転職×天職 > 転職ノウハウ・コラム > 古市幸雄の小さなことからコツコツと「一日30分」を続けライバルに差をつけろ 後編

古市 幸雄

古市 幸雄

プロフィール

明治学院大学文学部英文科卒。読売新聞社編集局写真部勤務を経て、ニューヨーク州立大学アルバニー校で経営学修士号(MBA)を取得。帰国後、翻訳、手帳・目標達成関連、英語学校の3つのビジネスを立ち上げる。著書に「英会話学校に行かない人ほど、うまくなる」(ダイヤモンド社)、「『朝30分』を続けなさい!」(アスコム)「チャンスをつかみなさい!」などがある。

人生勝利の勉強法

参考図書
「1日30分
」を続けなさい!
人生勝利の勉強法
55
古市幸雄著
マガジンハウス
1,300円

三日坊主でもかまわない。勉強を習慣にしよう。

これまでの人生でほとんど勉強をした経験がないという人もいるだろう。人は何をきっかけとして勉強を始めるのだろうか。

「勉強をしたいとは思わない。そのように考えている人は勉強をすることはありません。たとえ1日に30分であっても、勉強に割くことはできないと考えているのなら、勉強はできませんし、決して続きません。


勉強はしたかったけれど、理由があって若いときに勉強できなかったという人がいます。でも、現在の生活はどうかというと、毎晩テレビを見ているのです。こういう人を、本当は勉強したくないのだと片付けてしまうのはよくありません。なぜなら、勉強にはタイミングがあるからです。勉強をしたい、スキルを獲得したいと思ったときが勉強を始めるベストの時期だといえるでしょう。
一方、自分に動機付けをするには、自分に質問をしてみてください。
このままで自分に対してプライドをもてますか。
自分を向上させる努力をせずに10年が過ぎたとき、自分はどのようになっているでしょうか。
現在の職や地位、収入を維持できていますか。
現在勤務している会社は存続していますか。
将来、自分がなりたい姿をイメージするのです。それに近づくために何をしなければならないかを考えてください」

何かを始めたが、「三日坊主」で終わってしまったという人は少なくないはずだ。三日坊主で終わらない、いい方法はないものか。古市氏は三日坊主で終わってもいいと言う。

「勉強の習慣のない人がいきなり長時間の勉強を始めれば続かないのも無理はありません。三日坊主で終わりたくなければ、1日30分でも1時間でもいいので、短時間の勉強に慣れることで習慣化させることです。習慣化さえできれば、何の苦にもなりません。
たとえ1日30分でも、それが2年、5年、10年たてば、どれくらいの量になるでしょうか。勉強をしていない人との差は歴然となるはずです。
といっても、三日坊主に終わる人はいます。でも、三日坊主で落ち込むことはありません。
もし、三日坊主を年間50回繰り返したら、1年間で150日は勉強していることになります。これはすごいことなのです。
習慣化させるということは、無意識に行動パターンを刷り込むことに他なりません。習慣を変えるわけですから、当初はかなりきびしい作業となります。おそらく成功と不成功を繰り返していくことになるでしょう。それでも少しずつ習慣を身に付けていけばいいのです。
もし、不成功だったときも、それを『失敗』とは考えずに、そこには改善のためのヒントが隠されていることもありますから、めげてはいけません」

「1日30分」を続けた者が勝つ 

勉強しても、一流大学出身の人には勝てないとあきらめてはいないだろうか。勉強の成果と学歴とは何の関係もない。

「勉強の成果を計算する公式を私は次のように考えています。 y(勉強の成果)=a(教材・サービスの質)×b(集中力)×X2(勉強時間の二乗)+c(過去の勉強の蓄積)

「勉強の成果を計算する公式を私は次のように考えています。y(勉強の成果)=a(教材・サービスの質)×b(集中力)×X2(勉強時間の二乗)+c(過去の勉強の蓄積)

もっとも重要なものは何か、それはおわかりでしょう。今後、どれだけ勉強に時間をかけるか、それが二乗になっていることからも、もっとも大切なのです。『一流大学を出ていない』という人はaを、『これまで勉強をしてこなかった』という人はcを見てください。この公式では、aやcはそれほど重要視していません。そんなことはどうでもいいのです。それよりもこれからどれくらい勉強するかにかかっているといっていいでしょう。
例えば、一流大学を卒業した人の「教材・サービスの質」は5とします。そうでない人は3。「過去の勉強の蓄積」は一流大学卒ならば、やはり100くらいになるでしょう。一方、そうでない人は仮に0としましょう。「集中力」は同じで1。ただし、一流大学を出ても、現在まったく勉強をしていなければ1、毎日30分でもコツコツと勉強をする人は10とします。さて、これらを公式にあてはめたらどうなるでしょうか。
一流大学卒の人は105、大学は一流でなくても、コツコツ頑張った人は300にもなるのです。
ただし、1日の勉強時間を増やせば、yも増えますが、勉強は短距離走ではありません。1日5時間に増やしたとしても、途中で止めてしまったら意味がありません。短時間でもいいので、マラソンのように勉強を続けていくほうが成果は上がります」

すぐに結果を求めるばかりに、短期間で結果が出ないと、才能や能力がないと勝手に判断してしまう人がいる。それは大きな誤りだ。

「勉強時間と勉強の成果(成績)は正比例の関係にはありません。もちろん、勉強をすれば成果は上がりますが、それが一定の率で上がるのではないのです。当初はそれほど上がらないので、目標との差を大きく感じてしまい、そこで断念する人が数多くいます。
これは脳科学の観点からも言われていることですが、勉強をしばらく続けていると累積効果が効いてきて、ある一定の期間が過ぎると急激に勉強の成果が出てくるのです。 その時期が勉強を始めてどれくらいたって訪れるかは個人差もあり一概には言えません。ただ重要なことは、勉強の成果はすぐに表れないということを知って、毎日コツコツと勉強をすることです。勉強を始めた当初は誰でも結果はなかなか出ません。それでもあきらめずに続けた人が、勉強を習慣化させることができて、最終的には大きな成果を出すのです」

学生ならばまだしも、社会人になって勉強する時間などはないと嘆く人もいるだろう。本当にそうだろうか。あの宮崎県の東国原知事は、タレントだった時代に私学の最難関といわれる早稲田大学政経学部に一般入試で合格している。

「毎日2時間くらいなら、簡単に捻出することができます。それはテレビを見ないことです。
一部の情報番組を除いて、多くの人たちが見ているバラエティー番組からそれほどの利益が得られるとは思いません。試しに、3日でも1週間でもかまいませんから、テレビを見るのを止めてみてください。手持ちぶさたになり、中には時間を持て余す人も出てくるでしょう。その他、会社にいるときや通勤中など、工夫さえすれば、いくらでも時間を作ることはできます。会社には勉強に使うツールが揃っていますし、30分や1時間早く出社すれば、それを勉強にあてることができるわけです。通勤時間中に勉強すれば、驚くほどたくさんの時間を生み出すことになります。
1日の時間の中で勉強にあてるのなら、朝がいいでしょう。一般的に朝のほうが効率よく勉強できます。また、朝は、おもしろいテレビの番組も少なく、飲み会などの誘いもありません。電話もかかってきませんし、とにかく誘惑が少ないわけです。
時間が進むスピードも朝のほうが遅いと感じる人もいます」 

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