■半導体関連業界の現状と今後
世界的な好景気が続いてきた半導体関連業界も、2007年後半くらいから、好調を持続している企業とそうでない企業との明暗が分かれはじめているようです。
まず、半導体デバイスメーカー。引き続き活況が続く自動車、デジタル家電、モバイル(携帯電話)、ゲーム機器…といった業界に深く入り込んでいるメーカーは、依然として好調が続いています。特に目立ったのが日系メーカー。
2007年に売上高を伸ばした半導体ベンダートップ20の中で最も成長率が高かったのがソニー(前年比56.8%アップ)、2位が東芝(同24.1%アップ)でした。3位は米国のクアルコムとなっています。逆に、前出の好調業界に食い込みきれなかった半導体デバイスメーカーは伸び悩む傾向が見られました。
デバイスメーカーとともに注目される半導体製造装置メーカーはどうでしょうか。こちらも半導体需要の高まりを受けての受注増が続いていましたが、2008年以降は一段落する可能性が指摘されています。デバイスメーカーが最新設備を導入した結果、大幅な増産が可能となり、世界的に半導体の値崩れの芽が出てきているためです。そのため、デバイスメーカーとしてはさらなる設備投資には慎重になるのではないかといわれています。
半導体関連業界は、今後も大口需要先である自動車、家電、モバイル…など各業界の動向、さらには世界的な景気の動きに影響を受けながら推移していくものと思われます。
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