ってある気がするのですが……?

──どういうことでしょう?

ウエンツ:僕よく思うんですよ。それも、自分の中で勝手に変換しちゃってるからなんじゃないかなって。そもそも意見を言うのが苦手なのに「先輩だから言えない」って言い訳して、自分を守ってたりとか

──あー、なるほど! 先輩のせいにするみたいな……。

ウエンツ:そうそう! だって、本当に言いたいと思っているなら言うもん。だから、勝手に理由付けをしちゃうのはもったいないかなと思いますね。

たしかに、「先輩だから」が言い訳になってしまっているときもあるかも。

──同期や後輩になら自分の意見を言えているのかと考えたら、言えてなかったり……。

ウエンツ:あとは、自信がなかったりね。誰だって自分の意見に自信はないと思いますけど、話さないと何も始まらない。自分の意見を言うことで、相手の意見を聞ける機会ってたくさんありますからね。

──なるほど。

ウエンツ:それに、もし本当に先輩には言えなくて、後輩には意見をバンバン言えるんだとしたら、それは「お前が本当に嫌な先輩だよ?」って話になるからね(笑)。「先輩だから」って理由をつけちゃう人は、後輩にも嫌なことしてしまう人になりがちかもしれませんね。

立場を理由にするの、よくない! と改めて感じます。

──先輩との関係性だけでなくて、周りの人との関係性を見直すきっかけになりそうですね。

ウエンツ:やっぱり人間関係を円滑に運べる人は、先輩後輩関係ないですからね。片方だけに好かれるのは、ちょっと特殊かなと思います。本当に上手な人は、偏りがないはず。

──たしかにそうですね。

ウエンツ:だから、自分が後輩と仲良くできているかで、自分の人間関係に問題がないかわかるんじゃないですかね。上下関係という枠を取っ払って考えることから、はじめてみてはどうでしょうか? 先輩にも後輩にも言葉や行動を丁寧にして、常に素のままの自分でいられるのがいいと思います。

ウエンツ瑛士(うえんつ・えいじ)。

4歳から芸能活動を始め、NHK教育テレビ『天才てれびくん』『天才てれびくんワイド』にレギュラー出演。小池徹平とのデュオ「WaT」として歌手活動も。俳優やタレントとして幅広く活躍し、ロンドン留学を経て現在は『火曜サプライズ』『スッキリ』にレギュラー出演中。

取材・文/於ありさ(@okiarichan27
撮影/友野雄