「趣味と言える趣味がない」という人は少なくありません。

そもそも「平日は仕事でクタクタだから、休日はのんびりしたい」と思うもの。好きなことって大人になってまで必要なんでしょうか。

元日本テレビアナウンサーで、現在フリーの青木源太さん。趣味や好きなことが多い彼は、「好きなものがあると、仕事にもプライベートにもいい影響しかない」と言います。

今回は、青木さんに好きなことがもたらすメリットや、好きの見つけ方のヒントについてお伺いしました。

青木源太(あおき・げんた)。元日本テレビアナウンサー。2020年10月よりレプロエンタテインメントとマネジメント契約を締結。日本一のイベント司会者を目指して挑戦中。

「好きなものがあると、公私共に幸せの総量が増える」

——青木さんといえば、ジャニーズやエンタメ全般を中心に好きなことへの熱量が高いイメージがあります。聞くところによると、それ以外にも趣味がたくさんあるのだとか?

青木源太さん(以下、青木):そうなんですよ。エンタメ鑑賞はもちろんなんですけど、野球も好きで、巨人の大ファンですし、ラグビーやロードレースも好き。スポーツを見ていた影響で筋トレや体づくりも。それから……

目をキラキラさせて楽しそうな青木さん。

——あ、ありがとうございます。本当にたくさんの「好き」をお持ちなんですね!

青木:そもそも「好きになる」とは、「好きになったものを見つけた自分を好きになれる」ということだと思うんですね。

——どういうことでしょうか?

青木:これ、爆笑問題の太田さんがおっしゃっていたことなんですけどね。つまり、好きなものを見つけることで自己肯定感が高まっていくということなんだと思うんです。

——好きなことがあると自己肯定感が高まる……なぜなんでしょう?

青木:好きなものを見つけることで、どういう風に暮らしたり、働いたりするのが心地よいかわかるようになる。そうして、自分の人生の主導権を持てるようになると思うんです。

——たしかに。好きなことがある人は楽しそうだし、キラキラしていますね。

青木:そうそう。何が好きで何に価値を置くかというのは人それぞれですが、その価値を知るためには、まず自分を知る必要がある。好きなことがわからないままでいると、自分が何をしたいかもわからないし、何をやっていても“やらされ仕事”だと感じてしまうと思うんです。でも、どうせ仕事をするなら楽しいほうがいいですよね?

——そうですね。

青木:だったら、自分の仕事も主体的になった方がいいと思うんですよ。そのためには、能動的にいろんなものに興味を持って、“自分が好きな自分”を見つけるのがいいと思います。

——好きなものを見つけたら、結果的に自分も好きになれるし、そのスタンスは仕事にもいかせるんですね。

青木:そう。好きなものを見つけて自己肯定感が高まると、仕事も自信を持って取り組める。だから好きなものって絶対見つけるべきだと思うし、いくつもあってもいいと思うんですよ。たくさんあった方が幸せの総量は増えるんじゃないかなって。

“興味を持つこと”が仕事も人生も好転させる

——“やらされ仕事”から抜け出して、主体的に楽しく仕事をするための秘訣を教えてください。

青木:うーん……それぞれの業種・職種によりますから一概には言えないんですけど、楽しく仕事をするためには、その仕事に興味を持つことが大事だと思います。

——青木さん自身興味を持つことで、仕事が楽しくなった経験はありますか?

青木:ありますよ。局アナ時代、自分が全く知らない分野を扱うこともあったんですけど、仕事になったことをきっかけに興味を持って好きになったものもありますね。

——たとえばどんな仕事ですか?

青木:「MotoGP」というバイクレースの実況の仕事をいただいたんですけど、僕はその仕事が来るまで「MotoGP」というものを全く知らなかった。

——それでどうしたんですか?

青木:だからまずは、バイクの免許を自腹で取りに行き、そのレースを見まくって、好きな選手を見つけて、とにかく興味を持つアプローチをしてみたんです。そうやって、自分の中の仕事の充実度を上げていったんですよね。

予想を超える入り込み方!

——すごい。プライベートの時間を割いてまでバイクを好きになる努力をしたということですよね。そこまでの熱量を持てたのって、なぜなんでしょう?

青木:嫌々仕事することほど悲しいことはないと思っているので、その時はプライベートを犠牲にしたとしても、楽しく仕事ができるようになるならいいかなって。

——たしかに。仕事でも嫌な時間はなるべく過ごしたくないです……。

青木:実際、バイクに関しても興味を持つにつれて、どんどん仕事だとは思えないくらい楽しくなっていったんで、必要な時間とコストだったかなと。

——なるほど。

青木:それに興味を持つことも仕事のひとつだと思うんですよ。まずは自分の仕事、たとえば営業なら自分の売っている商品に興味を持つのもいいかもしれませんね。その人が本当にその商品が好きでプライドを持っているというのは大事だと思います。

好きの見つけ方のヒントは「トレンドに手を出す」

——ビジネスパーソンの中には「何にも興味を持てない」という人も多いと思います。そういう人たちは、どうやって興味のアンテナ感度を高めたらいいのでしょう?

青木アンテナなんか張らなくても入ってくるような情報に一歩踏み出してみることが大事なんじゃないでしょうか。「好きなものないんだよね」っていう人って、そもそも自分がどういうものが好きなのかをわかってないと思うんですよね。

——なるほど!

青木:だから、とりあえずわかりやすいくらいバズっているものやトレンドに手を出してみたらいいんですよ。

バズっているものなら自分から情報を取りにいかなくても勝手に入ってくる。

——それならハードル低そうですね。

青木:僕はミーハーなので、話題になったものはある程度手を出しがちなんですけど、やっぱりトレンドって多くの人の心を掴む魅力があるんですよね。もちろん、ハマれないことだってあります。でも、だからといって引け目を感じる必要は全くありません。

——トレンドにハマれないと「世間とずれてるのかな」って思っちゃいがちですけど、好きになれないパターンもあっていいということなんですね。

青木:もちろん! 合わなかったっていう、ただそれだけなのでね。それに、トレンドに手を出すことって、ほかにもメリットがあると思っていて……

トレンドに手を出すことのメリットは?

——気になります!

青木:ある程度の経済効果を生んで話題になっているものって、絶対理由があるんですよ。ミソというか、真髄というか……。それを探っていくだけでも楽しいですし、流行る法則を探り当てて学びに繋がることもあると思うんですよ。

——なるほど、ハマれなくてもビジネス的な感度を高めることもできると! でも、トレンドにとりあえず手を出すと、ニワカって言われません?

青木:うーん……別に「ニワカ」と言われたっていいじゃないですか。コアなファンだって、最初はニワカから始まっているはずだし。

ニワカって言われても気にしないそう。

——たしかにもともとはそうですよね。

青木:好きの度合いがコアなファンほどでなくても、好きなことを持つメリットは多いと思います。たとえば、今はSNSを通して同じものを好きな人同士が集まりやすい時代。そこからコミュニティや人脈が広がる可能性もありますからね。

——なるほど。“好き”が人付き合いの幅を広げる可能性もあるんですね。

青木:大いにあるでしょうね。会話のきっかけになることも多いでしょうし、話題の引き出しが増えますから。初対面の人との共通点を見つけやすくなると思います。

——好きなことが多い青木さんにぜひお伺いしたいのですが、趣味がない人が手を出しやすい、おすすめの趣味があれば教えてください。

青木筋トレ一択ですね! 嫌なことがあっても、限界までベンチプレスやっていると忘れられるし、余計なことを考えなくていいですから。仕事でも、人生においても「頑張ったのに結果が出ない」ことってあるじゃないですか。

真っ直ぐな目で「筋トレ一択!」と言う青木さん。

——ありますね。

青木:でも、それが筋トレではないんですよ。ちゃんと結果が目に見えるし、うまくいかなかったら絶対に理由があります。それに食事もおいしくなるし、睡眠の質も上がるし、結果的に生活の質も上がりますから……マイナスがひとつもないと思うんだよな。

——ありがとうございます! 最後に好きなことがない人にアドバイスをお願いします。

青木:さきほど言ったように、とにかく流行りに手を出してみることにつきますね。あとは、とりあえず少しでも興味のあることにお金を払い込んじゃって、半強制的に始めてみること。それから、ちょっとでも興味を持ったら「気になるかも」と発信してみることですかね。

「“好き”を発信することは大事ですよ」

——興味を持った段階で発信…︎…それはなぜですか?

青木情報って発信している人のもとに集まるんですよ。とりあえず「気になるかも」って言ったら、すでにハマっている人からもっと好きになれる情報が寄せられてくるんですよ。背に腹はかえられぬ状況にするためにもおすすめですよ。

——なるほど。私も能動的に“好き”を増やしていきたいと思いました。ありがとうございました!

青木源太(あおき・げんた)

元日本テレビアナウンサー。2020年10月よりレプロエンタテインメントとマネジメント契約を締結。日本一のイベント司会者を目指して挑戦中。

Twitter:@Aoki_Genta

衣装:スーツ¥79,000、シャツ¥9,800、ネクタイ¥12,000、チーフ¥5,500、シューズ¥25,000/すべてTAKEO KIKUCHI(ワールド プレスインフォメーション 03-6851-4604)

取材・文/於ありさ(@okiarichan27
撮影/小原聡太(@red_tw225