中小企業診断士資格は転職に有利?取得によるメリットは?

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中小企業診断士 転職_使用画

人気資格ランキングでも5位にランクインするほど、近年知名度が上がってきた中小企業診断士。
一方、中小企業診断士資格は、「どんな転職に役立つのか?」「取得するメリットはあるの?」など、わからないことが多いですよね。

ここでは中小企業診断士資格の概要や難易度、転職でどう有利になるのかなど、これから資格取得を検討するうえで知っておきたい情報をお伝えします。

【目次】
1.そもそも中小企業診断士ってどんな資格?
資格概要
資格保有者の人数・属性
資格取得には1年間は学習期間が必要
2.中小企業診断士資格は転職で有利になる
コンサルティング業界の転職で有利に
コンサルティング以外の業界・職種の転職でも有利に
特に地方の転職で有利な場合が多い
人脈を活用して転職することも
3.中小企業診断士資格取得のメリットは?
会社内でのポジションを上げる要素に
新たな収入源になる
独立開業の選択肢が増える
人脈・ネットワーク形成に役立つ
4.中小企業診断士資格の試験内容
5.まとめ

 

1.そもそも中小企業診断士ってどんな資格?

資格概要

中小企業診断士資格は、経営コンサルタントとして唯一の国家資格です。
経済学、経営戦略、人事、マーケティング、財務・会計、物流、店舗管理、IT、法務など、幅広い知識を身につけられます。

資格保有者の人数・属性

中小企業診断士として登録している人数は、約22,500人
独立行政法人中小企業基盤整備機構のデータによると、
資格保有者の職業は、
経営コンサルタント(コンサルティング会社勤務&独立開業)として働く人が約38%、
企業内で勤務(コンサルティング会社除く)している人が約55%。

年齢構成は、40歳代~50歳代で約54%を占めており、30歳代は約14%という状況。
男女比は、男性約97%、女性3%。

資格取得には1年間は学習期間が必要

この資格は2ヶ月、3ヶ月勉強すれば取得できるものではなく、少なくとも1年は学習期間が必要です。
1次試験・2次試験の合格率はともに約20%。1年間で資格を取得できる確率は3~5%と難易度の高い資格であるため、2年、3年と勉強をして資格取得する人も多いのです。

中小企業診断士資格は確かに転職で有利になりますが、この資格がなければ申し込めない求人が少ないのも事実。
この資格の有無が採用の決め手になる可能性は高いとはいえません。

転職で有利になることだけを目的に、この資格取得を目指そうとしている人は労力を考慮のうえ、
資格取得に取り組むべきか判断しましょう。

2.中小企業診断士資格は転職で有利になる

中小企業診断士資格は何かと転職で有利になります。

コンサルティング業界の転職で有利に

中小企業診断士資格は、特にコンサルティング業界の転職で有利になります。
この資格は経営コンサルティングで唯一の国家資格。
コンサルティングをするうえで必要となる知識があることをアピールすることができます。

経営戦略、人事、財務等、幅広い知識があることの証明になるため、戦略系コンサル・組織人事コンサル・財務コンサルなど、コンサルティング業界であればどんな分野でも評価されます。

ただし、この資格を持っているだけでコンサルティング業界の転職市場で優位にたてるわけではありません。あくまでコンサルタントとしての実力・実績があったうえで、プラスアルファの要素としてこの資格が評価されますのでご注意ください。

コンサルティング以外の業界・職種の転職でも有利に

コンサルティング業界以外でも、幅広い業界・職種で中小企業診断士資格は転職で有利になります。
それは中小企業診断士資格を取得するために学ぶ領域が広いことと、難易度が高いからです。

中小企業診断士試験では、経済学、財務・会計、経営理論、運営管理(サプライチェーンマネジメント)、法務、情報システムなど、ビジネスで役立つ幅広い知識を求められます。
この資格はこれらの知識があることを証明するものなので、クリエイターなどの専門職種を除いて、多くの職種・業界の転職で有利になる場合が多いです。

さらに、試験科目が多く、最低1年の学習期間が必要とされているため、企業側が知識の習得に粘り強く取り組める人、継続力のある人だと見てくれることもあります。
また、企業をコンサルティングできる知識があることから、経営者の視点から考えられる人だと見てくれることもあります。
知識そのものだけでなく、こういった印象面でも転職で有利になることがあります。

特に地方の転職で有利な場合が多い

幅広い業界・職種の転職で有利になる中小企業診断士ですが、特に地方の転職で有利になります。
なぜなら地方には中小企業診断士が少なく、年齢も60歳以上の人が多いため、40代までの中小企業診断士は希少価値が高いからです。

また、転職した後、この資格を活かして将来独立開業を考えている人は、都心よりも地方の方が断然仕事が得やすいです。
公共機関からの仕事の依頼をもらえることがこの資格のメリットの一つ。
中小企業診断士の数が少ない地方であれば、都心よりも公共機関からの仕事が得やすく、独立開業をしても安定的に収益を上げられる可能性が都心よりも高いといえます。

人脈を活用して転職することも

一般に転職する方法は、ハローワークや各種求人サイト、紹介会社の利用などがありますが、この資格を活かして転職をしたい場合は中小企業診断士になって築ける人脈を活用して転職をする人も多いです。

なぜなら、この資格を求人の応募用件に記載している企業がほぼないため、ハローワーク・求人サイトで検索をしてもこの資格を活かせる企業が見つからないからです。実際に大手求人サイトのリクナビネクストで検索したところ、応募用件に「中小企業診断士」と記載されている求人は6件しかありません。(2015年7月時点)

いろいろな業界・職種の人と交流ができるのがこの資格を取得するメリットの一つ。
その人脈を活かして、この資格を活かせる仕事ができる・この資格を評価してもらえる企業を紹介してもらうこともできます。

具体的には、
・実務補習で出会った人が人事で、その人に転職の相談をしたらそのままスカウトされた
・研究会のメンバーに転職相談をしたら、ヘッドハンティング会社に勤める人を紹介してもらい、中小企業診断士資格を評価する企業を紹介してもらえた
・交流会で知り合ったコンサルティング会社勤務の人に、その会社の採用担当者に自分のことを推薦してもらえた
など、人脈を活かした転職事例は多くあります。

3.中小企業診断士資格取得のその他のメリットは?

ビジネスに役立つ幅広い知識が身につく、多くの業界・職種の転職で有利になることの他にも中小企業診断士には下記のようなメリットがあります。

会社内でのポジションを上げる要素に

企業によっては、この資格取得を管理職になるための優遇条件にしています。条件に入っていなくとも、管理職として必要な幅広い知識があることの証明になりますので、評価されやすいでしょう。

新たな収入源になる

副業が可能な人は、この資格を活かせば本業とは別の新たな収入源を手に入れることができます。
中小企業診断士協会からの仕事の依頼がくることもあれば、人脈を活かして仕事を得ることもできます。
仕事内容としてはコンサルティング業務全般を任される大きな仕事もありますが、財務・会計の一部をお手伝いする仕事もあれば、知り合いの税理士を紹介するだけで手数料をもらえることもあります。

副業が難しい人でも企業によっては、この資格を取得すればお祝い金や資格手当を出しているところもあるので収入が増える可能性があります。

独立開業の選択肢が増える

中小企業診断士は会計士や税理士、司法書士のような独占業務がないため、
独立開業をしても稼ぐことが難しいといわれることがありますが、実質独占業務である仕事が存在します。

その一つに公的診断(公共機関からの経営診断依頼)があります。
一般企業であれば経営診断の依頼を民間のコンサルティング会社にお願いすることが多くありますが、公共機関は中小企業診断士協会に依頼をすることがほとんどです。同協会に依頼がきた仕事は中小企業診断士が担当するため、実質独占業務となるのです。

もちろん仕事を依頼するためには実力や実績が求められますので、開業してすぐに公的診断を行える可能性は高くはありませんが、独立開業をしてこの資格を活かすことが難しいわけではありません。

人脈・ネットワーク形成に役立つ

中小企業診断士になることで診断士の仲間や、他の資格保有者(会計士や税理士など)と交流する機会が多くあります。中小企業診断士資格保有者は多種多様な業界・職種の人がいるため、ネットワークを広げることができます。

具体的な人脈形成の機会として下記が挙げられます。
・研究会、勉強会
中小企業診断士には数多くの研究会、勉強会が存在します。
プロコン塾や、業界に特化した内容を勉強する会、営業のスキルアップ方法を学ぶ会、人事労務の知識を学ぶ会などがあり、資格保有者なら誰でも参加することができます。

・交流会
全診断士が集まる交流会・パーティーや、診断士になってから3年しか経っていない人限定の交流会など、中小企業診断士が集まる会が定期的に開催されています。

他にもフットサル同好会やマラソン同好会、マジシャン同好会など、同じ趣味を持つ診断士が集まる会もあります。

・2次試験合格後の実務補習
中小企業診断士として協会に登録するためには、2次試験合格後、3年以内に実務補習を15日以上受けることが必要です。

実務補習では2次試験合格者約5名と担当官1名が、実際の企業をコンサルティングします。
企業に訪問をし、経営者にヒアリング。そこから得た情報やIRをもとに、経営方針、財務、物流、店舗・工場運営など、いろいろな視点から課題を分析し、その課題解決方法を提案します。上記を行うために2次試験合格者・担当官で5日間集まり、ほぼ1日中会議室で話し合いをしていきます。
このコンサルティングを計3回行うため、実務補習を通じて約15名の2次試験合格者と3名の担当官、3社の経営者・従業員と密な関係を築くことができます。

4.中小企業診断士資格の試験内容

転職で有利になる場合が多いが、取得に労力がかかる中小企業診断士。
ここでは資格取得を検討する人のために、中小企業診断士資格の試験内容について説明します。

【1次試験】
■受験資格
年齢、性別、学歴等に制限はありません。

■試験実施日
8月上旬の2日間

■合格率
約20%

■受験料
13,000円(税込)

■試験科目(配点:各科目100点)
下記7科目の試験があります。
四肢択一または五肢択一のマークシート形式による試験です。

<1次試験科目>
A.経済学・経済政策-試験時間:60分
B.財務・会計-試験時間:60分
C. 企業経営理論-試験時間:90分
D. 運営管理(オペレーション・マネジメント)-試験時間:90分
E. 経営法務-試験時間:60分
F. 経営情報システム-試験時間:60分
G. 中小企業経営・中小企業政策-試験時間:90分

実際の過去問を見たい人は下記サイトからPDFをダウンロードしてください。
中小企業診断士試験問題-一般社団法人 中小企業診断協会

■合格ライン
[1]総点数による合格ライン
総点数が60%以上であり、かつ1科目でも40%未満の科目がないことを基準とし、試験委員会が相当と認めた得点比率。

[2]科目ごとの合格ライン
満点の60%を基準とし、試験委員会が相当と認めた得点比率。

■合格の有効期間
・1次試験全科目合格の有効期間は2年間
・1次試験合格までの科目合格の有効期間は3年間
(翌年度と翌々年度まで合格した科目を免除申請できます。)
※3年以内に7科目のすべてに合格することで1次試験合格となります。
※免除科目を除く全科目を受験していない場合、「[1]総点数による合格ライン」は適用されません。
※科目合格は、1次試験合格となった時点で、それまでの科目合格による受験免除の権利はなくなります。

【2次試験(論述)】(配点:各科目100点)
■受験資格
1次試験合格者

■試験実施日
10月中旬~下旬の1日間

※1次試験全科目合格年度とその翌年度に限り有効
※2000年度以前の1次試験合格者は1度だけ有効

■合格率(下記口述試験も含めた、2次試験の合格率)
約20%

■受験料
17,200円(税込)

※下記口述試験分も含む

■試験科目
下記4科目の試験があります。試験時間はそれぞれ80分。
設問に対して15~200字程度で解答する論述式の試験です。
<2次試験(論述)科目>
【事例Ⅰ】組織(人事を含む)を中心とした経営の戦略および管理に関する事例
【事例Ⅱ】マーケティング・流通を中心とした経営の戦略および管理に関する事例
【事例Ⅲ】生産・技術を中心とした経営の戦略および管理に関する事例
【事例Ⅳ】財務・会計を中心とした経営の戦略および管理に関する事例

実際の過去問を見たい人は下記サイトからPDFをダウンロードしてください。
中小企業診断士試験問題-一般社団法人 中小企業診断協会

■合格ライン
総点数の60&以上、かつ1科目でも満点の40%未満がない。

【2次試験(口述)】(配点:各科目100点)
■受験資格 ■試験実施日
同年度の2次試験<論述>合格者 12月中旬
※口述試験を受ける権利は同年度のみ有効。
翌年に持ち越しことはできません。

■試験科目
同年度の2次試験<論述>で出題された事例をもとにした面接官との質疑応答

■合格ライン
口述試験における評定が60%以上。

5.まとめ

いかがでしたか。
中小企業診断士資格を取得することで転職で有利になり、転職をしなくても取得のメリットは多くあります。
ただし、試験科目が多く、難易度も高いため勉強期間が長く、労力がかかるのも事実。
取得を検討している人は労力を考慮したうえで、資格取得にチャレンジするか判断しましょう。