最近、大手からベンチャーまで、副業を認める企業が増えている。それと同時に、サラリーマンの副業への関心も高まっている。しかし、「何をやればいいかわからない…」という声は多く、「収入アップ以外にいいことあるの?」という疑問も聞こえてくる。

そこで、副業の取材を長年続けるライターが、初心者におすすめの副業を紹介。あわせて、副業で成功している3人の体験談を通して、副業の真実に迫りたい。

副業が当たり前の時代に

多様な働き方、稼ぎ方が認められる時代となり、副業に興味を持つ人も増えているはずだ。しかし、副業といってもどんなことができるのか、どこから手をつけていいのかわからず、なかなか踏み出せない人もいるのではないだろうか。

筆者は、マネーの分野をメインにするフリーライターだ。副業をウォッチし、インタビューした副業成功者は1000人を超える。

副業の成功とは、収入アップだけに限らない。本業以外のキャリアを広げたり、個人の稼ぐ力を養って会社に頼らない生き方を実現することにもつながる。もちろん、成功に行き着くまでには失敗もある。

そんな副業の世界をどう進んでいけばいいのか。長年の取材を通じて得た副業の知識や経験をもとに、ここに紹介しよう。

おススメはネット副業。「モノ」「スキル」「情報」を売る

ひと口に副業といっても、いろいろある。新しい副業も続々登場している。そのため、副業を思い立つ人の多くは「何をやったらいいかわからない…」という問題にぶち当たる。

結論を先に言う。「ネット副業」をおススメしたい。簡単にいえば、ネットを使った副業だ。アルバイトをやるのも手だが、時間や場所を拘束されて実入りもいいわけではない。ネット副業であればアフター5や休日の空いた時間に自分のペースで進められ、収入も個人の頑張りや工夫次第で増えていく。

では、どんなネット副業がいいのか。たくさんあって悩むところだが、おすすめするのはネットで何かを売る副業。売るのは、ズバリ「モノ」「スキル」「情報」のいずれかである。

今回、モノ、スキル、情報を売るネット副業で成功者している人それぞれ計3人を取材した。自分に合っているのはどのやり方か、三者三様の成功の秘密や、起きた変化などをチェックしてほしい。

電脳せどりを実践。副業歴1年未満で月商150万円

hope

1人目は副業で「モノ」を売る、hopeさん(31歳)。東京都内のアミューズメント施設で働き、早番・遅番をこなし休みは月4日のみ。そんなハードな日々を送る中、“電脳せどり”の副業に取り組んでいる。

モノを売って利ザヤを得る手法を“せどり”と呼び、店舗に行って商品を仕入れる店舗せどりと、ネットを通じて商品を仕入れる電脳せどりに分けられる。hopeさんは後者を選択し、仕入れた商品をアマゾンで売っている。アマゾンは通販サイトとしておなじみだが、商品を購入するだけでなく、手持ちの商品を出品して販売することもできるのだ。

「2017年9月に始めました。それ以前にネットでモノを売った経験はなく、副業自体初めてしたが、現在、月の売上げ約150万円、利益約30万円を手にしています」

電脳せどりを選んだのが正解だったと語るhopeさん。その理由は?

「仕入れから販売まで、作業がネットで完結するからです。本業が忙しいため、店舗に足を運ぶのは難しい。でもネットの仕入れなら、出勤前や帰宅後の自宅にいる空いた時間を使ってPCに向き合えます。おかげで本業と十分両立できていますよ」

第一歩は塾。当初は稼げず苦労

一生懸命働きながらも、どこか満たされない毎日。もっと稼ぎたいけれど、給料は一定どまり。副業を思い立ったのは、そんなモヤモヤした気持ちを解消するためだった。

「副業に関するネットの記事や書籍を読みあさり、手軽さとすぐに稼げそうな副業を求めて、電脳せどりにたどり着きました。新規に開講する電脳せどり塾の存在を知り、入塾したのが第一歩です」

塾の費用は半年間で約30万円。高額だったものの、電脳せどりのやり方を一から手取り足取り教えてもらうことができたそうだ。しかし、すんなり稼げたわけではない。

「同期の塾生の多くが2~3か月で月商100万円に到達したのに、僕は月商40~50万円で頭打ち。利益4~5万円の状態が続きました」

2つの成功法則がブレイクスルーに

念願の月商100万円超えは、入塾4カ月目の2018年1月。以降、月商100万円を下回ることなく、稼ぎは右肩上がり。自分なりの成功法則をつかんだことが勝因だという。

成功法則は2つ。ひとつは仕入れ先だ。

「当初は家電量販店の通販サイトで仕入れを行い、パソコンの周辺機器などを売っていました。ただ誰でも簡単にできるので競争相手が多く、限られた数しか扱えないのもネックに。そこで、個人でも取引可能な卸問屋サイトに仕入れ先をシフトし、売れる商品を安く大量に仕入れるようにしました」

もうひとつは商品の選定だ。

「敬遠されやすい商品をあえて選びました。扱いやすい商品は出品者が多く、価格競争になって値段が下がり、利益率も下がる傾向が強い。それと逆なので、値段は下がりにくく、利益率は高い。敬遠されやすい商品は、大きいサイズや重量の重いモノが該当します。ダンボールに入れて配送するのに手間がかかり、送料も高くなるからです。実際に売った商品のひとつは、5.5合炊きのIH炊飯器。月平均12個売り、約4万円の儲けになっていました」

炊飯器の写真
(写真:PIXTA/天空のジュピター)

実際にその商品を選ぶかどうかは、アマゾンで需要があるかどうかだ。送料や手数料などを差し引いた収入を専用ツールでリサーチし、売れる見込みが高く、基準とする利益率をクリアした商品を仕入れるのだそう。

「僕の基準は利益率10%以上。代金の支払いにクレジットカードを使うので、口座引き落としまでの40~50日以内に売れるものをベストと考えています」

選択肢が増えて、モヤモヤ解消!

副業を始めて、金銭的にも精神的にもゆとりが生まれたというhopeさん。

「本業しか収入源がなかったときは、給料に不満を感じたり、仕事にやりがいを持てなくて、我慢して働くしかありませんでした。でもいまは電脳せどりという稼ぎの手段があるので、自分で収入をアップさせたり、新たな道を切り開くこともできます。人生の選択肢が増えましたね

じつはhopeさんは親戚の借金を肩代わりし、コツコツ返済する日々を送っていた。副業の稼ぎでその借金をあっというまに完済。

身がキレイになり、付き合っていた彼女との結婚に踏み切れました(笑)

目標は副業月収100万円。実現の日はそう遠くないだろう。

得意なことで稼ぐ。イラスト制作が副業に

Saya.

2人目は副業で「スキル」を売る、Saya.さん(32歳)。東京都内のIT関連企業に勤務し、家事や子育てを行うかたわら、イラストの制作を副業としている。子どもの頃から絵を描くのが大好きで、その特技を活かしているケースだ。

「産休に入ったのを機に、自宅で何かスキルアップにつながることができないかなあと思ったのが始まりです。ネットであれこれ調べていたら、自分の得意なことを売買できるウェブサービスの『ココナラ』を発見。趣味のイラスト制作を“商品”として出品し、収入を得られることに魅力を感じてすぐに登録しました」

ココナラはスキル、経験、知識などを売り買いできるオンラインのフリーマーケット。イラスト制作に限らず、占いや美容アドバイス、就職相談、ホームページやロゴ制作など、200を超える得意なことが商品として並ぶ。登録者は80万人以上。副業のプラトットフォームとしても人気を集めている。

産休時代に副業を始め、職場復帰後も継続。現在は平日のスキマ時間にスマホアプリで注文を受けた顧客とやり取りし、週末の休日を作品づくりにあてているという。

「イラストはペンタブレットとノートPCを使って描きます。絵の具など画材を使用しないので部屋が汚れなくてすみ、経費もかかりません。自宅にいて家事や育児を行いつつ、空いた時間に自分のペースでできるのがうれしいです」

ジャンルを絞ったことで注文が増加

Saya.さんがココナラに登録したのは2016年2月。登録後、すぐに仕事にありつけたのだろうか?

「はい。2~3日後に注文をいただきました。依頼されたのは似顔絵のネーム印に使用するイラスト。いま振り返ると、最初の頃はかなりヘタっぴでしたけどね(笑)」

1作品500円からスタートし、初月の依頼は2~3本。ユーザーが設定できる単価は販売実績と購入者評価に応じて上がっていく仕組み(500円~最大50万円※現在は実績がなくてもそのカテゴリの出品可能価格の範囲で自由に決められる)。実績を積み重ねながら、描くイラストのジャンルを絞っていったことがよかったとのこと。

「当初は人や物など何でも描いていたのですが、物より人、男性より女性や子どものほうが描きやすく、楽しめることがわかり、アピールするようにしました。すると母親や小さな子ども、赤ちゃんといったイラスト依頼が中心に。私自身、小さな子どもを持つ母親ですしね。専門分野を持ったことで多数の注文をいただけるようになりました

Saya.さんのイラスト3枚
ほっこりしていてかわいらしい、Saya.さんのイラスト

感謝の言葉がやりがいにつながる

現在、平均受注単価は約3000~4000。これは基本単価1000円に、人物を追加で1人描いたらいくらなどオプションがプラスされたもの。顧客は女性が約6割。全体の半数がリピーターになる。描いたイラストは、ウェブサイトの挿し絵、ブログのプロフィール絵柄、名刺のイラストなどに利用されているそうだ。

収入は月2万円程度。SNSを使って情報発信するなど宣伝に力を注げば、もっと稼ぐこともできるはずです。でもいまは本業や家事、子育てが優先。受注数を月4~5本に制限し、無理のない範囲で臨んでいます」

Saya.さんは美術大学を卒業しているわけではない。絵の勉強については25歳から約4年間、絵画教室で通っただけだという。

「そんな出品者でもたくさんの方がイラストを依頼してくださり、完成した作品に感謝の言葉までいただけるのは本当に幸せなこと。お金を得られたことより、その喜びのほうが大きいですね

未来地図が変化。キャリア拡大へ!

副業をきっかけに、Saya.さんの未来は変わりつつある。

「子どもがもう少し大きくなったら、イラストを描く技術をもっと究めたいです。そして将来の目標として、イラストの仕事を生業にしたいと思っています」

本業とは異なる世界に身を置けるのも副業のメリット。そこでスキルを磨けば、キャリアの可能性を広められるのだ。

「副業を経験していなかったら、イラストはあくまで趣味のレベルに留まっていたでしょう。副業で実績を積み重ねたことと、お客様の喜ぶ声が自信になって、キャリアを描けるようになったんです。夢の実現に向けて頑張ります!」

※ココナラへのアクセスはこちら『ココナラ-みんなの得意を売り買い スキルのフリーマーケット

アフィリエイトに挑戦。通勤時間を活用

ジョージ

3人目は副業で「情報」を売る、ジョージさん(27歳)。IT企業でプログラマーとして働きながら始めたのはアフィリエイトの副業。アフィリエイトとは、自分のサイトやブログなどで企業の商品やサービスを宣伝(情報発信)し、広告収入を得るもの。宣伝文とともに貼り付ける広告を経由して商品やサービスが売れたら、購入1回につき1000円など決まった報酬が入る仕組みだ。

「東京の郊外に住み、都心の会社まで片道2時間半の電車通勤。長時間の通勤地獄から逃れたかったのと、給料が上がらず安月給の仕事に嫌気がさし、副業に救いを求めました」

こう動機を語るジョージさん。彼をアフィリエイトに導いたのは年上の奥さんだった。当時、趣味のブログを長年書き続けていた奥さんは、アフィリエイトで毎月数百円を稼いでいたため、「本格的にやればもっと稼げるはず。仕事を辞められるかもよ」とジョージさんに薦めたのだ。

「通勤時間を副業タイムとしました。電車内だと、ノートPCの作業に没頭できるのでもってこい。それまでムダに過ごした時間を有効に使えるのもよかったです。通勤は苦痛でしかありませんでしたが、アフィリエイトで稼げるようになってくると、作業が待ち遠しく楽しみな時間に変わっていきましたね

報酬が高く、マーケットの広い分野を狙う

アフィリエイトに楽しさを覚えたジョージさんだが、そこに至るまでは簡単ではなかった。2016年1月に開始するも、なかなか成果は上がらず苦戦。月2~3万円と小遣いレベルの状態がしばらく続いたという。

「最初は趣味の自転車をテーマに記事を書き、関連商品の販売につなげていました。自転車自体に興味を持つ人が少なかったのが敗因かと思います」

活路を見出したのはテーマを美容に切り換えてから。サプリメントや化粧品などを商材に、サイトに記事を書いたことで収入が伸びたそうだ。

「美容系の商品は総じてアフィリエイトの報酬が高く、マーケットも広い。テーマの正解に加え、あきらめずに記事を書き続けたことが花開いた要因でしょう。記事の本数が増えるとネット検索順位も上昇。結果、読者が増えて、比例して収入も伸びていきました」

季節ごとの商材替えとメルマガアフィリで大成

約1年間の低空飛行を経て、アフィリエイト収入は倍増。これには2つの工夫も関係している。

まずひとつは、美容をテーマに季節ごと商材を変えるというやり方だ。

「例えば、夏は汗をかくから体臭、秋は抜け毛が多いため育毛、冬は忘年会・新年会による暴飲暴食でダイエットなど、季節ごと需要の多い関連商品をサイトで宣伝します。その時期を迎える前に仕込んでおくのがポイントです」

もうひとつは、メルマガアフィリエイトを始めたことだ。こちらは奥さんが担当している。

「妻は我が家のアフィリエイト実践記を面白おかしくブログでレポートし、メルマガ登録をお願いしています。そこで読者になってくれた方に商材を宣伝するのがメルマガアフィリエイト。サイトアフィリエイトは不特定多数の人をターゲットにしますが、メルマガアフィリエイトは我が家のことをブログでよく知る人たちなので成約率が高い。もうひとつの収入の柱にもなっています」

稼ぐ力がついてサラリーマン卒業

アフィリエイトで給料と同じくらいの収入を得られる力がついたジョージさんは、満を持して2018年3月末に会社を退職。4月からアフィリエイトを本業にしている。サラリーマン卒業の感想は?

「通勤から解放されて気持ち的にすごくラクです(笑)。毎朝早く起き、深夜帰宅という生活でしたから。良質な睡眠と、規則正しい食生活でいまは健康そのもの。自宅にいて、家族と一緒に過ごせる時間が増えたのが何よりうれしいですね

ジョージさんがアフィリエイトサイトで使っている家族のイラスト
アフィリエイトサイトで使っている家族のイラスト

副業で成功している3人の話、どうだっただろうか。成功の形は人それぞれだが、人生が大きく変わっているのは共通している。何もしなければ日常は変わらない。変化を起こしたいなら、副業をその手段として考えてみるのもいいかもしれない。