新型コロナウイルスの影響で、外出の自粛や、リモートワークの推奨など、日々の生活に大きな変化があった2020年。もう半分が過ぎましたが、頑張ろうと思っていたことができなかったり、SNSに入り浸って、気が滅入ってしまった人も多いのではないでしょうか。

人と顔を合わせていないせいかモチベーションが上がらず、なんにもやる気が起きない……。通勤時間がなくなって快適ではあるものの、家だと仕事の効率がいまいち上がらない……。というのは私の周りでもよく聞く悩みです(私自身も含む)。

そんな中でもやる気を出したい! という人のために、今日は「友達どうしで“キャリアについてしゃべる異業種交流会”をするようになったら人生がもっと楽しくなった」という話をさせてください。

異業種の友達と仕事の話をする会をやってみた

元々、飲み会が大好きな私。ライター・編集者の友達と飲むときは当然「あの本がおもしろかった」「こういう企画はどうだろう」という話になりますし、会社の同僚と飲む機会も多く、そんなときに「チームのこういうところを良くしたいよね」「最近業界で起きたあれがさー」など、仕事の話をすることはめずらしくありません。

仕事が関係ない女友達も、いろいろなかたちで自分の仕事に打ち込んでいる人ばかりなので、世間のイメージする「女子会」的トーク(恋愛とか結婚とか他人の噂話とかオタク趣味の萌え話とか)だけでなく、「最近どんな仕事をしているか」「仕事上の悩みはなにか」といったこともざっくばらんに話していました。

そうやって仕事の話もしあう女友達Aちゃんと、ある日、「これまでのキャリアを振り返りつつ今後自分がどうしたいか? を議題として準備して、それをお互いに発表しあう飲み会をやらない? メンバーはオタク女子で!」という話で盛り上がりました

Aちゃんが別のオタク友達たちと「趣味じゃなくて仕事について事前に課題を共有しあって話す飲み会」をやってみたらとても有意義だったという話を聞いており、私も興味あるなあと思っているところでした。

会には、趣味など重なるところはありながらも、異業種で働く、立場の違う友人を呼んでみました。同じ会社だったり同じ業界だったりすると、細かいグチに終始してしまったり、逆に忖度して言いにくいこともあるな〜と思ったからです。

同じ趣味や好みを通じて知り合ったオタク友達は、むしろ千差万別のバックボーンを持っています。話のきっかけになったIT系ベンチャーで営業マネージャーをやっているAちゃん、芸能事務所でマネジメントの仕事をしている友人、人材支援系の上場企業で働きながら副業をしている友人、そしてIT系メディア企業で働きながらライター、劇団雌猫としても活動している私・ひらりさの4名での開催となりました。

人の悩みを聞くことで気づきが生まれることも

事前にグループLINEを作成して、お互いの「こんなこと話したい」をシェア。

この「こんなこと話したい」を言語化する作業だけでもめっちゃ有益!

「自分が人生と仕事において課題に感じていること」をしっかりと考える機会って、会社にしっかりとした研修があるか、転職活動をするか、結婚・出産などのライフステージの変化があるかでない限り、意外と少なくないですか?

私も、会社自体の目標にあわせて、その期に自分がやるべきことを考えるタイミングはありました。とはいえ、日々の仕事に追われて、長期的な視座で自分のキャリアを考える時間をなかなかとれずにいました。また、たまに自問自答することはあっても、そこで出てくる答えは結局自分の知っている範囲で今やれることなので、あまり新鮮みがなかったのです。

ところが、それまでは自問自答していたり、同じ業界の人にグチとしてしゃべっていたりしたことを、他業種だけれど気心知れている友達と話しあってみたら、自分では思いがけない糸口が見つかりました。

キャリアチェンジを考えている人に対して「私が前に転職したときはこういうこと考えていたよ」という話を伝えたり、職場での人間関係に悩んでいる人に「うちの会社ではそういうときこうしてるよ」という話を教えたり。

人からのアドバイスがクリティカルにヒットするというよりも、人の悩みに対して言葉をつむぐうちに「あ、自分って仕事上こういうこと大切にしていたんだ」「あ、その悩み、地味に自分にもあるな」「あ、私もしかしてこの分野に興味あったのかも」といった事実に気づいていく、という驚きでした。

飲み会と言いましたが、結局誰もお酒を頼まずにシラフの状態で、美味しいイタリアンをつまみながらこんこんと、本当に仕事とキャリアのことだけを話し尽くす3時間になりました。

器用に生きているように見える人も悩みを抱えている

20代後半〜30代で集まったのもあるのですが、その日、特に口の端にのぼったのは「仕事は楽しいし自己実現にもなっているが、その状態をいつまで続けられるのか? 別に出世をしたいと思ってないけど続けるためには出世しないといけないのか? 問題」。

結論は出ませんでしたが、「やりがいと労働時間と収入、どう取捨選択していくか本当に難しいよね……」「お互いよく頑張ってるよね……」と励まし合って、肩の荷がかなり降りたのは間違いありません。

自分よりよほど器用に仕事と人生のバランスをとっているように思えていた友人たちもまた、いろいろな粒度の悩みを抱えながらもがいているというのがわかって、その事実そのものに背中を押してもらえたのもありました。

ちょうど年末に開催した会だったのもあり、終了後には「仕事・趣味にかかわらず来年の目標3つ」を考えて、お互いにシェア。

私も

  1. IELTS(英語の国際試験)でスコアをとる
  2. PR・マーケティングの勉強をして本業の守備範囲を広げる
  3. 2kg痩せる

という順番で目標を立てました。

自分とは違う人の話はとてつもなく刺激的だった

この会がとっても楽しかった私は、その後も何度か同性同士で「キャリア異業種交流会」を実施することに。同世代の友人と集まって仕事の目標を話し合う新年会をしたほか、少し歳上の友人Bさんと相談してお互いの友達を2人ずつ呼び、ほぼ初対面の女6人で“仕事の話をするお茶会”も開催してみました。

このときはBさんが「今の仕事」や「これからやりたいこと」などを書き込むプロフィールシートを作成してくれ、会の冒頭でそれを書いてから話し合うことに。

初対面だとお互い自己紹介するだけで15〜20分はかかってしまい、悩み自体にフォーカスしたトークをする時間がなくなってしまったという課題はあったものの、初対面だからこそ、自分とはまったく違う様式や思考で仕事に打ち込んでいる人(たとえば「都会でのキャリアを捨てて離島に転職した人」など)の体験談を聞けたのは、とんでもなく刺激的でした。

その後はさらにいろいろな人と話してみたいな〜と思い、数人で集まるのではなく、「ツテをたどってPR・マーケの仕事をしている女性にアポをとり、仕事の話を聞かせてもらう」というのもやってみました。Aちゃんとセッティングした飲み会で話しているうちに、気になりだしたビジネス領域だったのです。

年齢が違う人も、結婚をしている人も子どもがいる人も、会社員の人もフリーランスの人も、それぞれの人生のスタイルのなかで「自分なりの仕事観」を築き上げています。ただ普段の飲み会ではもっとカジュアルな雑談にかたむくことが多いし、あるいは結婚・出産・人生設計のほうに話が寄ってしまうことも多いでしょう(それも大事だけど!)。

仕事との向き合い方というのは、ある種それらのライフプラン以上にデリケートな部分があって、インターネットでは聞きづらいのも事実。それでも、真剣に聞きたい姿勢を示せば、みんなちゃんと話してくれるなあと思います。

友達の話はビジネス書よりも役に立つ

こういった会を通じて、私や友人たちが求めているのは、誤解をおそれずに言えば「自己啓発」なのかなとは思っています。

20代は、仕事そのものの楽しさや、月給のちょっとした上昇、できなかったことができていくことの喜びで、働き続けられていたけれど、30代に入ると「今は楽しい、これ以上手に入れたいものがあるわけじゃない、でもあと30年……いやももしかしたら50〜60年働かないといけない可能性がある」ということが現実味を増してきます。

そこでビジネス書を読み漁ったり、セミナーやコーチングに助けを求める人もいるでしょう。それはそれでひとつの手段だと思います。ただ、ビジネス書には「すごい人の話」しか載っていないように思えてピンとこないし、セミナーの類にお金を出すほどではないしちょっと怖いよな〜という人も多いはずです。

そんな人ほど、むしろ利害関係のない周囲の友達——普通に働いて普通に頑張っている人たち―—と、仕事の話をしてみるのが、「ちょうどいい自己啓発」になるのではないでしょうか。だって、普通に働いて普通に頑張るのって、めっちゃ大変じゃないですか?

そのめっちゃ大変なことを周りでやっている人たちがいるのだから、本を買ったり大金を出したりするより、まずはそんな人たちが考えたり悩んだりしていることをじっくり聞いてみるのも、ひとつの手だと思うのです。

対面だと盛り上がりますが、直接人と会うのは控えているという人や、忙しくてスケジュールを合わせるのが難しい人もいるでしょう。最近はZoomやSkypeといったサービスも浸透したので、「オンラインで異業種交流会」もありかしれません。

お酒を片手でも、お茶をすすりながらでも、ぜひ友達を誘ってみてはいかがでしょうか。私の友達も、また誘うからね〜!

この記事を書いた人

ひらりさ

ひらりさ

平成生まれのアラサー腐女子。BLと酒を主食に、会社員のかたわらライター活動をしている。同人サークル「劇団雌猫」としての企画・編集・執筆も行っており、近著に『一生楽しく浪費するためのお金の話』がある。

Twitter:@sarirahira