「自分に自信が持てない」と悩む人は少なくありません。自信がないがゆえに結果が出ず、さらに自信をなくしていく…。

今回、Dybe!ではそんな負のスパイラルを断ち切る方法を聞いてきました。お話を伺ったのは「プロ合コンコーチ」というレアな肩書きを持つアモーレ石上さんです。

今では、「自信がなくて女性にアプローチできない」という男性たちにアドバイスすることをお仕事にしている石上さんですが、20代前半までは、仕事に対しても女性に対しても自信ゼロだったとか。そんな自分を変えようと思ったきっかけや、どのように自分を変えていったのか、その道のりを語っていただきました。

自信は、恋愛でも仕事でもスーパー大事

アモーレ石上
アモーレ石上(あもーれ・いしがみ)。合コンコーチ。ルックスに対するコンプレックスから自分に自信が持てない思春期を過ごすが、学生時代の大失恋をきっかけに自分を変えることを決意。これまで参加した合コンは2000回を超える。

──外資系証券会社でお仕事をされていたそうですが、あえて独立して合コンコーチという肩書きを選んだ理由は何でしょう?

アモーレ石上さん(以下、石上):僕、10代20代の頃は本当にモテなくて自分に自信がなかったんです。でも合コンを繰り返してたくさんの経験を積んだことで自信が持てるようになりました。だから、僕と同じように自信がない男性に少しでも自信を持ってもらうお手伝いをしたいと思い起業したんです。

──やはり、自信ってそんなに大切なんでしょうか?

石上:自信はスーパー大事です。女性の多くは自信がある男性に惹かれると思いますし、仕事でも自信がない人は「ちゃんと仕事をやってくれないのでは?」という不安感を持たれてしまいますよね?

──たしかに……。

石上:僕自身がまさにそうでした。モテなくて自信がなく、考え方がマイナス発想になってしまっていました。そもそも僕がモテないのはルックスのせいだと思っていたので、こんな顔に生んだ親が悪いとかって考えてしまって。

──つらいですね。

石上:仕事も似たような状況でした。「自分は仕事ができない」と思うと、「なんでこんな会社入っちゃったんだ」「もっと自分に向いた仕事があるんじゃないか」って考えてしまいます。そうすると、さらに仕事ができなくなって自信がどんどんなくなっていくんです。

──まさにマイナススパイラルですね。

石上:じゃあ自信をどうやってつければいいのかって話になるんですけど、僕は成功体験を積み重ねていくしかないと思っています。

バレンタインデーでチロルチョコが嫌いになった

──具体的にはどうすればいいのでしょうか。

石上:実は答えはとてもシンプルで「欲望を全開にすること」が必要なんです。

──欲望ですか? 自信とあまり関係ない気が……。

石上:いえ、それが大いに関係あるんです。僕で言えば元々ブサイクであることに悩み、女性からまったく相手にされない典型的な非モテ男子でした。容姿に恵まれず、鈍足で運動神経も悪かったので、小学生時代はバレンタインデーに本命チョコなどもらえるはずがなく、届くのは義理のチロルチョコばかり。おかげでチロルチョコが嫌いになりました。

──小学生時代は足の速さですべてが決まりますからね。

石上:中学時代にはすごく好きな女の子ができ、思い切ってラブレターを渡したのですが、数日後、手紙は無常にもそのまま突き返されました。

──それは傷つきますね。

石上:高校時代に初めて合コンをしたのですが、気になった子に「連絡先を教えて」と頼んだら、「お父さんの名前を教えるから勝手に電話帳で調べて」と言われました。

──ひどい! やっぱりその頃は、自分に自信が持てなかったんですか?

石上:当然、そうなりますよね。勉強にまで自信を失ってしまって、高校で1年、大学でも1年半留年した上に就活もうまくいきませんでした。その頃は「自分は社会に必要とされていない」とまで思ってました。

──そんな石上さんが変身を遂げるきっかけはなんだったのでしょう?

石上:大学時代の大きな失恋です。すごく好きな子がいて、夜中でも呼び出されれば車で家まで送ったり、彼女が風邪を引いた時にはご飯を作ってあげたり。一生懸命尽くしたんですが、裏で「石上くん、重いんだよね」と言われているのを知ってしまい、恋は終わりました。

──その話、聞いてるだけでつらいです……。

打席に立てば必ずヒットは生まれる

アモーレ石上

石上:その失恋を機に、「このままでは一生独身で終わる。そうなる前にやれることは何でもやろう」と決心したんです。

──一大決心ですね。

石上:それまでもモテたい気持ちは当然あって、大学も「よりモテる学校を」という基準で選んだくらいですが、そこからは完全に「モテるためにすべてを尽くす」という人生の指針みたいなものがはっきりしました。

──人生の指針! 具体的にはどんなことをしたのでしょうか。

石上:まずは「打席数」を上げることに注力しました。どんなに打率が低くても、ゼロでなければいつかはヒットが出ます。だからできる限り打席に立つ回数を増やそうと。

──打席数を上げるとは?

石上:合コンをしまくりました。就職してからは週2回をノルマとしていて、気づけば合コン回数は2000回を超えていました。

──2000回! よく飽きないですね……。

石上:同時に、僕は「打率」と言っているのですが、女性に振り向いてもらえる率を上げるために合コンが終わるたびにダメだった部分を振り返り改善していくことにも取り組みました。

──実際に効果は上がったのでしょうか。

石上:少しずつ成果が上がっていき、30歳過ぎからはかなり結果が出るようになってきました。38歳の時に自分にとっての最高の女性に出会い、猛烈アプローチの末に結婚することができました。「一生独身かも」と思っていた頃には想像もできなかったことです。

──すごい! おめでとうございます!

石上:今でも自分が人並み以上にモテるとは思っていませんが、たくさんの経験を積み重ねたことで自分に自信を持てるようにはなりました。

欲望こそが進むべき道を作る

アモーレ石上

──自分に自信が持てるようになったのは、何がポイントだったのでしょうか。

石上:それこそが最初にお話した「欲望」です。自信を高めるには、成功体験を積んでいくしかありません。それには、自分にとって何が一番大事なのか、つまりは自分の価値観をしっかりつかむことが重要なんです。

──もう少し詳しく説明してください。

石上:「自分が何を求めているのか、何を実現したいのか」がブレていると無駄なことに力を注いでしまいかねないし、頑張ろうとか工夫をしよういう気持ちも起こりにくいんです。僕にとっての欲望は「素敵な女性と付き合えるようになりたい!」ということだったので、そのためにさまざまな努力や工夫をすることができたんです。

──ゴールがはっきり見えていないと、そこに向かう道も定まらないということですね。

石上:自信がない人の多くは、自分が何を求めているのかが明確になっていないためになんとなく生きてしまってるように思います。そのため成果も上がらず、さらに自信がなくなるという悪循環に陥っているのではないでしょうか。

──自信を持ったことで考え方は変わりましたか?

石上「自分はこれさえあれば幸せ」というものが見えていて、それを手に入れられれば、他のものがダメでも「別にいいや」と思えます。加えて他のことに対しても、「自分はやればできるんだ」という自信を持って臨めるようになるというのが僕自身の実感です。

内野安打やポテンヒットが人生を変えていく

アモーレ石上

──成功体験の大切さは理解できても、失敗が怖くてチャレンジできないという人も多いと思います。

石上:いきなり大きな成果を出す必要はありません。最初から「モテモテになる」とか「女性と付き合う」ではなく、まずは「LINEを交換する」「5分間話す」を目標にする。とにかくタスクを小分けにするのがコツです。

──いきなりホームランを狙う必要はない、と。

石上:小さいことでも成功を味わうことで少し自信がつく、それによって成功率も上がっていくという好循環を生むイメージです。

──そういうサイクルをつかめたら強いと思います。

石上:失敗を乗り越えるには、信頼できる先輩や仲間の存在もすごく大きいです。辛い時に「わかるよ」「そういう時もあるよ」と励ましてくれる存在が大きな支えになってくれます。そういった同じ価値観を持つ仲間を得るためにも、やっぱり自分の価値観を見定めることが大切なんです。

──支えてくれる人の存在は大きいですよね。

石上:まずはトライしてみて、たとえ失敗しても何か改善できるとこはないか考え、再トライする。たとえそれが「いつもより一件多く営業に回る」といった小さなことであっても、達成すればそれが自信をつけるための大きな一歩になるはずです。

アモーレ石上(あもーれいしがみ)

1973年、埼玉県出身。慶應義塾大学卒業。複数の外資系証券会社を経て起業。容姿に対するコンプレックスからネガティブな気持ちで思春期を過ごすが、学生時代の大失恋を機に自分を変えることを決意。週2回をノルマに合コン生活を続け、参加した合コンは2000回超に。その経験を活かし、現在はプロ合コンコーチとして活動中。

Twitter:@f_ishigami

Facebook:アモーレ 石上

取材・文/田嶋章博(@tajimacho
撮影/工藤真衣子