40代の転職で成功するための5ステップ

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会社の業績悪化や人間関係の悩みなどから40代で転職を検討する場合、求人の少なさや若手と比べた転職リスクを考える必要があります。

40代の転職を成功させるためには、自分の市場価値を見極め、キャリアに合った転職先を探すことが大切です。ここでは40代の転職に特化した対策方法をご紹介します。

40代転職の厳しい現実

40代の転職はリスクが高く求人数も少ないため、安易に行うべきではありません

40代ともなると、仕事の専門性が高い、管理職である、収入が高額、マイホームがあるから転勤はできないなど、求人を選ぶ条件が多くなります。

しかし、すべての条件にぴったり合う求人を見つけるのは難しいため、何らかの条件を妥協して転職するケースが少なくないようです。

業務内容が希望とズレたり待遇が下がる場合でも転職すべきか、冷静に判断しましょう。場合によっては現職に留まり、配置転換を狙った方がスムーズに進む可能性もあります。

40代の転職活動は長引く傾向

40代の転職は短期で就職先を決めることが理想的ですが、実際は長引く傾向にあります。転職活動をスムーズに進めるために、自身のキャリアを生かした転職プランを立てましょう。

短期決戦でモチベーションを保つ

転職が決まるまでの期間を表したグラフ。35~39歳では、1ヶ月半以内20%、3ヶ月以内61%、6ヶ月以内18%、7ヶ月以内1%。40~44歳では、1ヶ月半以内14%、3ヶ月以内49%、6ヶ月以内33%、7ヶ月以内4%。45~49歳では、1ヶ月半以内11%、3ヶ月以内35%、6ヶ月以内34%、7ヶ月以内20%。50~54歳では、1ヶ月半以内14%、3ヶ月以内28%、6ヶ月以内25%、7ヶ月以内33%。55~59歳では、1ヶ月半以内20%、3ヶ月以内25%、6ヶ月以内19%、7ヶ月以内36%。60歳では、1ヶ月半以内16%、3ヶ月以内36%、6ヶ月以内13%、7ヶ月以内35%。

転職活動は年齢とともに長引く傾向にあります。

エン転職が行った「ミドルの転職期間」調査では、3ヶ月以内に転職を決めた求職者の割合は、30代後半は81%、40代後半になると45%まで減っています。これは希望条件に合う求人を見つけるのが難しいからと考えられます。

モチベーションの低下やスランプを防ぐためにも、できるだけ短期で転職先を決められるように戦略を練りましょう。また、収入を確保するためにも、在職中に転職活動を行うことをおすすめします

※参考:「ミドルの転職期間」について(2016年版)―enミドルの転職

キャリアを生かした転職を

キャリアを生かせる求人の選び方のポイントイメージ

言うまでもないことですが、転職先にはキャリアを生かせる同業種・同職種の求人を選びましょう

人手不足から求人倍率が上がっている現在、企業の多くが「即戦力」の人材を求めています。例えば観光バスの運転手から運転技術を生かせるタクシー会社に転職するなど、今まで培ったキャリアを生かす方法を考えましょう。

もちろん、必ずしも同業種・同職種の求人があるとは限りません。その場合は異業種・同職種の転職も検討しましょう。飲食店で経理の仕事を行ってきた人が、商社の経理職に就くといったパターンです。

なお、同業種で別の職種を目指す場合は、転職よりも社内の配置転換を狙いましょう。社歴はリセットされないため、転職に比べて安定した収入を確保できます。

コラム:40代未経験の転職はハイリスク

40代で異業種・異職種への挑戦はリスクが大きいので避けたほうが無難です。

未経験者採用の場合、企業は他社の色に染まっていない柔軟な若手社員を、今後長く働いてくれることを見込んで採用する傾向にあります。また、未経験可の求人は給与も低いことが多いため、生活のことを考えると難しいケースも。

どうしてもやりたい仕事であっても、未経験の仕事への転職は難しいと言えません。

転職で年収がアップする40代は3割

厚生労働省の「平成28年雇用動向調査結果の概要」によると、40代で転職後に給与が増加した人は全体の30%程度です。40~44歳では39.0%。45~49歳では34.5%となっています。

転職後の給与、上がる?下がる?

転職後の給与変動をみる100%積み上げ棒グラフ。 40~44歳では、増加:34.5%、変動なし:30.5%、減少:33.0%。 45~49歳では、増加:39.0%、変動なし:28.7%、減少:31.2%。

一方で転職後に給与が減少した人も30%程度存在し、転職者のうち3人に1人は収入が減っている計算です。キャリアのある40代でも、転職先で前職以上の収入を得ることはなかなか難しいという結果が示されました。

「いま転職したら、収入が増える1/3の枠に入れるだろうか?」と冷静に考えてみる必要があるでしょう。

40代に求められるマネジメント能力

40代の人材に求められるのはマネジメント能力です。

管理職はもちろんそうでないポジションでも、部下や後輩を育成し、進捗・予算管理を行う能力は重要。プロジェクトリーダーを務めたり、社内でリーダーシップを発揮したりした経験があればマネジメント経験として十分アピールできます。具体的なエピソードとあわせて紹介し、説得力を持たせましょう。

40代女性、正社員の転職は慎重に

40代女性の転職は非常に厳しい状況にあり、男性以上に慎重に進める必要があります。

非正規雇用で働く40代女性の割合を表したグラフ

内閣府の「平成28年度 男女共同参画白書」によると、非正規雇用で働く女性は35~44歳の女性のうち54.6%、45~54歳の女性では59.7%となっています。40代の働く女性の半分以上が非正規雇用という結果です。

もし正社員として勤務しているのであれば、それは貴重なポストです。転職活動で今と同じ待遇の会社に転職できる確率はそう高くありません。安易に辞めてしまわないように注意しましょう。

家庭の事情などで転職せざるを得ない場合は「同業種・同業種」を基準にして、派遣やパートも検討する必要があるかもしれません。

※参考:男女共同参画白書 平成28年版-内閣府

コラム:「35歳転職限界説」は本当?

35歳を過ぎると転職が不可能になることを指した「35歳転職限界説」という言葉がありますが、35歳を過ぎても転職する人は少なからず存在します

かつて日本では、一つの会社に就職したら定年まで勤め上げる「終身雇用制度」が主流でした。しかし、不景気やグローバル化、少子高齢化による労働力不足などの理由から、現在その制度は崩壊しつつあり、同時に雇用の流動化が起こっています。

ただし、年齢を問わず求人が増えたといっても、転職活動のハードルが下がったわけではありません。労働条件や待遇など、希望通りの求人を見つけて40代の転職を成功させることは、相変わらず難しいといえます。

40代の転職を成功させる5ステップ

転職活動はキャリアの棚卸しや情報収集から始まり、面接や条件交渉などいくつかのステップに進むことになります。

ここではキャリアの棚卸し・情報収集・書類作成・面接・条件交渉の5ステップに焦点を絞り、40代の転職活動で気を付けたいポイントについてご紹介します。

40代転職成功の5ステップ…step1:キャリアの棚卸し、step2:情報収集、step3:書類作成、step4:面接、step5:条件交渉

(1)キャリアの棚卸し

キャリアの棚卸しとは、今までのキャリアを整理し経験やスキルを改めて確認する作業です。これは、自身の市場価値を把握するために行います転職活動の柱となる部分なので、じっくりと時間をかけて行いましょう。

キャリアは「5W1H」で書き出してみると整理しやすくなります。業務経験を5W1Hでまとめて分析しましょう。

さらに仕事の実績や獲得したスキルを客観的に整理します。経験した業務一つ一つに対してこれらの作業を行い、自分の能力やスキルを整理します。その中から、企業の求める能力に合わせて最もアピールしたい点を自己PR文として使用します。

キャリアの棚卸しの例

キャリアの棚卸し整理の例(表)。When(いつ):業務の経験期間…2010年4月~2017年9月。 Where(どこで):勤務地や部門…株式会社○○ハウス。 Who(誰に):顧客やターゲット…一軒家を保有しているファミリー層。 What(何を):担当業務の内容…戸建住宅へのリフォームの提案営業。 Why(なぜ):業務の目的…会社の新規事業としてリフォームサービスを売り出すため。 How(どのように):業務で工夫した点…傾聴力を磨き、お客様の悩みを引き出した上での提案営業を心がけてきた。 

実績・スキルの例

実績・スキルの例(表)。実績:「売上目標の達成率は平均70%。 社内売り上げナンバーワンになることはなかったが、常に成績の変動が少なく、安定し売り上げを稼いできた。」スキル:「初対面の人とも円滑に話を進めるコミュニケーション力」・「丁寧なヒアリングによる顧客との関係構築、クレーム 対応力」

(2)求人情報のチェック

求人情報を収集できる媒体例イメージ

40代を対象とした求人案件は少ないため、積極的な情報収集が不可欠です。転職によって何を変えたいのか、条件をしっかり整理した上で求人をチェックしましょう。

求人媒体はいろいろありますが、案件数の多い転職サイトや転職エージェントの求人を、しっかり条件を絞り込んで見ることがおすすめです。転職活動に不慣れな場合は、コンサルタントが直接サポートしてくれる転職エージェントもおすすめです。職種や条件によってはハローワークや求人誌も確認すると良いでしょう。

なお、志望する企業が明確に定まっている場合は、企業ホームページから直接応募する方法もあります。「直接応募は広告掲載料や紹介手数料が発生しないため優先して採用されやすい」という話もありますが、直接応募が合否に影響するケースはまれ。

スキルや能力が低ければ、直接応募でも採用されることはありません。

(3)応募書類の準備

40代の転職で重視されるのは、「職務経歴書」>履歴書

書類選考では主に履歴書と職務経歴書を提出しますが、40代の転職で重視すべきは職務経歴書です。(1)で整理した情報をもとに、応募する求人と自分の経歴やスキルがいかにマッチしているかをアピールしましょう。

目安分量はA4で2~3枚。作成方法は手書きでもワープロでも構いません。職務経歴書には、経歴を時系列にまとめた「編年式」と職種別にまとめた「キャリア式」がありますが、経歴を見やすくまとめられる形式を選びましょう。転職回数の少ない人は編年式、転職回数の多い人はキャリア式で整理することをおすすめします。

職務経歴書の詳しい書き方については「職務経歴書の基本の書き方と受かる秘訣【テンプレートあり】」をご覧ください。

(4)面接前の準備

論理的な会話は面接官に好印象を与えます。論理的な話し方を心掛けるためにPREP法を活用しましょう。

PREP法とはP(Point;結論)→R(Reason;理由)→E(Example;例)→P(Point;結論)の順序で論理を展開する文章の雛形です。始めに結論を述べ、次に理由を伝え、具体例を提示し、最後にもう一度結論を述べてまとめます。最初に結論を伝えるため話を展開しやすく、面接官も主張をつかみやすい点がメリットです。さらに具体例を挙げることで主張に説得力が生まれます。

PREP法を利用した自己PRの例

結論(P):私はマネジメント能力に自信があります。

理由(R):前職では課長職を5年、部長職を2年務め、仕事の進行管理や予算管理を行ってきました。

具体例(E):最初は上司の見よう見まねで至らぬところも多くありました。しかし、課長、部長と経験を積むうちに、円滑なマネジメントのためには信頼関係の構築が不可欠と実感し、コミュニケーションを重視するマネジメントを行ってまいりました。その結果、報連相が定着して業務フローの改善も進み、成績は2年連続で上昇しました。

結論(P):ですから私は、このマネジメント能力を御社で生かし、より効率的な業務管理を実現できればと思っています。

(5)勤務条件の交渉

おおよその給与額は面接中に提示されますが、希望と異なる場合は内定後に「勤務条件の交渉」ができます

給与や待遇は誰もが気になる話ですが、大変デリケートな話題です。あくまで「選考される立場」である面接中は避け、「内定者」になってから交渉しましょう。

希望額は前職の給与をベースに、ある程度の幅を持たせるのが一般的です。

前職よりも職務内容が高度である、専門性の高い業務である、マネジメントなど業務の責任が重くなる、などの理由があると、給与の上乗せを交渉しやすいでしょう。「育児にお金がかかるので」といったプライベートな理由は業務に関係ないため、交渉の材料には不適切です。

給与額の交渉の例(希望額を聞かれた場合)

年収で600万から650万円程度を希望します。

前職の給与は600万円でしたが、この度はチームリーダーとして採用いただくため、マネジメント業務の比率が増え、仕事に対する責任の重さも感じております。

収入の現状維持と業務の責任を考慮した結果、この範囲で検討いただけると大変ありがたいです。よろしくお願いいたします。

40代の転職体験談~成功例と失敗例~

40代で転職した人の成功例と失敗例をご紹介します。

失敗例:飲食業界のスタッフから建設業界の事務職に転職したYさん(48歳・既婚で2人の子ども持ち)

前職では飲食店に勤め、接客やスタッフの管理を行ってきました。しかし、年齢とともに体が辛くなってきたので、デスクワークの業務に移ろうと転職を決めました。

ハローワークや転職サイトに登録して応募したのは20社、そのうち面接まで進んだのは3社でした。応募しても不採用の連絡すらくれないところもあって、結構落ち込みましたね。在職したままの転職活動でしたが、3ヶ月を過ぎると結構焦りました。

結局、小さな建設企業の事務職に転職したのですが、業務内容が今までと全く異なるので戸惑うことの連続です。年収も以前の70%ほどで、昇給の見込みも薄いようです。子どもの学費がかさむ時期なので、続けられる限りは飲食店で頑張ればよかったかな、せめて飲食業界の事務職にしていれば……と後悔しています。

成功例:商社の事務員から工場の経理に転職したMさん(43歳・独身)

両親の介護のため実家への引越しを余儀なくされ、地元で転職活動を行いました。前職では商社で事務員をしており、経理のスキルを生かせる転職先を探しました。転職サイトだけでは求人が見つからなかったので、複数の転職エージェントを頼って転職活動を行いました。

転職活動には4ヶ月ほど掛かりましたが、実家近くにある工場の経理として内定をいただきました。新しい職場に慣れるまでは大変でしたが、事務員時代の経理スキルを生かせる業務が多く、現在は業務改善プロジェクトにも携わっています。

以前と比べて有給休暇も取得しやすくなり、両親と過ごす時間や趣味に使う時間も増えて満足しています。

Yさんの場合は、未経験で異業種・異職種へのキャリアチェンジを図ったことが転職失敗の大きな要因といえます。デスクワークを志望するなら、まず異動希望を出して社内の配置転換を狙うのが賢い選択です。

一方、Mさんは複数の媒体を活用して自身のキャリアにぴったりの求人情報を探すことに成功しました。改善プロジェクトに参加し業務の範囲が広がったことから、昇給を望めるかもしれません。

40代の転職活動では、自身のスキルを生かせる転職先を見つけることが大切です。

40代の転職、求人媒体は複数使う

40代の転職では、なるべく求人数の多い媒体を利用しましょう。

転職サイトや転職エージェントの利用がおすすめです。

転職サイト

Webサイト上で求人情報を検索・応募するサービス。名前やメールアドレスのみで手軽に登録できる。企業とのやりとりは自分で行う。

転職エージェント

コンサルタントがキャリアカウンセリングを行い、求人情報を提案・紹介するサービス。企業とのやり取りはコンサルタントが行う。そのほか、個別のアドバイスなども受けられる。

転職サイトや転職エージェントは、それぞれ異なる求人を持っているので複数利用が基本です。一部を除き利用料は発生しません。例えば以下のような転職サイト・転職エージェントがあります。

【転職サイト】
■ビズリーチ
求人数:74,000件(公開求人数のみ、2017年9月12日時点)

【転職エージェント】
■リクルートエージェント
求人数:19万件以上(うち非公開求人15万8,000件以上、2017年9月12日時点)

■DODA
パーソルキャリアが運営する転職支援サービスです。リクルートエージェントに次いで多求人数:16万9,000件以上(うち非公開求人12万9,000件以上、2017年9月12日時点)

■マイナビエージェント
求人数:2万8,000件以上(うち非公開求人2万3,000件以上、2017年9月12日時点)

■enミドルの転職
求人数:48,000件以上(公開求人数のみ、2017年9月12日時点)

このほかにも業界や地域に特化した転職サイト・転職エージェントなどもあります。ぜひ自分に合うところを利用してみてはいかがでしょうか。

まとめ

40代の転職を成功させるためには、同業種・同職種でキャリアアップを図れる転職先がベストです。

また、転職サイトや転職エージェントなど複数の求人媒体を利用して、多くの求人情報を集めることも大切です。40代の転職ならではの対策を練って転職活動を行いましょう。

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