夫の会社が倒産寸前! 小さな子ども2人を抱え、「このままでは生活が立ちいかない。なんとかしなくては!」。

今注目の株式投資スクールの講師・藤川里絵さんは、将来への不安から8年前に恐る恐る株式投資を本格的に始めたと言う。

最初は100万円からスタート。リスクを取ることに少しずつ慣れるにしたがって投資金額を増やし、今では資金は10倍以上に増え、なんと8年間にわたり、毎年損益はプラスだそう。

投資の初心者だった藤川さんが、ここまで資産を増やした秘訣は何だろうか? 経済の専門知識がない初心者にもそれなりの結果が出せる、シンプル投資法を聞いてきた。 

将来の生活の不安から、株を本格的に始める

藤川里絵
藤川里絵(ふじかわ・りえ)。日本最大のファイナンシャル教育機関「ファイナンシャルアカデミー」にて、多数の講座を担当。特に株式投資に関しての講座は、キャンセル待ちが出るほどの人気ぶり。現在は講師業と並行してマネジメントオフィスも経営。
Dybe! ライター

編集部

藤川さんはどういうきっかけで株式投資を始めたのでしょうか?

藤川里絵

藤川さん

実は、夫が経営している小さなアパレル会社が倒産しそうだったんです。子どもが小さかったので、不安に押しつぶされそうな毎日でした。当時、アーティストのマネージャーをしていましたが、給料は20万ほどでした。さらに追い打ちをかけるように、会社の業績不振で15万円になってしまい…。バイトを入れないと暮らせない状態でした。でも、始めた文字入力のバイトは1文字1円にもならない世界で、正直あまり家計のたしにはなりませんでした。

「これはダメだな、まじめに働いてるだけじゃお金は増えないな」と悟りました。

Dybe! ライター

編集部

それは大変でしたね。いつ頃のことでしょうか?

藤川里絵

藤川さん

2010年頃のことです。正直、かなり追いつめられていました。その頃、バイトで投資スクール「ファイナンシャルアカデミー」のアテンド業務をはじめたのが、株を始めたきっかけになります。

Dybe! ライター

編集部

アテンド?

藤川里絵

藤川さん

はい、投資セミナーの会場準備や受付などのお手伝いです。産休中にファイナンシャルプランナーの資格を取っていたので採用されました。アテンドは、セミナー中に会場で講師の方のお話を聞けるんです。そして、アテンドで入った株式セミナーで、「これなら私もイケるかも!」と思ったんです。

Dybe! ライター

編集部

なぜ、イケるかも! と?

藤川里絵

藤川さん

受講している生徒さんたちが、普通の人だったからです。年配のリッチな人たちではなく、若い20代、30代の会社員の方や、パートの主婦の方が多かったです。そういう普段の収入がそれほど多くなさそうな方たちが成果を出していたので、「株を覚えれば、毎月3万円くらい定期的に得られるんじゃないか」と思いました。

株式投資に成功して、講師になる

藤川里絵

 
Dybe! ライター

編集部

それで、アテンド業務をしながら株式投資を始めたんですね。

藤川里絵

藤川さん

はい、住んでいたマンションを売り、売ったお金の一部の100万円からスタートして、徐々に投資資金を増やしました。株による利益も少しずつ取れるようになってきた頃、その実績が認められてお声がけいただいて講師になりました。

Dybe! ライター

編集部

いつの間にか講師とはすごいですね。どんな株を買ったのでしょうか?

藤川里絵

藤川さん

実は、株を始めてから4年ほど、株価はあまり動きませんでした。
そんな私を救ってくれた銘柄を1つあげるとすれば、メガネの小売りチェーンの「JINS」です。

Dybe! ライター

編集部

「JINS」! 僕もPCメガネを持っています。

藤川里絵

藤川さん

事務所の近くの原宿店がいつも混んでいたので目にとまったのです。大ヒットしたPCメガネが、わずか2,980円で、メガネ業界のユニクロと言われていました。「安くて、すぐできて、オシャレな店」と、私の目には映りました。

『会社四季報』を見たら、たしかに儲かっています。初心者の私は「やっていることがわかりやすい。儲かっている。自分で買える値段」の3条件が株式投資には必要だと自分に言い聞かせていましたが、その条件にもピッタリ当てはまりました。2012年3月に1株1,200円ほどで買った株は11カ月で3.5倍の4,200円になり、売却しました。100万円は儲かったと覚えています。

Dybe! ライター

編集部

100万円! それはすごい。藤川さんはこの8年間、年間損益で一度も損をしていないということですが、株における成功の秘密は何でしょうか?

藤川里絵

藤川さん

先ほどの「JINS」のように、自分の肌感覚で流行っているな、と感じられる企業の株があればしめたものです。こんな感じの株を1年に1回でもキャッチでき、10年20年とそれを続けられれば、自然と資産が10倍に増えても不思議ではありません。

Dybe! ライター

編集部

肌感覚ですか。たとえば、あの居酒屋さんおいしいし、いつも混んでいるな、とかそういうことでしょうか。

藤川里絵

藤川さん

そういうことです。ただ、その会社が儲かっているか、は『会社四季報』などでちゃんとチェックしてくださいね。また、成功の秘密ではないのですが、私の座右の銘は『勝つことも大事だが、まずは大きく負けないこと。そしてこの世界から退場しないこと』
です。私をはじめ、普通の人が投資で成功するためには、コツコツと真面目に取り組み、継続していくことなんです。そして、負けないためのマイルールを作りそれにしたがって淡々とやっています。

藤川流・投資マイルールとは?<損切り編>

Dybe! ライター

編集部

負けないためのマイルール? ぜひ教えてください!

藤川里絵

藤川さん

実は、株の最大の敵は「自分の心」なんです。

Dybe! ライター

編集部

自分の心?

藤川里絵

藤川さん

たとえば、「ある株が下がっているけど、また復活するかもしれないからもう少し様子を見よう」とか、「一回手放してしまった株だけど、また上がりそうだし再び買ってみるか」などというのは、たいていうまくいきません。「ダメ彼がいつか立ち直ってくれるかも」「別れた彼氏が出世したから、ヨリを戻そう」というのと一緒です。

Dybe! ライター

編集部

恋愛で考えるとわかりやすいですね。たしかに、うまくいかなそうです。

藤川里絵

藤川さん

また、人間は、得をすることよりも損をすることに対して敏感で、10万円の利益確定をすること喜びよりも、10万円の損切りをすることの悲しみのほうが大きいそうです。でも、冷静に考えたら、同じ10万円なので、喜びも悲しみも同じであるはずですよね。だから、心に左右されてはいけないんです。そのためにも「損切り」のルールを徹底させてください。

Dybe! ライター

編集部

「損切り」のルール……。具体的には、どういうことでしょうか?

藤川里絵

藤川さん

買った株がここまで下がったら「損切り」をすると事前に決めてください。そのルールは、自分なりに納得できるものでかまいません。私は買った金額から10%下がったら損切りすると決めています。この10%という数字に、合理的な理由はありません。これくらいの損ならそれほどダメージを感じないな、という感覚的なものです。

Dybe! ライター

編集部

なるほど。でも、買ってすぐに10%下がってしまうこともありますよね?

藤川里絵

藤川さん

もちろんありますよ。でも、私はマイルールにしたがって売ることにしています。

売った後に、株価が戻ることもありますが、経験上、損切りをしたときの後悔より、しなかったときの後悔のほうがはるかに大きいです。

藤川流・投資マイルールとは?<利確編>

藤川里絵

藤川さん

「損切り」とセットになるのは「利益確定(利確)」です。これは結構悩みます。人間、少しでも大きな儲けを出したいですからね。私は、自分の心に左右されないために、利確にもマイルールを決めています。

Dybe! ライター

編集部

やはり、心に左右されないことが大事なんですね。どんなマイルールでしょうか?

藤川里絵

藤川さん

利益を取れている株が、過去3日間の最安値になったら、自動的に売るようにしています(あらかじめネットで指示を入れておくそう)。銘柄によって利確のタイミングを変えていたら、やはり心に左右されてしまいますからね。あえて事務的に売るようにしています。

Dybe! ライター

編集部

ここで売らなかったら、もっと儲かってたのに、ということはありますか?

藤川里絵

藤川さん

もちろん。でもこの方法を取るようになってから、株価が上昇から下降へ変わる初期の段階で利確できることが多くなりましたね。

株のおかげで、世界が広がり人ともつながれる

藤川里絵
株式投資の相棒は、『会社四季報』『会社四季報 業界地図』。気になった会社の株は、ここできちんとチェックしている。
Dybe! ライター

編集部

ここまで、心構えやちょっとしたテクニックについて聞いてきましたが、株を始めるには、実際いくらくらいの元手で始めたらいいんでしょうか?

藤川里絵

藤川さん

ある雑誌で、株式投資で1億円の資産を作った人たちにアンケートを取っていたのですが、34%の人が元手が50万円未満と回答していました。少額から始めて、リスクを取ることに慣れつつ投資額を増やし、10年、20年後に「億り人」になることは十分可能なんです。というわけで、まずは投資の元手としての30万円と、何かあったときのための資金として20万円、計50万円を貯めることにしてはどうでしょうか?

Dybe! ライター

編集部

50万円! 頑張れば貯められそうな気も。

藤川里絵

藤川さん

毎月2万円貯めれば、約2年間で達成できます。私自身低収入だったので節約のつらさはよくわかりますが、節約が目的ではなく、将来のお金を増やすための通り道だと思ってください。

Dybe! ライター

編集部

頑張ります(汗)! ちなみに、株で儲けたお金を何かに使う予定はありますか?

藤川里絵

藤川さん

実は私は趣味がなくて、株で儲けて、ああしよう、こうしようという計画がないんです。お金の不安なく暮らしたい、欲しい物を我慢せず、おいしい物を食べたいとは思っていますけど。他の楽しみがないから再投資できるのかもしれません。

カッコ悪いけれど、今の私は株が趣味。そして株のノウハウを一人でも多くの人に伝えるのが私の使命のように思っているんです。実は、夫とはその後離婚してしまったのですが、株を始めて本当によかったです。本も書けて、そのおかげで世界も広がったし、人ともつながれました。こうして取材にも来てもらえますし(笑)。

Dybe! ライター

編集部

最後に、読者に一言アドバイスをお願いします!

藤川里絵

藤川さん

以前の私のように、将来を不安に感じているのに何もしていない人ってとても多いですよね、でも、一歩前に踏み出して、株式投資をやってみてはどうでしょうか。お金の心配のないレベルまでたどり着くと、世界が前より広がりますよ。

藤川里絵(ふじかわ・りえ)

2010年より、本格的に株式投資を始め、自己資金を10倍に増やす。8年間の年間損益は負けなし。

日本最大のファイナンシャル教育機関「ファイナンシャルアカデミー」にて、「お金の教養スクール」「株式投資スクール」など、多数の講座を担当。特に「株式投資スクール」は毎回100名以上が受講し、キャンセル待ちが出るほどの人気ぶり。現在は講師業と並行してマネジメントオフィスも経営。『月収15万円からの株入門 数字オンチのわたしが5年で資産を10倍にした方法』 『月収15万円で株投資をはじめたわたしが5年で資産を10倍にした方法を書き込みながら実践する本』(ともに扶桑社)が好評発売中。

Twitter:@Forangina

日々の売買をすべてリアルに記録したメルマガ:藤川里絵の”勝ったり負けたり”赤裸々株ノート

<取材・文/竜野つとむ 撮影/奥本昭久(kili office)>