15歳から芸能の仕事を始め、2017年の『バチェラージャパン』出演でブレイクしたゆきぽよさん。ギャル全開の見た目に切れ味抜群のコメント力で、今やバラエティ番組に引っ張りだこの彼女ですが、何より特筆すべきはそのコミュニケーション能力の高さではないでしょうか。

ギャルを通じて学んだことが今の仕事にも生きている、とゆきぽよさんは言います。円滑な人間関係を築くギャルなりの処世術とはどんなものなのか。お話を伺いました。

礼儀はきっちり! ギャルは体育会系

木村有希
木村有希(きむら・ゆき)。15歳で雑誌『egg』の読者モデルとしてデビュー後、2017年、恋愛リアリティ番組『バチェラー・ジャパン』(Amazonプライム・ビデオ)に出演して話題に。現在、バラエティを中心に活躍中。愛称は“ゆきぽよ”。

──バラエティ番組ですっかり大人気ですね。一昨年『バチェラージャパン』を見た時、ひとりだけギャル全開の女の子が登場したので驚いたんですよ。

木村有希さん(以下、ゆきぽよ):いつものまんまで出ました。みんなで暮らしたのって実質2カ月くらいなんですよね。その期間で自分を作るなんて無理。周りの友達も、テレビに出た私に驚くっていうより「え? いつものゆきだよね」っていう感じで。

──出演する時に気をつけたことはあるんですか?

ゆきぽよ:「ギャルの自分がいちばんかわいい!」と思ってたから、そのままで出ようと決めて、ギャルは絶対捨てなかった。

──見た目だけでなく、ゆきぽよさんのキャラクターが印象に残りました。ネットの反応なんかを見ていても、「ゆきぽよ、気が効く!」っていう意見がたくさんあったように思います。

ゆきぽよ:それは多分先輩にしごかれてきたからかも。ギャル、めっちゃ体育会系なんですよ。

ゆきは若かったんで、いつどこにいても下っ端だったんですよ。だから「目上の人がきたら椅子を空けなさい」とか、「帽子もマスクもサングラスもめがねも全部とりなさい」とか、そういうことを全部先輩が教えてくれたんです。結局芸能界にきても、ゆきはいちばん下なんですよ。バチェラーでも、出演者の中でゆきは最年少だったから。飲みに行くと誰かがお会計してくれるから、その間に靴を出しておくとか。めっちゃやる(笑)。

──厳しいんですね、ギャル業界。

ゆきぽよ:でも感謝してますね。たまに「器のちっちぇえ先輩だな」と思うこともあったけど(笑)、本当に勉強になりました。

「空気を読まない」のもコミュニケーションのひとつ

木村有希

──バチェラーでは、ゆきぽよさんはムードメーカー的なところがすごくありましたよね。

ゆきぽよ:ああしようと思ってやってたわけじゃないんです。本当にいつもどおりにしてただけで。多分、空気が読めるけど、空気が読めない部分もあるんですよ。盛り下がってるのとかわかんないから、「イェーイ!」みたいな感じでズケズケ行っちゃって。でも、そういう時って大体許してくれるんです。自分で言うのもあれですけど、憎まれないです、人に。多分ギャルだからこういう人間なんだろうなって思ってもらえてるんでしょうね。

──ギャルの強みが。

ゆきぽよ:ギャルっていいことばっかなんで。目立つし、普通の子がやってることをやっただけでもいい子に見られるし(笑)。

──それ、得ですね(笑)。

ゆきぽよ:ゆき、人見知りの人にも「ねえねえ」って行くんですよ。ああいう人って物静かで、どうしても人相悪く見えがちなんですけど、多分タイミングがわからないだけなんですよね。でもガツガツ行くとそのうち答えてくれるんです。内心きっと喜んでるんですよ、「話しかけてくれて助かるなあ」って。「マジで鬱陶しいな」って思う人って、実は少ないと思う。万が一嫌がられたら「ひねくれたやつだな!」ってゆきからプイッてしちゃうし(笑)。

──ゆきぽよさんは、人に対してわけ隔てがないんですね。裏表がないというか。

ゆきぽよ:裏の作り方も表の作り方もわからないんですよね。もともと顔に出やすいタイプなんですけど、イライラのツボ自体そんなになくて。朝起こされることだけがイライラポイント(笑)。よく女の子たちが集まると「あいつぶりっこじゃね?」とかいうけど、ゆき、そのぶりっこに気づかないんで。悪いとこを見つけるのが苦手なのかもしれない。

──人間関係を円滑にするために、意識していることはありますか?

ゆきぽよ:頭で考えてるわけじゃないけど、人とあんまり深くならないかな。仲良くなりすぎると悪いところまで見えちゃうじゃないですか。だから浅く広く。高校の友達も全然連絡しないけど、でも仲が悪いわけじゃないんですよ。夏のBBQとか大勢でワーッと集まるし。

──それはゆきぽよさんなりの処世術なんですかね。

ゆきぽよ:う~ん、あんまり人に対して干渉しても意味がないと思うんですよね。そのままを受け入れるというか。

ゆきぽよ流お悩み解決方法

木村有希

──誰かに悩みを相談したりすることは?

ゆきぽよ:基本的に親にしか相談しないかも。彼氏と別れそうになるとお父さんに相談するんですけど、「なるようにしかならないから」って感じで、変にゆきに肩入れしないんです。お母さんも、ゆきより男側の目線で答えてくれる。「男の子はそういうものなんだから、ゆきがなんとかしなさい」って。ふたりとも冷静で、すごく信頼してます。付き合う前に必ず会わせるんですけど、ゆきが選んだ彼氏のことを絶対けなさない。

──反対されることもなく。

ゆきぽよ:ないですね。……あ、一回だけ、詐欺容疑で捕まっちゃった子のことは、もうやめなさいって。

──それはそう言いますよね……。

ゆきぽよ:あとは生まれた病院も同じっていう幼なじみにも相談するかな。男の子なんですけど、普通にハグもする兄妹以上の仲。その子に彼女ができたら、ヤキモチ焼かれないようにゆきから出向いて「こいついなくなるとゆき死んじゃうから、そういう関係じゃないけど許して!」って言う(笑)。

──反対に、ゆきぽよさんが悩み相談をされることもあるんですか?

ゆきぽよ:ありますよ。そのへんギャルなんで、適当に励ましますね。「なんとかなるから大丈夫っしょ」って感じ。そうやってギャルのマインドに巻き込んじゃう。

──巻き込む力もすごそうですね。

ゆきぽよ:昔、不登校の子をギャルに変えましたからね。おかっぱ頭のメガネの子だったんですけど、マジかわいくない! と勝手に思って(笑)。ある時学校に来てたから「なんで来たの?」って聞いて、「来たい気分だったから」「ウケる!」で一緒に遊びに行くようになって。仲良くなってギャルに変えちゃった。

──すごい!

ゆきぽよ:カラコンあげたり、痩せなよ! って言ったりしてたら別人に。そしたら先生に「お前いじめてんのか」って呼び出されて、「いやいやいや、遊んでるの!」って(笑)。でもその子ガチのギャルになって、そのあと悪い子たちとつるむようになっちゃって……。ゆきの元から羽ばたいていった(笑)。

──(笑)。中には気が弱くてなかなか自分から声が出せなかったり、人見知りで気後れしてしまったり、という人もいると思うんです。そういう人にはなんてアドバイスします?

ゆきぽよ:多分人見知りの人って、周りの目を気にしてるんだと思うんですよね。お父さんが前に教えてくれたんです、「自分がやってることって、たいして人は見てないよ」って。

──お父さん、いいこと言う!

ゆきぽよ:幼稚園の頃ゆきは(遺伝で)金髪で、浮いてるんじゃないかなと思ってちょっと気にしてたんです。それをお父さんに言ったら、「ゆきは他のお友達が金髪だったら笑う?」って。確かに「あ、笑わないや」と思った。思うほど人は他人のことを気にしてないんですよ。駅のホームで転んでも、その瞬間はワッてなるけど、2~3分後にはその人の脳内から消えてるわけだから。全然大丈夫。

悪口とか陰口って負けを認めてるってこと

木村有希

──こう聞くとすごく順調に人間関係を築いてきている気がしますけど、つまづいたことは全然ないんですか?

ゆきぽよ:う~ん、多分気づいてないだけだと思う(笑)。ゆきすごく悪口言われるタイプらしいんですけど、気づかないんですよ。ある時、友達に「まじお前なんでそんな悪口いわれるの?」っていわれて「えっ!」みたいな。全然気づいてないの。

──悪口言われても気にしない?

ゆきぽよ:うん。ひがみっしょ、って思っちゃう。だってくだらないもん。悪口とか陰口とかって、つまり負けを認めてるってことじゃん。ゆきのほうが全然上だし、ダサい。ゆきは気になることがあったら直接その子に言うから。

──ギャルは落ち込まないんですね。

ゆきぽよ:落ち込んだら全員落ち込んじゃいますもん(笑)。連鎖するの。でもギャルだから、「彼氏と別れたしんどーい」とか言ってても、「そこに男いんじゃん平気っしょ」「たしかに!」って感じで終わる。「ギャルでしょ?」でパッと切り替えられるんですよ。

──なんかギャルの思想って強いですね。

ゆきぽよ:適当で、能天気で、さっぱりしてるところが大好き。清楚な女の子ほど実はドロドロしてて、誰かいなかったらグチグチ言い出すけど、ギャルにはそういうのがない。「そういうの好きじゃないんだけど」ってパッと言うから。

──海外のコミュニケーションと似てるのかもしれないですね。

ゆきぽよ:そうかも。だから一緒にいて楽。

好きなことを仕事にするために努力する。

木村有希

──いろんな番組にも引っ張りだこのゆきぽよさんですけど、ゆきぽよさんにとってお仕事ってどんなものですか?

ゆきぽよ:ゆきは好きなことしかできないんです。体育の授業が苦手過ぎて留年したくらい(笑)。でも芸能界に憧れて、15歳でこの仕事をはじめてからは、苦痛って思ったことは一度もないんです。芸能の仕事って花咲くことが少ないと思うんですよ。でもやり続けることが絶対大事で。だから仕事は選ばなかったし、中には全然お金にならないような仕事もあったけど、行きました。そして、求められたことを100%返す。そうしないと次にまた呼んでもらえないから。

──それは誰かに言われてそうしてきたんですか? 自分で考えて?

ゆきぽよ:やりながら自然にだと思います。でもこうやって「好きなことを仕事にしてます」っていうと、若いから何もわかってない甘ちゃん、って言われることもあるけど、それは大人のひがみじゃないかなと思うんです。ゆきは頑張ってきたから今がある。それは自信を持って言えること。

──仕事をする上で気をつけていることはありますか?

ゆきぽよ:う~ん、仕事に関わらず、挨拶かな。挨拶しないでどうやって会話すんの? って思っちゃう。挨拶で始まるのがいちばんきれいに会話できる入り方だと思うんです。挨拶されて喜ばない人はいないし。ギャルは礼儀に厳しいんです(笑)。

──これからもギャルのままで行くんですよね。

ゆきぽよ:もちろん! おばあちゃんになってもギャルはギャルです。うちのお母さん、ギャルかっていったらよくわからないんですけど、ピンクヘアの角刈りなんですよ。その人らしさって年齢じゃないんですよね。だからゆきもずっとギャルでいきます。世界でギャルがいちばんかわいいから。

木村有希

木村有希(きむら・ゆき)

1996年生まれ、神奈川県出身。愛称“ゆきぽよ”。2012年、15歳で雑誌『egg』の読者モデルに。動画配信サービス「Vine」でカリスマ的人気を博し、2017年恋愛リアリティ番組『バチェラー・ジャパン』(Amazonプライム・ビデオ)にギャル全開で出演。幅広い年齢層の注目を集め、現在は『サンデー・ジャポン』(TBS)『深イイ話』(日本テレビ)など、バラエティを中心に幅広く活動中。

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取材・文/飯田ネオ
写真/シオヤミク