在宅勤務で生じるさまざまな悩み

「ソーシャルディスタンス!」を出会い頭の挨拶にしたほうがいいんじゃないか? と思うくらい、新型コロナウイルスの感染拡大が予断を許さない日々が続いていますね。緊急事態宣言以降、在宅での勤務に切り替えることになった方も、だいぶ多いのではないかと思います。

感染防止にはとてもメリットがある在宅勤務ですが、やっぱりめちゃくちゃストレスがたまる! ましてや自分だけでなく、家族も家にいる状況となるとなおさらです。私も会社も周囲の友達の会社もIT企業が多く、みんなPC環境はととのっていて、かなりスムーズに在宅勤務に移行できているはずなのですが、期間が長くなるにつれ、さまざまな「けっこうしんどい」の声が聞くようになりました。

「保育園がお休みなので子どもの世話をしながら働いているけれど、仕事の効率が3割くらいになっている……」(友人A)

「共働きなんだけど、お互いの声が聞こえないようにビデオ会議をできるようなゆとりが家にない」(友人B)

「出勤・退勤の時間を考えなくていいから、メリハリがつかなくて区切りがわからず、自宅で残業しすぎてしまう」(友人C)

などなど。家族構成や居住形態によって、悩みも多種多様です。

普段なら考えられない「仕事上のすれ違い」も発生    

どうにか乗り切っていくしかないですが、「同僚と対面で仕事ができない」という状況に、在宅勤務ならではのストレスも付加されて、普段なら起きないような仕事上のすれ違いが発生してしまうのは事実。パッと思いつくものをあげてみます。

テキストコミュニケーションの苦労

  • オフィスだったら「あれ」や「これ」で伝わったことを、長々と説明しないといけない
  • 相手の意見に同意しつつポジティブに追加提案をしたつもりが、粗を探した「論破」にとられてしまう
  • 口で言われていたらそんなに険を感じない物言いがSlackのテキストだと必要以上に強く受け取られてしまう

ビデオ会議コミュニケーションの苦労

  • 手をあげたり何か言いたそうにしたりという動作があまり目立たないため、会議中ちょっとした意見を挟むのがリアル会議より難しい
  • みんなに聞こえるように意見を言おうとすると、声を張らないとならず疲れるのと、場合によっては「上から目線」に聞こえてしまう
  • 気を抜いて表情を作るのに集中していないと、機嫌悪そうに見える

もちろん職場で一緒に働いている時にも、いろんなすれ違いが起きていたでしょう。しかし、細かな解決方法がありました。後から立ち話をして理解を深めたり、相手の顔色を見て「大丈夫そうだな」と自己解決したり、雑談や飲み会で話す機会があった時に「あれそういうつもりじゃなかったんですよ〜」と明るく弁解したり……。

在宅勤務だと、すれ違いのリカバリーも大変。SlackやLINEでテキストコミュニケーションをするか、オンラインビデオ会議で話すかといった二択になってしまいます。結局こちらの感情のニュアンスが伝わりづらいし、口頭と比べて「指摘が重い感じ」がしてしまいそうな懸念もあります。

オンラインコミュニケーションを円滑にするコツ    

こうした悩みは、この自粛生活が続くと、別々に暮らす友人や恋人との関係にも当てはまってくるかもしれません。リアルな身体を通じてのコミュニケーション手段が制限されているからこそ、これまで以上にコミュニケーションに気を使わなければならない時代がやってきつつあります。

と、なんだか識者っぽく書いてしまいましたが、この私・ひらりさはDybe!で再三「人の話をしっかり聞けなくて失敗してきた」という記事をしたためてきた女。会社員と兼業ライターをやる中で、相当マシになってはきましたが、引き続き「人の話を聞くのが苦手」な性質は持ち合わせているので、在宅勤務で超困っている一人です。ディスコミュニケーションが一層起きやすくなっている今日この頃、とっても神経を尖らせながら勤務しています。

それでも、1カ月ほど在宅勤務をしてみて「こう心がけると、在宅でのオンランコミュニケーションがちょっと円滑になるかも!」という気づきもありました。どれもささやかな方法ですが、こういう感じです。

ベタだけど「絵文字」は効く

元からSlackでのコミュニケーションが多い我が社。みんなそれなりにテキストコミュニケーションリテラシーがあり、やわらかなテキストの交換には慣れています。しかし「コミュニケーションがほぼオールSlack」となると、やはり齟齬も出てきます。

そんな中、地味に大事だなと思ったのが「絵文字・スタンプをこまめにつける」。お願いごとをするときは「手を合わせている」マークを最後につけたり、誰かに何かしてもらったときはちゃんと「Thank You」マークを押したり。

顔の表情が見えないぶん、絵文字・スタンプでのニュアンス付加が、これまでの数倍効いてくるなあと実感しています。単純だけど超大事!

DMは極力使わず、「オープンに」を心がける

Slackで仕事をしていると、必ず発生するのが「DMで仕事のやりとりをしようとする人」。うちの会社では在宅勤務以前から「極力パブリックチャンネルで仕事のやりとりをしましょう」と奨励されています。

クローズドなやりとりが多いと「誰が何のボールを持っているか」が不透明になり仕事量も見えなくなってくるのと、「言った」「言ってない」の争いが起きることもあるからです。また、あとで「あの話どうなってるかな」を調べたい人が情報を検索できるという利点もあります。

もちろん内密にしておきたいやりとりもあるでしょうが、できるだけ「オープンに」と念頭においておくと、結果的にちょうどよいバランスでSlackを活用できるなあという印象です。とくに、今は在宅でお互いの顔や考えていることが、今まで以上に見えにくいタイミング。「チームで仕事をしている雰囲気」を大事にするうえでも、オープンなコミュニケーションを心がけるのが大事だなと思っています。

オンライン会議で「雑談」の時間を作る

さて、在宅勤務でのオンライン会議をこなすなかで、前に比べてかなり減ったなと思っていたのが「雑談」。会議室に移動するときや、会議が終わったあとの立ち上がりかけの雑談、そして近くの席どうしでの何気ない会話など、オフィスにいるときはさまざまな「ちょっとした会話」の機会があり、それが仕事の潤滑剤になったり、気分転換になったり、忘れていた案件のフォローになったりと、地味に重要な役割を果たしていたのだなあと、この生活になってから実感しています。

なんとか雑談をするにはどうしたらいいだろうと会社で相談し、一案としてやってみたのが、「昼時にZoomで、誰でもチームメンバーが出入り自由の部屋を立ち上げておく」こと。12:00〜15:00くらいに少し幅を持ってZoomで雑談用のミーティングを設定しておき、つなぎながらそれぞれの作業をすることにしたのです。

別ミーティングの予定が入っている人も多く、また昼休みをとる時間もバラバラなので、全員が集まるタイミングはなかったのですが、2人や3人といった単位で接続しているときに「ご飯どうしてる?」や「今朝話したあれ、大変そうだよね〜」といった会話が発生し、「すごい、私たち雑談できてる……!」と感動しました。

オフィスでの雑談に比べ、画面の先との雑談・手元の仕事のバランスをとるのがやや難易度が高いのですが、回を重ねたらもっとスムーズにできるかな〜と感じています。

「伝わらない前提」でコミュニケーションをとる

いずれにしても、「ストレスがあるのはお互いさまだととらえる」「うまく伝わらない前提でコミュニケーションする」といったスタンスでいるのがとても大切。

そして、この生活がどれだけ続くかわからない状態ですから、何よりも「目先の仕事の効率を上げる」より「この状態で長く働いていく上での精神衛生」を優先していくべきだなとも思っています。

逆に言えば、在宅勤務に関しては初心者の人が多いわけですから、これを機に自分の働き方を見直すこともできますし、ワークライフバランスを取るのがうまい人へと進化するチャンスにもできるかもしれません。

「小ネタすぎない? もっと劇的な方法ないの?」と思った方もいるかもしれません。今のところ「在宅勤務がオフィスと同じ快適さになる方法」はないと思います。すまん。しかし本当に、細かいテクニックの積み重ねで、在宅勤務のパフォーマンスは全然変わるなあと感じています。

在宅勤務のストレスをどう減らす?

最後に……在宅勤務が続く中で実感しているのが「気分転換をおこたらない」ことを大切さ。中でも、こまめに運動してリラックスするのがとても大事だなあと実感しています。

私も衝撃だったのですが、在宅勤務にすると、想像以上に体を動かさない! iPhoneのヘルスケア機能で調べたところ、オフィスに通勤している日は、外出の案件がない日ですら1日5000歩くらいは歩いていたのに、完全に家にいると、数百歩という事態に。

通勤時の徒歩だけでなく、オフィスの中でも、トイレに行ったり、ランチを取りに行ったり、会議室に移動したりと、無意識にこまめな運動が発生していたですが、ワンルームの家だと会議はずっと同じデスクだし、トイレも昼食も十数歩で確保できてしまうし、ほんと〜に運動する余地がないのです。

移動の無駄がないぶん、仕事時間の密度が上がる面もありますが、根を詰め過ぎてしまい、同じ労働時間でもストレスがたまりやすくなるのも明らか。

在宅では意識的に体を動かさないと心も体もやばい! と思い、「1時間に1回は立ち上がる」「昼休みは1時間ほど散歩に行く」「毎日15分、同僚とZoomをつないでみんなでエクササイズする」といったルールを決めています。おかげさまで4月前半は壊滅していた1日の歩数も平均8000〜9000歩まで回復してました。

実際、昼頃の散歩をするようになってからのほうが、午後の労働へのモチベーションもアップした気がします。腰の調子も今のところおだやか。

いくつかのルートを散策してみましたが、やはり公園そばなど緑があるエリアを通るのが一番。みなさんも自宅周りの緑が多くて人がいないルートを開拓してみてください。

「オンライン会議のマナー」的な記事はクソ喰らえ、ですが、お互いを縛るようなルールではなく「こうするともっと楽しく在宅勤務できるかもね」というライフハックが、これからどんどん共有されていったらうれしいです。

この記事を書いた人

ひらりさ

ひらりさ

平成生まれのアラサー腐女子。BLと酒を主食に、会社員のかたわらライター活動をしている。同人サークル「劇団雌猫」としての企画・編集・執筆も行っており、近著に『一生楽しく浪費するためのお金の話』がある。

Twitter:@sarirahira