「一流の経営者やビジネスパーソンは筋トレをしている」「筋肉はビジネススキル」などといいますが、筋トレをすると仕事にどんな効果があるのでしょうか。

お話を伺ったのは、ボディーコーディネーターのyoshiさん。経営者やビジネスパーソンのクライアントが多く、これまで600人以上の肉体改造をサポートしています(記事の最後で自宅でできる筋トレ動画もご紹介します)。

正しく鍛えれば、見た目も内面も変わる

yoshi(よし)。ボディーコーディネーターとして、600人以上の肉体改造をサポート。チャンネル登録者数11.5万人(2020年5月現在)のYouTubeチャンネルでは、部位別のトレーニングメニューやダイエット食を配信している。

──仕事ができる人は筋トレをする、というのは本当なのでしょうか? 仕事にどんなプラスがあるのか聞かせてください。

yoshiさん(以下、yoshi):まずは見た目が変わることで印象が変わり、周りから一目置かれるようになりますよね。筋肉がついて体が大きくなるのはもちろん、姿勢も良くなりますからね。

──確かに、見た目の印象は大きいですね。ビジネスパーソンの場合、「ここを鍛えたら印象が変わる」という部位はありますか?

yoshi:スーツを着て仕事をしているなら、胸はもちろん、肩周りや腕、ヒップはわかりやすいですね。特に肩周りは、ガッチリさが顕著に出る部分なのでおすすめです。ヒップは、男女ともにきゅっと引き締まっているだけでカッコいい印象になります。

──「肩周り・腕・ヒップ」ですね! 筋トレで内面が変化することもありますか?

yoshi:もちろんありますよ。正しい方法でトレーニングすれば必ず目に見える成果が出るので自信がついて振る舞いも堂々としてきます。パーソナルトレーニングを担当した営業職の生徒さんからは、「お客さまに与える印象が変わって、仕事がうまくいくようになった」という話をよく聞きますね。

「正しく鍛えれば、人に与える印象は大きく変わる」とyoshiさん。説得力がすごい。

筋トレは脳にもいい効果がある?

yoshi:脳科学という言葉が適切かどうかはわかりませんが、脳への影響という面で言うと、プラスがあるというエビデンスがいくつか出てきました。

──脳科学? どんな効果があるんですか?

yoshi:トレーニングをすることで神経細胞を増加させることがわかってきて、それにより脳を賢くする可能性が出てきました。また、セロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリンの分泌が活発になるんです。この3つは、「幸せホルモン」や「脳内ホルモン」とも呼ばれている三大神経伝達物質なのですが、聞いたことはありませんか?

──聞いたことがあるような……。どんな物質なのでしょう。

yoshi:ドーパミンは快楽や食欲、性欲などをつかさどっています。意欲や探究心を高める効果もあるので、分泌が活発になると、やる気が出てモチベーションがアップするんですね。

──筋トレがメンタル改善に効果あり、といわれるのはそのためなんですね。

yoshi:ノルアドレナリンは、意欲や積極性に加えて、集中力を高める効果もあります。セロトニンは感情のコントロールや、精神の安定、脳を冷静な状態に保つ役割を担う物質です。セロトニンが活発に分泌されると、脳が俗にいう「冴えている状態」になるので、想像力や、アイデア力、直感力が磨かれるんです。

<トレーニングの脳科学的な効果>

  • ドーパミン…やる気、モチベーションがアップする
  • ノルアドレナリン…集中力を高める
  • セロトニン…想像力、アイデア力、直感力が磨かれる

yoshi:生徒さんには経営者の方も多いんですが、実際に「意思決定のスピードが早くなった」「決断力が増した」という声はよく聞きますね。これは、三大神経伝達物質がバランスよく出ているからだと考えられます。もちろん、体力的に楽になったとか、肩こりが減ったとか、体の変化でパフォーマンスが良くなった方もいらっしゃいます。

筋トレをすると脳やメンタルにプラスの効果が期待できるようだ。

筋トレの効果を最大にするために必要なこと

──最短の時間で最大の効果を上げるためには何が必要なんでしょうか?

yoshi:まずは正しいアプローチで取り組むことです。正しいアプローチというのは、正しい知識と正しい実践です。

──知識と実践ですか?

yoshi:知識は筋肉が発達するメカニズムを知ることだったり、脂肪が減るメカニズムを知ることだったり。あとは基礎的な栄養学を学ぶことです。

──筋トレも論理的に考えてやらないとダメなんですね。

yoshi:実践のほうは、身体づくりに必要なエクササイズのフォームを身につけることです。最初にちゃんとしたフォームが身に付けば、必ず見た目は変化します。

──フォームが自己流だと効果が出にくくなるってことか……。

yoshi:パーソナルトレーニングでプロに見てもらうのが一番ですが、動画のマネをするだけでも十分です。僕の動画はフォームも詳しく解説しているので、フォームに不安がある方はぜひチェックしてください。

──動画があればスマホを見ながら部屋でもできることがありますね。

yoshi:ジムに行くだけでなく、家でもトレーニングできるといいですよね。ちなみに、ダイエット目的でトレーニングをしているなら、体重は1日ずつではなく3日平均で比べてみるのがおすすめです。

──3日平均? それはどうしてですか?

yoshi:体重は、前日の晩にしょっぱいものを食べたとか、ちょっと炭水化物を多く摂っただけでも増えてしまうものなんです。なので、トレーニングの効果をチェックするには3日平均がベスト。数字の出し方を変えると、意外と順調に減っていることもあるんですよ。

──体重って、それほど簡単に上下するんですね。

yoshi:意志の力だけでトレーニングを続けるのは難しいんです。「見た目が変わった」「体重が減った」など、ご褒美がないと続かなくて当たり前。正しいトレーニング方法や測定方法を身につけて、モチベーションを保ってもらえたらと思います。

正しいアプローチで取り組めば結果が出るので自然とモチベーションも高まるはず。

筋肉も仕事力も「休むこと」で成長する

──yoshiさんは、トレーニング歴が20年以上と伺っています。これまでの間に、特に変化した部分を教えてください。

yoshi:体格が変わったのはもちろんですが、休むことへの意識も大きく変わりました。筋肉をつけるにはトレーニングと栄養と休養、この3つのバランスが大切なんです。

──バランス? どういうバランスがいいんでしょうか。

yoshi:筋肉を獲得するには、一定のサイクルプロセスをたどる必要があります。この図を見てください。

筋肉を育てるためには、トレーニング、栄養、休養の3つのバランスが重要。

yoshi:ざっくり説明すると、トレーニングして一回筋肉を壊します。壊れた筋肉を修復するために栄養と休養を与えます。すると、壊れる前より筋肉は強く大きくなります。これを繰り返すことで筋肉は育っていくんです。

──筋肉を育てるには回復のための栄養と休養が必要なんですね。

yoshi:ただし、身体は機械ではないのでずっとこれが続くわけではないんです。時には自分で気づくことのできない疲れが溜まっていることもあります。そうした疲れを認識しないままハードなトレーニングを繰り返していくと、逆にパフォーマンスや筋肉が落ちていくことがあります。

──逆効果じゃないですか!

yoshi:そういう時こそ休む必要があるんです。トレーニングで壊れた筋肉の修復には時間がかかりますし、「筋肉はジムの外で作られる」って言われるくらいですからね。

yoshi:これは、トレーニングに限ったことではなくて、仕事においても、睡眠を削ったり食事を削ったりすると、思うようなパフォーマンスができないじゃないですか。僕も、若い頃は無理に働いていましたが、結局は体調を崩して迷惑をかけてしまっていました。今は、頭が働かない時は無理をせず、5分でも10分でもいいから目をつぶるのを大切にしています。

──オンとオフのコントロールがうまくできるようになれば、仕事にもいい効果が出そうですね。

yoshi:常に最高のパフォーマンスを追求し続けていると、精神的にも疲れてしまいますからね。心身ともに、休んでリセットすることは大事だなと思います。だから、僕の場合、頑張りすぎている生徒さんには「しばらくトレーニングお休みしてください。トレーナー命令です」とお伝えするくらい、休むことは推奨していますよ。

──筋トレには自分と向き合ってコンディションを保つ効果もあるんですね。

yoshi:トレーニングを始めたいと思うなら、一歩踏み出してみてください。とにかく行ってみる、やってみるのが大事です。今の時代、トレーニングの手段はたくさんあります。まずはYouTubeや本を見て、家でやってみるのでもいいでしょう。

誰もが最初はビギナーです。ジムへ行くにしても、「器具をうまく使えない」「トレーニング上級者が多くて怖い」と気後れする必要はありません。そもそもトレーニング上級者は、基本的に自分の筋肉しか見てないですから。

yoshi(よし)

ボディーコーディネーターとして、600人以上の肉体改造をサポート。チャンネル登録者数11.5万人(2020年5月現在)のYouTubeチャンネルでは、部位別のトレーニングメニューやダイエット食を配信している。

Twitter:@mensdietYoshi

YouTube:Men’sダイエット ボディーコーディネーターyoshi

取材・文/於ありさ(@okiarichan27