毎日2分30日で腹筋を割るトレーニング動画が話題となり、2019年のYouTube国内トップトレンド動画ランキング8位にも選ばれたのがさん。筋トレに限らず、ストレッチや早起きなど、さまざまな習慣化に取り組まれています。

今回は物事を無理なく継続・習慣化させるコツをのがさんにお伺いしました。「三日坊主でも大丈夫」と言う、のがさんが教えてくれた誰にでもすぐできる「継続」のコツとは?

「習慣化」と「目標達成」に必要なものは違う

のが。1994年生まれ。フリーランスデザイナー/ライフスタイル系YouTuber。『のがちゃんねる』ではチャレンジ動画やワークアウト動画を中心に発信し、わずか1年でチャンネル登録者数は35万人を突破。

──筋トレや勉強など、何か新しいことを始めても途中で挫折してしまう人は多いと思います。今日はのがさんに継続のコツを聞きにきました。

のがさん(以下、のが):そもそも継続って、短期集中型と長期型との2通りあると思うんです。短期集中型は、ある目標を達成するために期間を区切って取り組むもの、長期型は一生続くような習慣を身に付けるものです。

──「1カ月間毎日筋トレして2キロ痩せる!」みたいなものが短期集中型ですね。

のが:そうです。1カ月と期限を決めると、ハードな内容でも意外と我慢して頑張れちゃうんですよね。でも、無理して続けたものって期限が終わったらやらなくなってしまう。長期的に習慣化させるためには、細く長く「続けること」自体を目標にしなければなりません。

──なるほど……。のがさんは、もともと継続することが得意だったんでしょうか?

のが:得意なわけではなかったです。ただ、習慣化できたら強いと思うことは多かったので、いろいろ挑戦はしていました。仕事だけでなく、本を毎日読むとか、ダイエットのためにジムに通うといったことも。でも、最初はなかなか続けられず、失敗したことはたくさんありますね。

のがさんは、もともと継続することが得意ではなかったそう。どうやって習慣化のコツを身につけたのでしょうか。

ゴールと計画はあくまでも目安だと考える

──失敗していた原因は何だと思いますか?

のが:計画を立てすぎていたことですね。完璧を目指して頑張りすぎていました。目安として、計画や目標を立てるのはいいと思います。ただ、ストイックで完璧すぎる計画だと、1回崩れた時にやる気がなくなってしまうんです。

──たしかに、完璧を目指してしまうと続けることが苦しくなりますね。

のが:実際にやってみると想定と違ったということは必ず出てくるので、当初の計画通りにいかないことは多いですよね。だから計画にはバッファが必要だし、途中で計画を立て直しながら進めていかないとダメ。もともと計画を立てることが好きで、時間をかけて綿密に計画を立てていたんですけど、それだけで満足しちゃって続かないということもありました。

──今はどのように計画を立てていますか?

のが:ゴールと計画は、あくまで目安として考えてます。ゴールを達成することよりも「続けること」を重視してるんです。たとえば1カ月で3キロ痩せるというゴールを決めても、途中で無理だと思えば変えますし、痩せることではなく「毎日腹筋する」など行動そのものを目標にします。

──結果よりも、続けることを最優先にするんですね。

のが:もちろん、仕事などで時には短期間で結果を出さなければならない場合もあると思います。なので短期と長期の思考を使い分けられるのがベストです。

ゴールに到達することではなく、「続けること」自体を目標にしないと習慣化はできないと、のがさんは考えている。

継続のコツ(1):やるべきことは極限まで小さくする

──具体的な継続のコツがあれば教えていただきたいです。

のが:継続のコツは「小さくする」「タイミングを決める」「経過報告する」の3つです。ひとつめは「1日1回でもいいから腹筋をやる!」みたいに極限までやることを小さくして、ハードルを下げることですね。

──たしかにハードルは下がると思いますが、1日1回の腹筋だと効果があるのかなと思ってしまいそうです……。

のが:人が変化に抵抗する力って、ものすごく強いので、新しいことを始めて継続するのってかなり難しいんです。大きく習慣を変えてしまうと、反動ですぐに戻ってしまいがち。だからまずは極限までハードルを下げて継続させることが1番の目標。小さくても習慣化させることは、遠回りなようで実はすごく近道なんです。

──なるほど。まずは1回でもいいから続けてみればいいんですね。

のが:「1日1回でいい」というのは1回を目標にするのではなくて、「目標は20回だけど、そのうちの1回でもやればOK」というルールを作るイメージです。1回できてしまえば、意外に5回10回と続けてできちゃうので、動き出すきっかけを作るためにハードルを低くするんです。

──それなら本当に1回だけやって終わりになることはなさそうです。

結果が出るかどうかよりも、ハードルを下げて継続することが大事と語るのがさん。

継続のコツ(2):やるタイミングを決めておく

──2つめのコツはタイミングを決めることですね。

のが:やろうと思っていたのにできなかった、となることを防ぐために、タイミングを決めておくのは有効です。毎日必ずやっていることに紐付けるといいですね。たとえば歯磨きの前にやると決めたら、洗面所に付箋で「○○する」って貼っておくと忘れなくなりますよ。

──生活習慣の中に取り入れるのは良さそうですね。のがさんが今実際にやっていることはありますか?

のが:朝にバターコーヒーを飲むこと、ノートを書くこと、お風呂前の筋トレ、お風呂後のストレッチですね。12月から寝る前に日記も書き始めました。

継続のコツ(3):周りの人に宣言して経過報告する

──3つめのコツは経過報告することですが、のがさんのようにSNSやYouTubeで宣言したり、経過報告するのは抵抗がある人もいるのではないかと思います。

のが:SNSである必要はありません。「今日から○○します」と言ってしまうとやらざるを得なくなりますよね。人に宣言すること自体に効果があるので、方法は何でもOKなんです。ただ、宣言する相手は大事で、仲の良い友達や家族を選ぶのはおすすめしません。

「○○を続ける」と宣言する相手に仲の良い友達や家族を選ばないほうがいい理由とは?

──なぜでしょう?

のが:仲が良い相手だと、許されてしまうのでサボってしまいがちになるんです。少なくとも私はうまくいきませんでした。適度に緊張感のある人だといいですね。たとえば会社の中で同じ目標を持った人や、目標は違っても何かを継続したい人とグループで報告し合うのもいいと思います。

──何人かで集まると、自分だけサボれないですもんね。

のが:もしサボってしまっても、次の日に繰り越さないことが大事です。たとえば、「昨日は腹筋10回をサボってしまったから、今日20回やろう」というのはNGです。1日ならまだ取り戻せるかもしれませんが、2日3日と積み重なってしまったらもうやらなくなってしまいます。サボっても自分を責めず、次の日は気持ちを切り替えて、また始めればいいんです。

──たしかに、サボった分を取り戻すのは無理です。つらすぎます。

のが:たとえ三日坊主でもいいんです。5日間サボったとしても、そこで止めてしまうより、次の日に1日だけでもやったほうがいいですよね。目標や計画は物事をうまく進めるために立てるものなのに、そこに苦しめられている人がいます。続かなかったことは忘れて、楽しい気持ちでまた始めることが大事です。

「続ける」モチベーションの保ち方

──ダイエットや筋トレのように効果が見えるものはいいですが、効果が見えにくいことを続ける場合、どのようにモチベーションを保っていますか?

のが:私はビタミンのサプリメントを飲んでいるんですが、たとえば抗酸化作用があるビタミンEは老いを防ぐ効果があると言われていても、効果が見えにくいんです。もう「目に見えないだけで効果はある」と思い込むしかないですね。

「お風呂って面倒だけど、入って後悔することはないですよね?」とのがさん。

──毎日飲んでいるから今の状態なのか、飲まなかったらどんな状態なのか比較ができないですからね。

のが:ジムに行くことやお風呂に入ることって、面倒だと思うけど、やって後悔することはないと思うんです。同じように、やって後悔しないことは「絶対に今やったほうがいいこと」だと思って、モチベーションを保っています。

──のがさんもやる気が出ない時はありますか?

のが:全然あります。そんな時こそ、「1回やればOK」と考えて気持ちを切り替えていますね。

──やるべきことがあるのにスマホをさわってしまう、ダイエットしているのにお菓子を食べてしまうなど、誘惑に勝つにはどうすればいいでしょうか?

のが:誘惑に勝つには、できるだけ対象物を置き換えるか、遠ざけること。私は誘惑に弱いタイプなので、以前は集中すべき時にスマホをいじってしまってたんです。今は、アプリを使って強制的にスマホをさわれない時間を作っています。設定した時間内は、スマホが操作できなくなるので良い方法だと思いますね。

アプリを使った「スマホ断ち」の方法を教えてくれたのがさん。

──お菓子の誘惑とはどう戦ってますか?

のが:私は甘いものが大好きで、チョコがないとわざわざ買いに行くほどです。でも冷蔵庫にヘルシーなものがあれば、それを食べて満足することができるので、我慢するのではなく他のものに置き換えるのがおすすめ。あとは「今じゃなくてもいいかも」と思ってみる。

──時間を置くことで欲が落ち着くのでしょうか?

のが:そうですね、1回遠ざけてみると意外と我慢できるんです。特に衝動的な欲求を抑えたい時に効果的ですね。

──最後に、何かを始めたいけれどやりたいことがない人にアドバイスをお願いします。

のが:無責任に手を出してみるのは大事です。みんな新しいことを始めるのにすごくハードルを高く感じてしまいがちですが、大体のことはお金をかけずに空いた時間で始められるんですよね。

たとえば楽器だったら、初心者が簡単な曲を演奏できるようになるまで20時間あれば十分と言われてます。今はたくさんの情報があるし、レンタルサービスも充実しています。ちょっとしたスキマ時間に、小さく色々なことに手を出してみるといいと思います。

のが

1994年生まれ。フリーランスデザイナー/ライフスタイル系YouTuber。『のがちゃんねる』ではチャレンジ動画やワークアウト動画を中心にタメになる動画を発信しており、現在登録者数は36万人を超える(2020年2月時点)。一番人気の動画『【毎日2分】30日で腹筋を割るトレーニング』は総再生回数が1000万回を超える。全米ヨガアライアンスRYT200取得。趣味は読書、イラスト、ヨガ。

Twitter:@nogachannel

YouTube:のがちゃんねる/nogachannel

取材・文/伊藤美咲(@misaki2018jp
撮影/飯本貴子(@tako_i