作詞、作曲、編曲を自ら手がける、弾き語りトラックメーカーアイドル・眉村ちあきさん。テレビ番組で即興の歌を披露して一躍注目を浴びた彼女は、「株式会社 会社じゃないもん」の代表取締役でもある。天才と呼ばれる規格外のアイドルだが、実はオーディションに何回も落ちて悔しい思いをしたり、ソロになる前の地下アイドル時代にはなかなかの苦労もしている。

今回、眉村ちあきさんをよく知っているプロインタビュアーの吉田豪さんに「眉村さんを知らない人たちに、彼女の魅力を伝えるインタビューをお願いしたい」と依頼して実現した。

眉村ちあきさんのアイドルへのこだわりと、目指すものとは?

ガチでファンと遊ぶアイドル

眉村ちあき
眉村ちあき(まゆむら・ちあき)。1996年生まれ。作詞、作曲、編曲をすべて自身で手がける弾き語りトラックメーカーアイドル。(株)会社じゃないもん代表取締役も務める。初の全国流通アルバム『ぎっしり歯ぐき』が好評発売中。

眉村ちあき(以下、眉村):(取材場所にベッドがあるのを見て)すごーい! これ、家だよ! ……終わったら枕投げしますか?

吉田豪(以下、吉田):後で枕投げにも付き合いますから、まずはインタビューを始めます!

眉村:よろしくお願いしまーす。(横にあった収納の蓋を開けたら大量のボードゲームを発見して)キャーッ!

吉田:無視して続けますよ! 今回は、知らない人にもちゃんと眉村さんのことを知ってもらうために事前に設定された質問が20個くらいあります。最近は取材も増えたわけですけど、いちばん聞かれる質問は何ですか?

眉村:えーっと、「なんでアイドルって名乗っているんですか?」ってやつ。

吉田:まあ、そこはみんな引っ掛かるはずですからね。

眉村:でも、なんか引っかかるとは思わず。別に引っかけるために「弾き語りトラックメーカーアイドル」って名乗っているわけじゃなかったから、ちょっと面倒くさくなってきちゃったなぁって思って。

吉田:褒め言葉として、いろんな人が「もはやアイドルじゃないよ、アーティストだよ!」とか言うじゃないですか。それも「……ん?」となるわけですよね。

眉村:うん。私の中では全然アイドルのつもりでいるから、逆にびっくりって感じです。でも、直接ライブを見たりしたら「やっぱりアイドルだった」って言ってもらえることがあるから。

吉田:その「やっぱりアイドルだった」はどこから来るんですかね。

眉村:たぶん、その人の定義ではハッピーな気分になれたとか、キャラクターとかのことを言っているんだと思う。

吉田:眉村さん、生き物としてのアイドル性みたいなのは高いと思いますよ。

眉村:私はそれを言われて「確かに」って思いました(笑)。昨日、一昨日、FM大阪に行って、トイズ(TOY’S FACTORY)の人について行ってオフィスの1人ひとりに挨拶するってやつやったんですよ。そしたら全員ニコニコして笑ってたから、「わぁ、やっぱり、私はアイドル性が高いんだ」って思いました。「こんにちは!」って言ったら、「うわぁ」って言われたから(笑)。

吉田:テンションが高すぎたんですかね。

眉村:たぶんそう!

吉田:眉村さん、テンション低い時はあるんですか?

眉村:あります。ライブがない時です。

吉田:Twitterでも、わかりやすくヘコんでますよね。

眉村:はい、ヘコむし、遊びたいのに1人だと何して遊べばいいかわからない。

吉田:説明すると、眉村さんはファンとガチで遊ぶ人なわけですよね。だから、ライブが休みの日はTwitterとか公式LINEでファンを呼び出して、公園とかで遊んでいるという。

眉村:そう。でも、私の仕事は夜か土日が多くて、平日の昼間が一番遊べるチャンスがあるのに、ファンはみんな仕事してるから、辞めてほしい。

吉田:ファンは仕事を辞めて……。

眉村:平日に遊んでほしい!

吉田:無理です!

眉村:あはははは(笑)。だから、それでいつも落ち込んで「あ~あ、私は独りぼっちだ」ってなります。

吉田:全然独りぼっちじゃないですよ。

眉村:でも、土日にならないと独りぼっちなんですよ。あぁ、もう!

天才って言われるけど…

吉田豪
吉田豪(よしだ・ごう)。1970年生まれ。プロインタビュアー、プロ書評家。徹底した事前調査をもとにしたインタビューに定評があり、タレント、俳優、ミュージシャンなどインタビューした人間は多岐にわたる。ミスiD選考委員もつとめる。著書に『聞き出す力』『人間コク宝』『吉田豪と15人の女たち』など多数。

吉田:じゃあ、質問に行きますよ。

眉村:はーい。

吉田:「各方面から『天才』と呼ばれることについて、どう思いますか?」。

眉村:「ヤッターッ!」って思います。終わり!

吉田:これ、ファンの人から最初に言われ始めたんですか?

眉村:うーん……わかんない。

吉田:1年ぐらい前には「よく天才って言われるから、じゃあ天才を名乗ろうっと!」とか言ってました。

眉村:たぶんファンの人だったと思うけど。でも全然、「何が?」と思って。私は最初、曲を褒めてくれてると思ってて。

吉田:「天才的な曲だよ」って。

眉村:そう。で、「じゃあ、次も天才的な曲作らなきゃ」って思って、ちょっと作れなかった時期とかもあったんですけど……。

吉田:それが『なんだっけ?』の歌詞に出てくるエピソードなんですね(「偶然できた曲が/天才と言われ続けました/次にできる作品は/それ以上のものじゃなくちゃね/いつからか心の奥では/手と手を縛られてる自分が/音楽ってどうやって/作るんだっけ?」「ほんとは天才なのかな」)。

眉村:「天才」って言われるから、次の曲でそれを超えなきゃって思って。でも、いいのができなくて、ボツばっかりになっちゃって、「何が天才なんかわかんない!」ってなって。つまり、「曲が天才だ」と言われてるって思い込んでいたから作れなかったんですけど。いまも何が天才なのかわかんないんですけど、うさみみのながたさんが……。

吉田:『うさぎのみみっく!!』というアイドルグループの運営の人ですね。

眉村:そのながたさんが、眉村ちあきが天才なのはトラックとかじゃなくて、ステージパフォーマンスだ」って言ってて、「そっちかーっ!」「なんで私は曲で悩んでたんだ!」ってなりました(笑)。だから、もうそこから悩まなくなりました。

吉田:生き物としてアイドル性が高くて、生き物として天才なんだと思ってますよ。

眉村:だから、それが全然よくわからないです。天才って?

吉田:複雑? それとも嬉しい?

眉村:嬉しい。まぁ、褒められていることには何事も嬉しいです。よくツイキャスしてて生でトラックメイクはするんですよ。そしたら「天才」ってよく言われるから、私はトラックメイクの力が天才だと思ってたら、違った。

吉田:思いつきでどんどん曲を作っていくスピード感を見ると、やっぱり「すごい」「天才」ってなるんですよ。

眉村:へぇ、そうなんだ。でも、どんどん聞いてる人が減っていくんですよ、あれやってると(笑)。300人聞いてると思ったら、曲作りしてたら200人くらいに減ってて、「あぁ……面白くないのかな」って思って。たぶんそれ聞いてる人は深いファンなのかなと思う。

吉田:「テレビで即興で面白い歌を作る人とは違う!」みたいな感じで減るんですかね?

眉村:そう。テレビしか見てない人は全然イメージが違うと思います。私のこと、あんまり喋らない人だと思うはず。

吉田:まあ、テレビにはまだ馴染めてない感じが全開ですからね(笑)。

眉村:だって、『ゴッドタン』が一番緊張するんですけど、なんか大人の話をずっとしてるから、みんな。

吉田:悩んでいる芸人さんに即興で歌を作る「スナック眉村ちあき」という企画を2回やってるんですけど、あれがいかに大変なことをしてるかっていうと、まず眉村さんはテレビをほぼ見ないから芸人さんの知識がない(笑)。

眉村:はい(笑)。相談される悩みもよくわからなくて、「事務所どこにしよう」「ワタナベ(※)」とか、「……ワタナベって何?」みたいな。

※芸能事務所のワタナベエンターテインメント

吉田:まずそれもわからない(笑)。人力舎(※)がどうとかね。

※芸能事務所の人力舎

眉村:そう、「やりたくないこともさせられるんだよ、あそこの事務所は」とか話しててたんですけど、何の話かちょっとわからなくて、そしたら「じゃあ、曲はできましたか?」って言われるから、「えぇっ!」って(笑)。

吉田:だから、実は相当大変なことやってるんですよ。何の知識もないままに(笑)。

眉村:でも、何の知識もないことはみんな知らないから「ヤバい」って思う。「マセキ(※)が」とか言われても、なんか蓄積とかそういうことかと思った。

※芸能事務所のマセキ芸能社

吉田:そういう単語かと思ってたんですね(笑)。

眉村:そう、だから、「すごいレベルの高い人たちが座っているんですね」って、なんかもう大人の会話って感じで、すごい!

吉田:だから自然と、即興の歌もシンプルなものになるんですよね。

眉村:ザックリと(笑)。でも最近、『新shock感(:深夜に発見! 新shock感 ~一度おためしください~)』って番組に出ると、すごいボケっとしてるんですよ。『ゴッドタン』が一番難しい話をしてるけど、他の番組さんはわかりやすい話をしてるから、なんか気楽になっちゃって、最近収録も緊張しなくなってきたんですよ。なんか、「大変だな、テレビって」って思います。ボーっとしてて、「どうだった?眉村ちゃん」って言われて、ハッてなる。

地下アイドル時代のステージママの驚異

眉村ちあき

吉田:次に行きますね。ソロになる前の3人組アイドルユニット時代の話です。「売れないアイドルとして、いろいろ悔しいことがあったということですが、どんなことがあったのですか」。

眉村:あのぅ、まずメンバーのお母さんがマネージャーで。

吉田:家族運営は、いろいろ問題があるとはよく言いますけど。

眉村:そう、自分の娘をアー写でセンターにさせたり、典型的なパターンで。自分の娘を一番褒めるしみたいな。私以外の2人、どっちもお母さんが出てくるタイプだったんですよ。で、私が一応振り付けを担当して、リーダーもやってたんですけど、そしたら私に気に入られよう、自分の娘と仲良くさせようとするんですよ。「ウチの娘はチーちゃんのことを、家で『大好き』って言ってるんだよ」とか言ってくるの、絶対言ってないのに。

吉田:絶対言ってないようなのはわかるんですね(笑)。

眉村:そしたら、もう1人の親も「ウチの娘もチーちゃんのことを、家で『大好き』って言ってるのよ」とか言ってきて、なんかすごい面倒くさかった。あとは、飲み終わったコーヒーを、車を止めてドアを開けて、道に置いてドア閉めたり、「えっ?」ってなって。もう普通に人としてだめな感じでした。

吉田:3人組で2対1になってたんですね。

眉村:そう。しかも、マネージャーもお母さんだし、プロデューサーも変な人だったので4対1で、彼氏も加わって5対1になって。

吉田:彼氏も加わるんだ!

眉村:もう本当にひどかった。これが普通なのかって錯覚を起こすくらい、私はその世界にしかいなかったから、そこから抜けてすごい自由になれました。

吉田:その状態だと、これはソロで好きにやったほうがいいって思いますよね。

眉村:うんうん。プロデューサーが「このグループを『モーニング娘。』みたいにしたい」って言ってて、絶対に無理って思ったんですよ。音源とかも、ドラムの音とギターがずれまくってるとか、そういうの聴けばわかるじゃないですか。「え?おかしくない、これ?」って言っても、みんな「え?どこがおかしいの?」みたいな。なんか異世界、パラレルワールドの人たちだったんですよ、その人たちは。

吉田:その時点で「もうアイドルには向いてないかも」とかならなかったんですか?

眉村:私はグループに向いてないかもって思いました、そのとき。人と一緒にやるの無理だって思った。

吉田:で、ソロでライブを始めて自分で曲を作るようになったら、「アイドルなの? シンガーソングライターなの?」と聞かれるようになったわけですけど、それでもあえてアイドルを名乗る理由は、単純にアイドルとしてデビューしたからなんですか?

眉村:そうです。あとは、アイドルを馬鹿にする人のライブを見て「悔しい」「この子はアイドルやったことないのに、何がわかるんだ」って思って、「私はこの子よりもアイドルとして売れてやる」って、そこで決めて、それで名乗るようになったっていうのが1個の理由です。

吉田:モデル系の美人な人に言われたんですよね。

眉村:そう、とってもかわいいからこそ悔しかったです。

吉田:アイドルというジャンルって、すごいナメられやすいじゃないですか。だからこそアイドルっていうジャンルを上げていきたいわけですよね。

眉村:そう。ジャンルごと。ジャパニーズアイドルがビルボード1位取ったら、ジャパニーズアイドルに偏見を持つ人、たぶん、バッコーンでいなくなると思うから、そうしちゃおうって思って。

漏らしちゃった話をしても驚かれない

眉村ちあきと吉田豪

吉田:続きましては、「アイドルなのにうんこを漏らした話をしていいんですか」。

眉村:ワァーッ(笑)。それ、いつのことですか。

吉田:漏らしすぎてて、わからなくなっちゃった(笑)。

眉村:そう、どれのことかわからない。そういえば、おしっこの話なんですけど(笑)。わぽさんとバスに乗ってて、「トイレ行きたい」って言って。

吉田:わぽさんっていうのは運営の方ですね。

眉村:そう、部下です。

吉田:「株式会社・会社じゃないもん」の(笑)。

眉村:それで、わぽさんは「バスの座席に染み込ませればいいじゃん」って言ってきたんですよ。「そうだ!」って思って。

吉田:「そうだ」じゃないですよ(笑)。

眉村:それで、私、スカートだったから、パンツを下ろしてもバレないじゃないですか。それで、わぽさんに「本当に染みこませるよ」って言ったら、本気にしてないみたいで「すれば」って言われて。本当にしようとしたら「あぁ!あぁ! だめだめだめ!」って言われて、結局は実行に移されたら困るんじゃんって思った。

吉田:やるわけないと思って言ってるんですよ。でも、眉村さんはそこでやり兼ねない人なわけじゃないですか。

眉村:そうなの! それで、持ってた水を1滴だけ垂らしてみたんですよ、座席に。

吉田:どれくらい水が染み込むのか試して。

眉村:そうしたら、メッチャ弾く(笑)。だから我慢して、やめようって思って。バスの座席は水をはじくってことがわかった。

吉田:勉強になりましたね。

眉村:それで、昨日、横浜アリーナにライブを観に行く時に、行きの電車で堀越(勝也)さんと……。

吉田:堀越さんは、トイズファクトリーの担当の人ですね。

眉村:そう、堀越さんと新横浜で待ち合わせしてて、そのグループLINEで「新横浜に向かってまーす」みたいなやりとりしてて、「今、座席におしっこを染み込ませました」って書いたら信じちゃって、「あ、私って、本当にするって思われてるんだ」って思って。

吉田:思われてますよ! だからボクも前から「確実に売れるとは思うけど、確実に何かをしでかすとも思う」って言ってるわけで。

眉村:え、これで売れて、『Mステ』でうんちとかしちゃったら出禁ですか?

吉田:生放送中に?

眉村:うん。

吉田:とりあえず『Mステ』の椅子に染み込ませちゃだめですよ!

眉村:でも、バレるかバレないかわからないですよ? 他のVTRとか見てる時に、ワイプで「ハーッ(脱力)」ってやってたら面白いですよね(笑)。

吉田:眉村さんが怖いのは、テレビに出るときノーパンの確率が高いことなんですよ。

眉村:あぁ、はい。8割ノーパンです。でも他の忘れ物をしないからいいんですよ。私、忘れ物をするじゃないですか、必ず、絶対。でも、テレビのときは忘れ物をしないように気をつけてて収録には支障がないから、パンツくらい別にバレなければ大丈夫。

吉田:大丈夫じゃないです!

眉村:テレ東の楽屋って、窓、でっかいじゃないですか。

吉田:天王洲スタジオですね、川沿いの。

眉村:あそこで私、全裸で踊ったことあって(笑)。

吉田:外から見えますよ!

眉村:そう。全裸で踊ってて振り向いたら窓があった。ヤバいって(笑)。窓があるの忘れてた。

吉田:そういう人なんで、うんこを漏らしたとかどうでもいいわけですよね。

眉村:もう今更です。

吉田:「あれは言わないほうがいいよ」とか注意されます?

眉村:全然言われない。

吉田:「もう眉村さんだからしょうがない」っていう。

眉村:そう(笑)。私のファンの人、もう何を言われてもびっくりしないと思う。

吉田:銭湯の帰り道、ノーパンで路上でスカートめくって遊んでるわけからね(笑)。

眉村:そう(笑)。最近ライブでも自分でスカートめくってます。

吉田:「うわ!」っと思ったら、ちゃんと水着を着込んでたりとかで(笑)。

眉村:そうそう(笑)。スカートめくるとみんな笑うから、「楽しいってことでしょ」って思って。

吉田:太腿に告知書いたりして(笑)。

眉村:あの時は自画自賛しました。

吉田:難しい言葉覚をえましたね。

眉村:はい(笑)。最近は、「ロウナクナンニョ(老若男女)」っていう言葉が流行ってて。ミスチルのライブも、ロウナクナンニョがいっぱいいました。

吉田:老若男女(ロウニャクナンニョ)のことですね。

眉村:イェーイ!

アイドル戦国時代を抜け出したくて、会社を作った

眉村ちあき

吉田:次です。「22歳で、ご両親に『友人たちが大学卒業するまでに結果を出す』と言ったそうですが、現状は結果を出したと言っていいのでしょうか」と。

眉村:生活できてるから、いいと思います。

吉田:この活動で生活するのって、なかなか難しいわけじゃないですか。会社を作って人をこれだけ雇って、結構なお金が動くレベルにはなってるわけですよね。

眉村:そう。今年、社会人1年目の年なんです。ですけど、社会人1年目と同じくらいの給料が貰えていればいいって思ってたから。1年で会社の利益、2000万(※)です。

※事務所の方に聞いたら、実は売上で利益ではありませんでした。

吉田:純利益が?

眉村:そう。だから、「来年は1億を目指そう」って、わぽさんと言ってる。

吉田:相当なものですよね。あのぐらいの位置で活動しているアイドルの人としては。

眉村:はい。株が大きいですね。

吉田:1株1万円だから。

眉村:あ、カズレーザーさんが30株買った。先週、トイズファクトリーまで来てくれて、スッピンで封筒から30万円パーンと出して(笑)。

吉田:じゃあ、筆頭株主になったんですか?

眉村:オタクに33株くらい持ってる人いる。で、カズレーザーさん、「公園で遊ぶ」って言ってた。で、「代々木公園に誘ったら、来る?」って聞いたら、「行く」って言ってて、「イェイ、遊ぼう」って。今度、遊びます。そうしたら、昨日、安藤なつさんから電話来て、「うちの相方がお買い物させていただいて、ありがとう。私も買いたい」って言ってくれて。

吉田:カズレーザーさんと番組で共演しただけで、そこまでハマってくれたんですね。

眉村:カズレーザーさん、「この時代に、この年齢の女の子が株式会社をやって、あとは他に、これを利用してなんか面白いことできたらいいね」って、本気で真剣に考えてくれるんですよ。トイズファクトリーの会議室で、ずーっと考えてて、沈黙だったんです(笑)。優しいと思って。すごい面白がってくれます。

吉田:そして「そもそもなぜ会社を作ったのでしょうか」という質問です。

眉村:それは、面白そうだからっていうのが一番で。いっぱいアイドルがいるから、アイドル戦国時代みたいな、そこから抜け出したくて作りました。あと、基本的にモチベーションが全部、「ファンを膝から崩れ落ちさせたい」だから。

吉田:ビックリして膝から崩れ落ちさせるための行動だった、と。

眉村:そう。そのくらいの衝撃を与えることをしていきたいと思ってて、「会社を建てました」って言ったら、きっとみんな崩れ落ちるだろうなって。

吉田:社長ギミック的なことをやるアイドルは多いですけど、株をガチで売買する人はいなかったですからね。

眉村:うん。だから日経新聞にも取材されました、MJ。

吉田:問題は、経済的なことを眉村さんが何もわかってないことですよね(笑)。

眉村:そうなんですよ。それは結構ヤバいことだと思うけど、でも、別にわかる気もさらさらないし。あと、こっちにいっぱい大人がいるからポイってしてます。

吉田:大人に任せちゃうっていうことですね。

眉村:だから、私に経済のことを聞かれてもちょっとって感じ(笑)。

吉田:社長としては何やってるんですか?

眉村:株にスタンプ押して、株券にサインする。

吉田:以上?

眉村:以上(笑)。あとは、企画をポイって出してみんなにやってもらうとか、それくらいですよ。でも、お金の話になるとよくぶつかることがあって。例えば「Tシャツの値段はもうちょっと上げたほうがいい」って言われて、「嫌だ!もっと安くする!」「だから、赤字になるんだよ」ってなったり、ライブに凝り過ぎて、えんしゅちゅが。

吉田:演出ですね(笑)。

眉村:あははは。それに、お金かけすぎて、赤字になりかけたり、なったりするから気を付けようって思うけど。まぁ、気を付けないけど(笑)。やりたいことを私が言うだけ言って、その1から10にするのは、みんなにやってもらうっていう感じ。

吉田:基本あまり言うことは聞かないんですね。

眉村:はい。聞きません(笑)。

吉田:まぁ、周りが注意するのもわかるんですよ。どうやって利益を確保していくか。「ここの予算はなんとか抑えましょうよ」ってなりますよ、普通。

眉村:そう。しかも会社だし、今はトイズファクトリーとも契約したし、背負っている人の数が変わってきてるわけだから。その契約してる会社にもお金を納めないといけないとか……考えてない(笑)。

吉田:だって、たぶんビジネスで考えたら、公園でファンと遊ぶのとかも有料にしようみたいなアイデアが出てもおかしくないわけですよ、1人参加費1,000円とかで。

眉村:でも、それは……公園で遊ぶのはただのプライベートなんですよ。参加費を取ると仕事になるから、全員と公平に遊ばないといけないじゃないですか。でも、タダだからキャッチボールしたい人とするし、全員に構わないんですよ、私は。それは言ってるんです、公園で遊ぶときに「これ私、プライベートだから」「ファンサービスじゃないからね」って。

吉田:「私が遊びたいだけなんだ」と。

眉村:そう(笑)。サービス精神ゼロでやるから、バレーボール得意なんですけど、バレーボールの得意な人としかバレーボールしないし。

吉田:「それを見て、勝手に楽しんでくれ」でしかない。それが有料になると、気を遣わなきゃいけなくなるわけですね。

眉村:そう。ファンサービスもしちゃうんですけどね、結局。全員と喋っちゃう。

吉田:本当、「今から映画を観に行くから、一緒に行こ!」みたいなファンとのやり取りって異常じゃないですか(笑)。

眉村:そうそう(笑)。それ、誰もついて来てくれなくて、2日間連続で路上ライブやって、「明日は映画を観に行くから、夜8時に路上ライブを切り上げるから、一緒に行こうね」って約束したのに、誰もついて来なくて。

吉田:みんな気を遣っているんですよ。

眉村:そう。それで私、大号泣しちゃって、「昨日、一緒に行くって言ったじゃん!」って。

吉田:それで、かわいそうだから何人かで映画に行って(笑)。

眉村:そう。ブチ切れて、ブチ泣いてたら、「泣いてるよ」「しょうがねぇ。行ってやるか」って言われて、無理やり連れて行きました。それをわぽさんに言ったら、「それ、脅迫だよ」って言われた(笑)。

吉田:特殊な関係になってますよね、「ファンみんなと本気で結婚できないか考えた」とか。

眉村:そう。でも、だめでしたね、それは。1対1じゃなくても結婚できる国があったら国籍変えようと思ったけど。だから、どうしようと思って。

眉村ちあきの資産は、株で4500万!

眉村ちあき

吉田:話を戻します。ファンに株を売るアイデアはどこから来たんですか?

眉村:それは、わぽさんが「株券譲渡の値段決められるよ」みたいなことを教えてくれて、「じゃあ、物販で売ろう」ってなっただけです。株が売れるっていうか、譲渡できるっていうことを私は知らなかったから、わぽさんに教えてもらったって感じ。

吉田:「これで資金を稼げるぞ」と。

眉村:はい。それで株主限定ライブとかもやれるし、株券を持ってる人だけの何かとかもできるし。「ファンクラブっていっぱいいるから、じゃあ、株主っていうファンクラブにしよう」みたいな感じで。

吉田:ファンクラブの永久会員が会費1万円みたいな感覚なんですね。

眉村:そうしたらメッチャお得じゃん! みたいなので、それで作りました、売った。

吉田:株の勉強はしたんですか?

眉村:してない。

吉田:眉村さんは株をどれだけ保有してるんでしたっけ?

眉村:私は4,500株です。わぽさんが500株。その私のうちの1,000株を売ってるから、私は、最低でも3,500株は持ってます。

吉田:資金に困ったら、さらに売ったりするんですか。

眉村:えぇーっ? それは考えてないけど、大変になったら、売るかもしれない。

吉田:だって、単純に考えたら4500万円持ってることになるんですよね、資産として。

眉村:だけど、資金に困らない限り大丈夫です。

吉田:株主総会はどうでしたか?

眉村:遊んでるって感じ。でも、今度2月か3月にやるやつはちゃんとしたやつです。なんか決算から3カ月以内にやらなきゃいけないらしくて、決算が11月だから、決算って何か知らないけど、それはちゃんとした株主総会で。今までのやつは、一応臨時株主総会っていう感じでやってました。

吉田:ライブがあって、ちょっとした発表もする。

眉村:しないです。発表っていうか、なんか中身を全部暴露するって感じ。

吉田:まだ情報解禁じゃないことを暴露する会みたいな(笑)。

眉村:そう。でも、株主は聞く権利があるから、私は言いたいこと全部言うし、株主だから別に言っていいし。だから私は全部口軽くポロポロポロって言って。

吉田:眉村さん、どうしてこんなに口が軽いんですかね(笑)。

眉村:ねぇ。だって、喜ぶ顔が見たいじゃないですか。たとえば、新木場コースト(新木場STUDIO COAST)のワンマンが決まったってなった時も、早く言いたいじゃないですか。早く喜んでほしいから。

吉田:でも、その結果として情報解禁の時に反響が小さくなるわけですよ。

眉村:そう(笑)。だから、最近はファンの人に言うとき「情報解禁した時、びっくりしてね」って言うようにして。

吉田:「驚いた感じで拡散してくれ」と。

眉村:そう。でも、言ってないことあるんですよ、実はいっぱい。最近は守ってる。今度やることも内緒だから、まだオタク2人にしか言ってない。

吉田:言ってるんですよ!

眉村:言ってる(笑)。でも、「絶対に秘密は守って」って言ったから。

吉田:次いきます。「損益分岐点がわかるようになったそうですが、経営の意識とかもしてますか?」。

眉村:してないです。前に1人だった時はちょっと考えてたけど、今はスタッフがいるし、もっとやりたい放題やれるから難しいことは考えなくなりました。

吉田:でも、スタッフが経営のことを考えて「これ以上お金を使っちゃだめだ」って言っても、一切聞かないわけじゃないですか。

眉村:はい。だから、それ以外のところでスタッフは頭を使えばいい(笑)。私がやるべきことは曲を作ることと、過去最高のライブを更新することと、あとは元気でいることだから、私の仕事はそれって感じ。それで役割分担って感じです。信用してるからこそポイっとできるから。

吉田:ポイっとできる……?

眉村:仕事をポイって分けられて。

吉田:不安なのは、そういうふうに金銭面をすべて任せきると、いい人だったはずの運営がお金を着服して……みたいなトラブルが起きがちだったりするんですよ。

眉村:別にいいですよ。勝手にお金を引き出してたとかあったら、「あ、そうか」ってなるけど、それで信用は一気になくなるし、そこでたぶん私と仕事をするっていうのはもう終わるわけじゃないですか。でも、この先、私は絶対に売れるのに。「絶対ついて来たほうがよかったよ」って思うんです。

吉田:そっちのほうが楽しいし、ちゃんと稼げるし。

眉村:そう。もっとお金が欲しいんだったら、私にずっと絶対ついて来たほうがもっとお金も貰えるのに、もったいないなぁって思う。だから、「別にお金を取っててもいいけど、それがバレた時の代償はそれよりも大きいから、それを考えた上で取って」って感じ(笑)。「絶対に最高の景色を見せるのに」と思う。

売れても路上ライブはやめない

眉村ちあき

吉田:素晴らしい回答です! じゃあ、次。「新宿ロフトのワンマンで300人集めなきゃいけなくなったとき、当時ファンが5人くらいしかいなかったのに、なぜ『できる』『余裕です』と言ったんですか?」。

眉村:それは見えるから。『月刊ムー』でも言ったんですけど、見える。見えてる。

吉田:成功してる自分が見えて、そこに絶対的な自信がある人ですよね。

眉村:そうです。ロフトが埋まるのも当たり前だから、「当たり前ですよ」って感じでやりました。新木場も「当たり前ですよ」って感じ。

吉田:本当にやっかいなのは、その時点で新宿ロフトが何なのかもわかってなかったってことですよね(笑)。

眉村:本当にそう。ロフト行ったことないのに取って(笑)

吉田:本当、この基礎知識の無さが恐ろしいんですよ(笑)。

眉村:やるって決めたら、何も考えないっていうことが恐ろしいですね。

吉田:『ゴッドタン』から何から、基本全部わかってなかったですからね。

眉村:「ゴッドさんに出ます」って言ってました(笑)。

吉田:知らない世界で勝負することに不安はないわけですよね。

眉村:ないですね。なんにもない。だって、息を吸うのに「突然酸素がなくなったら、どうしよう」とか思わないじゃないですか。それくらいの感じ。

吉田:新宿ロフトのワンマンは結局、450人集客したのに特効(特殊効果)とかに予算を掛けすぎて赤字になったわけですけど。

眉村:アハハハ(笑)。

吉田:アハハじゃないですよ!

眉村:大阪サンホールのワンマンのほうがヤバくて、大阪のほうが動員が少ないんですよ。なのにロフトより特効やった(笑)。みんな頭抱えてます。別に、私は赤字になってもまったくいいと思うんですけど、そのビジネス担当の方々が頭を抱えてる。グループLINEで詳細とかが来るけど、全然見てない、私。既読してピッて切る。読んでもどうせわかんないんですよ。

吉田:会話の内容が難しすぎる?

眉村:そう。漢字も読めないし。

吉田:大変そうだなってことだけは伝わるけど、楽しくやれればいいや、と。

眉村:うん。でも、私が動員できなかったら迷惑かけちゃうので、チケットを売るためだけに大阪の路上ライブに行ったりするとか、行動は絶対やめたくないです。

吉田:ギターを抱えて路上を練り歩いたりとかの活動のは、売れてきたら止められたりするかもしれないけど、やり続けたいわけですね。

眉村:やりたいです。でも、路上ライブ以外にも積極的に自分で動けることはあるはずだから、やっていきます。

オーディションに落ちるのも、スリッパ飛ばしで負けるのも悔しい

眉村ちあきと吉田豪

吉田:次いきますね。「オーディションに落ちたりしてますけど、ああいう時はやっぱり悔しいんですか」。

眉村:はい、悔しいです。この前、テレビ局とラジオ局に行って挨拶して、サマソニ(SUMMER SONIC)担当の人にも会って、イナズマロックフェス担当にも会って、「私は去年落ちました」「だから、出たいんでよろしく」って言ってきました。

吉田:サマソニのオーディションのときに悔しい思いをしたのが、『ピッコロ虫』という曲での「アイドルをなめるな」的な歌詞につながったわけですよね。

眉村:そうです。まぁ、その時の審査員さんの気分がたまたまそうだったと思うんですけど、その瞬間は悔しいって思ったから。サマソニ担当の人を紹介されたとき、ヤベッって思った。絶対「ピッコロ虫」の話しないようにしようと(笑)。

吉田:TIF(TOKYO IDOL FESTIVAL 2018)もそうだし、意外とオーディションには落ちているんですよね。

眉村:はい。私は全然優勝したことがないです、何に関しても。中学生の頃、スピーチコンテストでは2位だった。

吉田:昔から運動能力は高い人じゃないですか。

眉村:マラソン大会は優勝してたけど、足も速いんですよ。私、50メートル7.2秒で。でも、7.1秒がいたりするんで、2位とかで。

吉田音楽で評価されて、ものすごい順調だと思われてるけど、意外と悔しい想いもしてるってことですよね。

眉村:全然満足できない。

吉田:ただ、その悔しさとか、すぐ忘れる人じゃないですか。TIFの時もガチ泣きして本気で悔しそうだったのに、ちょっと経ってから振り返ろうとしたら、すっかり忘れてて、もう気持ちは先に行ってるっていう(笑)。

眉村:確かに(笑)。なんか、「この曲、トラック作り直そうよ」とか言われても、「だったら、新曲を作ろうよ」みたいな感じで。たぶん、新しいことしかしたくないんです。

吉田:瞬間瞬間は本気じゃないですか。本気で悔しいとか、本気で楽しいとかなんだけど。

眉村:でも、その時はって感じ。

吉田:ボロボロ泣いたら、もうスッキリしちゃうタイプで。

眉村:はい。うまくできてる人ですね(笑)。幸せだなぁって思った。この間、名古屋の公園でブランコしてたら小学生に絡まれて、「スリッパ飛ばししようぜ」って言われて、「いいよ」って言って、勝負してビリになって、メッチャ悔しくて涙出た(笑)。

吉田:小学生にやられて(笑)。

眉村:「もう一回やろう」って言ったら、「ごめん、ママに呼ばれて帰らなきゃ」って「逃げるのかよ!」って(笑)。すごい悔しかった。

吉田:スリッパ飛ばし、うまそうじゃないですか。

眉村:私、オタクとスリッパ飛ばししたら優勝する時があるんですけど、でも、あいつらは、靴を使ってきたから重いんですよ。ずるい。それで負けて、何回も何回もリベンジしたけど「何回やっても無駄だよ」とか言われて、「いや、わかんないじゃん。練習すりゃあできるかもしれないよ」って言ったら、「絶対無理だよ。何歳?お前」って聞かれて、「9歳」って嘘ついたら、「俺、8歳。俺より年上なのに、できないの?」とか言われて(笑)。メッチャ悔しかった。「絶対に許さない」って思った(笑)。

吉田:常に感情もガチなんですよね。

眉村:そうなんです。そしたら、オタクは2人が喧嘩してるのを見てゲラゲラ笑ってて、「何笑ってるんだよ!」って思って、もう全員敵に見えた。

吉田:笑いますよ、それは。

眉村:それでもう悔しすぎて、涙が出ちゃった。……ハァー、思い出し怒りしてきちゃった(笑)。

吉田:見てて飽きないのはそういうところですよね。いい意味で小学生のハートが残ったままだから。

眉村:大変ですけどね、心が。

吉田:常に乱されて(笑)。

眉村:はい。ハァー。でも、うなちゃん(マネージャー)に「よく、眉村さん、そんな毎日泣いたり笑ったりして疲れませんね」って言われる。

吉田:誰でもそう思いますよ。

眉村:そうなんだ。だから、移動の時とかプックリ寝ちゃったり、急に寝ちゃったりするから、実は疲れているのかもしれないです。

吉田:全力で遊んで、全力で寝て。

眉村:はい。起きたら超元気になるんです。

顔の時代を終わらせるのは無理だったけど、まあいいや…

眉村ちあき

吉田:次いきます。「ミスiDに挑戦されたとき、審査員の大森靖子さんのコメントで『自分を信じる力が強すぎてすごい』とありましたが、実際そうなのですか?」。

眉村:あぁ。自分を信じるってよくわからないけど、たぶん「私には見える」みたいなことかなと思いました。「それは確かに」って思った。信じるっていうか、確定してるって思ってるから、それは強いって思います、自分でも。

吉田:それこそ、こういうアーティスト的な体質の人だったら、普通はもっと精神的に病んだり、不安になったりするじゃないですか。

眉村:かわいそうだなって思う。病んだりしてて。

吉田:ミスiDを受けた時も「みんな、悩んだりとかして暗いから、私が明るくしちゃおーっと」とか言ってましたよね。

眉村:そう。気にしちゃったりする性格じゃないから、気にしちゃう人をかわいそうって思っちゃう。「気にするなよ」みたいに言う人になりたいですね、歌で

吉田:眉村さんは、どんなに気にして「悔しいー!」とか思ったところで一瞬ですもんね。

眉村:確かに。一晩しかならない。それで終わり(笑)。対バンとかで、「あぁ、あの曲にはかなわない、悔しい」みたいなのがあったら、すぐパクって昇華して終わり

吉田:取り込めば終わりみたいな。

眉村:はい、パクったって感じ(笑)。

吉田:それで勝ちなんですか。

眉村:勝ちです。

吉田:ミスiDでグランプリを取れなかったのは悔しいですか?

眉村悔しいです。でも、今は別に平気です。今思い出しても、「へぇー」って感じ(笑)。

吉田「顔の時代を終わらせたい」とか言ってましたよね。

眉村:あぁ、結果発表の後に写真撮影みたいなのやったんですけど、あのプロレスのバット持った方いたじゃないですか(中野たむ)。その方と私以外の子だけ写真を撮ってて、なんかモデルみたいな子ばっかり写真を撮ってるなと思って。で、私と、そのプロレスの方は、2人で待ってた。

吉田:え? 2人も受賞者(※)なのに?

※眉村さんは賞を3つ受賞

眉村:うん。「私たちも選ばれたのに、なんで?」って思ったけど、まぁいいやって思った。顔の時代を終わらせるのは私には無理でした

吉田:基本すぐリセットできるのは生まれつきなんですか?

眉村:いや、全然。私、絵恋ちゃんとプロレスした時、1カ月くらい落ち込みました。

吉田:絵恋ちゃんというソロアイドルと、抗争みたいな感じになってましたよね。

眉村:あのときは「うまくできなくてごめんなさい」って気持ちがメッチャあって、もうご飯食べれなくなっちゃって、メッチャ落ち込んで、えれにすと(絵恋ちゃんファン)さんに叩かれて、「はぁ、ごめん」って思って。「もっとこうすればよかったかな」とか、何日も何日も落ち込んで。会社の人にも「ハァ、私、もうだめかもしれない……」「うまくできなかった……」みたいになって。

吉田:眉村さんは自由に動いている分にはいいんですけど、何か決めごとをやるのがすごい下手じゃないですか。

眉村:はい(笑)。だから、そのときも「絵恋ちゃんは鼻くそほじりながら片手でプロレスしてるけど、眉村はポロポロ泣いてて面白いね」って言われて、「確かに」「なんか大人の余裕が欲しいな」って思った。向いてないんだなって。そういうのはもうやるのやめようって、そこで決めた。

吉田:自由にやりたいんでしょうね、もっと。次いきます。「これまでの挫折経験を教えてください」。

眉村:挫折? 挫折? えぇ? 挫折ってなんだろう?

吉田:言葉がわからないですか。

眉村:挫折って、やろうとしたら、だめだったってことでしたっけ。えーっと、ヨガもうやってない。

吉田:通ってたヨガに行くのやめただけの話(笑)。もっと何か、心の傷を受けるくらいの出来事はないんですか?

眉村:えぇーっ? バレーボールをやめた時は、すっごい気にしました。やめたくなくて。

吉田:学生時代、バレーボールも本気でやってたんですね。

眉村:プロバレーボーラーになりたくて(笑)。それで、松蔭高校のバレーボール部に入ろうって思って、仮入部みたいなのしたんですよ。そうしたら、なんかみんなメッチャうまくて。私、中学では、右に出る者いないくらい強かったのに、もう私より強い人いっぱいいて、同い年なのに「すげぇー」って思って。初めての練習なのに。私は入学してから仮入部したんですよ。そうしたら、みんなはなんか中3から練習に来てたみたいで、それを知らなくて。

吉田:そしたら、みんなレベルも上がってるし、周りと馴染んでるし。

眉村:そう、馴染んでるし、先輩とも仲良くしてるし、練習のやり方とかも知ってるし、私だけ知らなくて、すごい置いて行かれた気持ちになって。で、髪が1人だけ長くて、入部したら切らなきゃいけないっていうルールがあったことも知らないし、そしたら「なんで長いの?」みたいな言われて。それで、なんか怖いし、「もうついて行けないかも」と思って、バレーボール部に入らないっていう決断した時に、メッチャなんか泣きながら生活してました、何日か、3日くらいだけど(笑)。

吉田:それは挫折ですよ、ちゃんと。

眉村:やったぁ!

吉田:「やったぁ」じゃないけど(笑)。

眉村:挫折の話があってよかったと思った(笑)。

吉田:それで、結局どうしたんですか?

眉村:それで、バイトしました。なんか部活、運動部やりたかったけど、私にはバレーボールしかなかったから。

吉田:高校時代が楽しくなかったっていうのは、それが理由なんですかね。

眉村:あぁ、そうかも。何も楽しくなかった。でも、バレーボールのクラブチームに入りました。それは趣味みたいな感じで、本気でやりたかったから悲しかったです。

吉田:次いきます。「どうしたら眉村さんみたいな行動力がつきますか」。

眉村:え、行動力? 「やろうっと」って思って、それやればいいと思います。空いてる時間があったら、やればいいと思う。

吉田:なかなかそれができないわけですよね。結局、眉村さんは「異常に行動力がある小学生」みたいな存在だと思うんですよ。

眉村:へぇ。でも、やりたいからやるって感じです。行動力があるって、そんなに自分では思ってない。

吉田:オタクに「明日遊ぼう」って言って、遊ぶのも行動力ですよ(笑)。

眉村:それは約束じゃないですか。「いいよ」ってなって、「じゃあ、明日ね」ってなって、明日遊ぶ約束をしてるから遊ぶんですよ。終わり。

吉田:「それができるアイドルが他にいますか」って話で(笑)。

眉村:でも、オタクと遊びたいって思ってるアイドル、いるのかわかんないけど。

吉田:「休日くらいオタクに会いたくない」と思ってるのかもしれないし。

眉村:そう、思ってないからだと思う。思ってたら、たぶんこうなる。だって、友達とは「明日遊ぼう」って言ったら、遊ぶじゃないですか。

吉田:それをオタクとやってるだけのこと。

眉村:そう。

吉田:新しいスタイルですよ。

眉村:でも、本当に、ただの友達って感じ。

吉田:じゃあ、もしマユムラーと呼ばれる常連のヲタの中に、いわゆるピンチケ的な若いイケメンヲタとかが入ってくるようになったら、何かが変わったりしないんですか。ガチ恋なイケメンヲタとかと古参ヲタの衝突みたいなことが起き始めたら。

眉村:えぇーっ? そうしたら「喧嘩はしないで」って言います。でも、そういう人が今は全然いないから。

吉田:いろんな現場でよくある光景なんですよ。売れかけると若いファンが入ってきて、そういう人たちが結構ルールを守らなくて、古参が注意して、ネット上とか会場とかでも喧嘩になったりとか。

眉村:大変ですね、それ。いまは、いい人しかいないから、でも、なんかファンとアイドルは「鏡」って言うじゃないですか。だから、私がちゃんとやってれば、そんな人は来ないって信じたいです。で、もし来たら、「やめてね」って言う、私は。それで守れなかったら、もう公園とかで遊べなくなっちゃう。「公園とかで遊べなくなっちゃうから、やめて」って言うと思います。

吉田:小学生ですね、注意が(笑)。次です。「つらい時、どうやって乗り越えてますか?」。

眉村:えぇっ? つらかったことは、バレーボールを諦めた時……。

吉田:さっき思い出したばっかりで、完全に忘れてたじゃないですか(笑)。

眉村:だから時が解決するって本当だなって思いました、そういうのって。

吉田:それだけ辛かったのに、忘れるくらいになってて。

眉村:「時ってすげぇっ」って思う。時のすごさを思い知りました。あと、失恋した時。「こんなに人は泣くんだ」って思うくらい泣いたけど、「時が経っても、絶対に私は、絶対にずっと悲しい」みたいにその時は思ってたけど、「ほんまや」ってなった。時が経ったら、ケロッとした。だから、時間に頼ったらいいと思う。

吉田:今はつらいだろうけど。

眉村:そう。つらいってことは、それくらい本気で、あなたは何かわからないけどやってたから、それはメッチャすごいと思う。

レディ・ガガとLINEを交換する!

眉村ちあきと吉田豪

吉田:次いきます。「仕事で成果が出なくて、落ち込んでる友達がいたとして、眉村さんなら、どうやって元気づけますか?」。

眉村:仕事で成果が出なくて落ち込んでる? えぇーっ? えぇと、連れションする(笑)。

吉田:どういうことですか(笑)。

眉村:連れションして、「秘密だよ」みたいに言って、遊んで、メッチャ最高にバカなことをして、「最高だぜ」ってやる。まったく関係ないことで楽しいことをして、ちょっとでもか忘れるような感じ。

吉田:発想がアイドルじゃないんですよ。近いのは、たぶん知らないと思いますけど、『グラップラー刃牙』というマンガを描いてる板垣恵介先生ですね。元自衛隊員の漫画家の人です。

眉村:へぇー。

吉田:「誰かと仲良くなる一番手っ取り早い方法があるんだよ。一緒に酒を飲んでみんなで歩いてるときに、突然ポロっとあそこを出して、そのまま話しながらションベンするんだよ」って言ってて。

眉村:えぇーっ?

吉田:発想がそれに近い(笑)。

眉村:確かにって思った、今。それやったら絶対面白いし、衝撃。

吉田:仕事の悩みどころじゃなくなるっていう(笑)。

眉村:そう、忘れちゃうと思うから、衝撃的なことをすると。

吉田:そう、発想が板垣恵介先生寄りなんです(笑)。

眉村:板垣恵介さん、知ってる。

吉田:絶対知らないですよね(笑)。

眉村:地図を作った人ですよね?

吉田:板垣退助と間違えてるんだろうけど、板垣退助も地図を作ってはいないですね。たぶん伊能忠敬です(笑)。じゃあ、最後に告知で「1月9日に発売される『ぎっしり歯ぐき』はどんなアルバムですか? 眉村さんのプロデュース力はそこに詰まっていますか?」。

眉村:本当は「黒歴史」っていうタイトルにしようと思ったけど、「色んなミュージシャンがその名前のアルバムを出してるよ」って言われてやめて、「ぎっしり歯ぐき」にして。だから、今までの過去の黒歴史が入ってる(笑)。

吉田:つまり、過去に作った曲をレコーディングし直したものになるわけですよね。

眉村:そうです。もう一番最初に作った曲も入っているんです。

吉田:アイドルグループ所属時代に、初めて1人で作った曲?

眉村:そう。それも入ってる。初めてあれ作って、いろんな人に褒められて、それで「私って、曲も作れる」って思いました。そういう曲をプロがミックス・マスタリングしてて、あたかも。

吉田:あたかも?

眉村:あたかもちゃんとしてます。

吉田:実際ちゃんとしてるわけですよね(笑)。

眉村:はい。しかも、トイズファクトリーが宣伝してるから、売れちゃうかもしれない。

吉田:どんどん成長してますからね。

眉村:レコーディング、1日15曲録って、2日で30曲録った。1曲10分くらいでやりました。

吉田:歌い慣れてる曲とはいえ、すごいですよ。

眉村:「あり得ない」って言われた、堀越さんに(笑)。でも、ずっとレコーディングスタジオで、走って、走って。「落ち着いて」って言われて、「録るよ」って言われて、「はーい」って言って、録って、終わったら走ってっていうのをずっとやって。

吉田:なんでそうやって無駄に体力を削ることするんですか?

眉村:テンションがあり余ってて、それで走り続けて、ソファーに座った瞬間に寝てました(笑)。

吉田:子どもだ(笑)。

眉村:それで「レコーディングが進まない」って言われた。

吉田:なんでこんなタイトルなんですか。

眉村:フンフンフンにしたくて。

吉田:基本、音で決めるんですよね。

眉村:そうです。で、「あ、『ぎっしり歯ぐき』にしよう」ってなりました。私は親知らずが生えて、最近。それで、育ててるんで、今。

吉田:親知らずを育てるって、どういうことですか。

眉村:育てて、人より歯が多いから、ぎっしりだなって思って。

吉田:最後に「今後の抱負を教えてください」。

眉村:えぇと、今年『Mステ』に出て、来年、さいたまスーパーアリーナに行って、それでグラミー賞を取る。あとビルボード1位になる。レディー・ガガとLINE交換する

吉田:目標は世界に向いてますよね。で、何気に英語の能力も高いという。

眉村:はい。読めるけど、意味はわかってないです。

吉田:発音がいいんですよね。たぶん耳がいいからだと思うんですけど。

眉村:世界しんしちゅ(進出)します。

吉田:でも、本当に夢が叶っちゃいそうな感じがあるのがすごいですよ。

眉村:うん。叶えちゃおうって思う。見えるから。

眉村ちあき(まゆむら・ちあき)

1996年生まれ。(株)会社じゃないもん代表取締役。弾き語りトラックメーカーアイドル。専門学校入学後、3人組アイドルグループStar-Bright★REXとして活動するも、のちに解散。2016年2月より、眉村ちあきとして活動。2018年トイズファクトリーと契約。その年のミスiDでは3つの賞を受賞。今年1月9日、初の全国流通アルバム『ぎっしり歯ぐき』をリリース。

HP:株式会社 会社じゃないもん

Twitter:@rexno_chi

取材・文/吉田豪(@WORLDJAPAN
撮影/ケニア・ドイ