新卒・文系の例文も紹介 SEの志望動機の書き方
履歴書や面接で必ず聞かれる志望動機。応募先企業や職種に関する理解度・志望度の高さをきちんと伝える必要があります。
この記事では、SE(システムエンジニア)に応募するときの志望動機の書き方を解説。キャリア別の例文も紹介します。
SEの志望動機の書き方
まず、すぐにできるSEの志望動機の書き方を紹介します。志望動機を組み立てるには、下記の3つの要素が必要になります。
それでは、志望動機に盛り込む3つの要素について詳しく見ていきましょう。
※履歴書に書くときは貴社、面接で答えるときは御社を使います。例文や具体例は履歴書・面接のどちらにも対応しています。状況に応じて貴社・御社を使い分けてください。
1.志望理由(結論)
志望動機の冒頭にはまず「なぜ志望先のSEとして働きたいのか」という志望理由を、結論として簡潔に書きます。
記載内容を決めるためには、志望先企業のホームページや採用サイトなどにある「経営理念」「求める人物像」などをチェックし、力を入れている取り組み・業務や求められる資質や能力を調べます。
その上で、どんな部分に魅力を感じているのか、あるいはどんな部分に自分の適性を感じたのかを説明しましょう。
そのほか、新卒採用ではOB訪問を情報収集の手段として使うのもおすすめ。実際に見聞きしたことを志望動機に入れることができ、説得力が増します。
〈具体例〉
- 貴社のリモートワークに特化したシステム事業に関わることで、リモートワークの普及率アップに貢献したいと思った。
- 貴社のeラーニングシステムを通して、さまざまな事情で学校に行けない子どもたちの学習環境を整えたいと考えた。
志望動機の書き出しに迷ったときは、下記の記事を参考にしてください。
2.その結論に至った具体的なエピソード
冒頭で志望理由の結論を述べたあとは、その結論に至った具体的なエピソードを書きます。理由・背景を説明することで、志望動機の説得力が増します。
その企業を知った・興味を持ったきっかけとなるエピソードや、SEに対する価値観など「自分ならでは」の要素を組み合わせて「たくさんの企業がある中でなぜ応募先を選んだのか」を説明しましょう。
〈具体例〉
- システム整備が煩雑という理由でリモートワークを導入できない企業もある中、前職ではリモートワーク導入のおかげで休業することなく働くことができ、かつ家族との時間が増えてQOLが上がったため、自分もそれを支えるシステム開発に携わりたいと思うようになった。リモートワークに関するシステムを手掛ける企業の中でも、貴社のSEの方々は導入現場に足を運んでユーザーのサービス利用状況を把握するエスノグラフィーを実施するなど、ユーザー目線を大切にしていると採用サイトで拝見し、そのような姿勢に魅力を感じた。
- 高校時代にケガで半年ほど入院していた時期があり、一人で学習することに限界を感じた経験がある。貴社の自宅学習用eラーニングシステムは、レクチャー機能・テスト機能によって理解度に応じて理解→定着→応用のサイクルを繰り返せるため、自分のペースで学習を進めることができる。小中学生への定期的なアンケートをもとに機能面をアップデートするだけでなく、不登校児童のニーズを汲み取った学習アプリ開発事業も計画していると知り、その事業を通して自分と同じような悩みを持つ子どもたちの学習環境を整えたいと思った。
3.採用後の意気込み
志望動機の締めは、これまでの経験やスキルを応募先でどのように活かせるのかを説明します。
経験者の場合は前職で得たスキルや経験の活かし方を、新卒や未経験者の場合は大学生活やアルバイト、ゼミやサークル活動で得たスキルや経験の活かし方を具体的に伝えると、入社後にどんなポジションでどんな働き方ができるのか、採用担当者が把握しやすくなります。
〈具体例〉
- 前職で勤怠管理・採用管理システムのメンテナンスを担当し、Oracle E-Business Suite、SAPなどのERPパッケージに関する知識があるほか、定期的なSEセミナーを受講して新たなスキル習得にも取り組んでいる。そうした経験や知識を活かして貴社の業績拡大に貢献したい。
- 入社後に業務に活かせるように現在アプリ開発講座を受講している。また、大学時代の学習塾アルバイトで、小中学生の学習にまつわる悩みに直接触れてきたため、中高生のニーズにより寄り添ったサービスが作れるように尽力したい。
SEの志望動機の例文【キャリア別】
ここからはSEの志望動機の例文を、キャリア別に紹介します。
新卒の場合
文系
〈例文〉
- クライアントと一緒に課題を解決していく経営方針に魅力を感じ、貴社を志望しました。
- 学生時代から自作のホームページを制作するなどWeb上でのものづくりに興味があり、それを仕事にできるSEに惹かれました。貴社は技術力のみならず提案力やヒアリング力を重視されていて、SE向けのコミュニケーション研修を定期的に開催していると、OB訪問で伺いました。サークルでイベント企画に携わっていた経験もあるため、チームで協働し制作物を作り上げていく貴社の業務に適性があるのではないかと考えています。
- システム開発の専門的な知識はありませんが、入社後の業務に役立てられるように、基本情報技術者の資格取得を目指してPHPやJavaなどのプログラミング言語を勉強しております。一日でも早くお役に立てるよう努力いたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。
理系
〈例文〉
- 大学で学んだAI分野の知識を活かし、災害対策としてドローンの活用を広めたいと考え志望いたしました。
- 高校時代にAI活用人材を育成する教育プログラムを受けたことがきっかけで、大学では工学部でAI技術を学びました。授業でドローンを制作した際、業界内でもトップクラスのシェアを誇っている貴社の製品を参考にさせていただいたのですが、操作のしやすさ・画像解析の速さに感銘を受け、貴社でSEとして事業拡大に貢献したいと考えました。貴社のドローンは災害発生時の被害状況の把握、生存者の確認にも活用されていると公式サイトで拝見しました。昨年、実家が洪水被害を受けた際、被害状況の把握に時間がかかって苦労したのですが、こうした災害時のトラブル解消のために、貴社の事業を通じて自分の学びを活かしたいと考えています。
- AI技術の知識だけではなく、SEとして業務で活かせる知識をつけるために、現在システム開発の基礎セミナーを受講しています。セミナーで得た知識や大学時代の研究経験・知識を活かして、貴社の事業発展に貢献したいです。
SEは、クライアントの要望に応じて設計書を作成したうえで、システムやソフトウェアを開発する仕事です。主に担当するのは要件定義・システム企画フェーズでの予算やスケジュールなどの業務フローの作成、基本設計・詳細設計、プログラムのテスト工程などです。
「Java」「C言語」「PHP」などのプログラミング言語の知識が求められますが、要件定義やシステム企画ではクライアントのニーズを細かく聞き出したり、わかりやすく論理的な説明をしたりする必要があるため、コミュニケーション能力も重要視されます。
そのため、「プログラミング言語知識を使ってものづくりをした経験」「ヒアリングして相手からニーズを引き出した経験」などのエピソードがあると、志望動機づくりに役立ちます。
転職の場合
未経験者
〈例文〉
- 前職でお客さまのシステムに関する要望をヒアリングしてきた経験を活かしつつ、自分でニーズを形にする仕事がしたいと思って志望いたしました。
- 前職ではバックオフィスシステムの提案営業を担当し、お客さまへのヒアリング内容をもとに社内のSEとシステムの改善策について意見交換を行ってきました。その中でテスト段階に参加した経験から、システムを作る側の面白さや可能性に気づき、SEとしてお客さまの要望を形にしたいと考えるようになりました。貴社はWebマーケティング支援事業を展開し、お客さまのさまざまなニーズを叶えるシステム開発の実績があるとコーポレートサイトで拝見しました。多くのシステム開発例を学べる環境に魅力を感じており、加えて前職で培った業界知識を活かしやすいのではと考え、志望しました。
- 入社後すぐに実務に活かせるよう、独学でHTMLやPHPを学習しております。貴社の事業発展に貢献できるよう努めてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
経験者
〈例文〉
- さまざまな業界のソフトウェア開発の実績がある貴社で、よりスキルを積みながら多様なニーズを汲み取ったサービスを手がけたいと考え志望いたしました。
- 前職では客先常駐としてシステム維持・保守業務を担当し、さまざまなトラブルに対応しておりました。しかし、そもそものトラブルを起こさないように、もっと上流工程からシステム開発・設計に携わりたいと思うようになり、転職を決意しました。外部講師を招いたSE研修を定期的に行い、新たなサービス開発を活発に行っている貴社は、SEとしてさらなるスキルアップができる環境だと感じております。
- 貴社の主要な開発言語であるPHP、Linux、JavaScriptも問題なく扱えます。前職で培った経験や知識を活かし、即戦力になれるように尽力いたしますので、よろしくお願いいたします。
転職の場合、担当業務の専門知識や開発経験が求められます。
前職で担当していた業務の具体的なエピソードをもとに、応募先でどのように活かせるのかをわかりやすく説明すると、採用担当者が入社後の働き方をイメージしやすくなります。
また、近年では新事業の展開、労働環境の整備、社内の組織体制づくりなどにITツールを活用する企業が多く、SEがその開発担当となる場合も。そのため、応募先によっては売上管理システムや勤怠管理システムなどのITツールを通して、経営課題の分析や解決策の提案などを行った経験があると、志望動機作りに役立ちます。
志望動機が完成したあとは…
志望動機が完成したあとは、履歴書の提出マナーを提出方法別におさらいしておきましょう。
▼郵送するとき
▼メールで送るとき
▼面接に持参して手渡しするとき
下記の「履歴書の書き方ガイド」では、印刷の仕方やよくある疑問についてもまるっと解説してるので、ぜひチェックしてみてください。