転職×天職 > 転職ノウハウ・コラム > 山本ケイイチの鍛えて高まる直感力・集中力 後編

山本 ケイイチ

山本 ケイイチ

プロフィール

(株)エネックス代表取締役。山本ケイイチトレーニング事務所代表。NESTA公認パーソナルフィットネストレーナー。ハードなトレーニング経験と最新の運動生理学・脳科学に基づく独自のトレーニング理論が高い評価を受けて、経営者やエグゼクティブクラスのビジネスマンなどの個人指導を行ないつつ、プロトレーナーの育成、フィットネスフードの開発など幅広く活躍している。著書に「仕事ができる人はなぜ筋トレをするのか」がある。

人生勝利の勉強法

「仕事ができる人
はなぜ筋トレをす
るのか」
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トレーニングを続けるためのコツ

続けることの大切さは、誰もがわかっている。しかし現実には三日坊主に終わる人と、続けられる人とに分かれる。
筋トレを続けるためにはどのようにすればいいのだろうか。

「続けるには、何も考えないことです。筋肉をつけるためには週に3日はトレーニングをしなければならないと誰かから言われたり、自分自身でそう決めたりすると、もし3日やることができなければ、それは続けていないことになると考えてしまいます。
そうではありません。その人の事情に応じて、週に1日でもかまわないのです。それでも1ヵ月で4日トレーニングをしたことになります。トレーニングをする前は、ゼロだったわけですから、これでもいいのです。続いていることに十分なります。
続けようと努力する必要はありません。努力するのなら、あと1回バーベルを持ち上げるとか、あと1キロ走るとかといったことに向けたほうがいいでしょう。
もうひとつ、続けるための方法として他人の目があります。トレーナーやトレーニング仲間でもかまいません。ひとりでトレーニングをしていると、妥協することもありますが、他人と一緒にトレーニングすることで、もしくは見ていてもらうことで、安易には止められないという気持ちになれるでしょう」

とは言っても、止めたくなるときが来るかもしれない。そのときに続けられる人と断念してしまう人との違いは何だろうか。それでも続けられる秘訣とは。

「止めたくなるときは誰にでも訪れますから、決して珍しいことではありません。止めたいと思ったとき、自分は自分自身をコントロールできない、意志薄弱だと思い悩む人がクライアントの中にもいますが、誰でも同じだと話すと驚かれます。
まずこのことを前提にして、もし止めたいと思えば、自分と対話することです。トレーニングが辛いのか、ジムやトレーナーが自分に合わないのかなど、止めたい理由を自分自身に問います。
原因がわかれば、その原因を削っていけばいいのです。例えば、トレーニングが厳しければ、負荷を軽くしたり、時間を短くしたりしますし、忙しくて時間がないのなら、トレーニングの時間や回数を減らします。このときに、他人や世間と比較してはいけません。あくまで自分のやりやすさを優先して、自分を基準にしてください。
中には思いあたる理由がない人もいるでしょう。そのようなときは、自分の気持ちを書き出すのです。感情は変わりやすいもので、1日のうちでも変化はあります。書き出していると、感情の動きに傾向のあることがわかるでしょう。
もし、止めたいと思う時期が月末に多ければ、その理由があるはずです。このプロセスを繰り返すことで、ほとんどの人が止めたいという壁を乗り越えられます。
また、例えば、痩せるためとか、表面的効果を求めすぎないことも続けるコツのひとつです。
そうすれば、効果が出ないからといって止めようとは思わなくなります。トレーニングの目標は続けることにあるのです。続けるために自分なりの工夫ができればしめたもので、それを模索する過程はビジネスで成功する道のりと似ています。それを通じて様々なノウハウをつかむ人もいるのです。
いいトレーニングをしている人は、仕事ができるということは、この点からもいえます」

「筋トレで注意するポイント

トレーニングにおいても成功する人と失敗する人がいる。数多くの人を指導していると、その共通項がみえてくるという。

「失敗する人の共通点には次のようなものがあります。

  • 目的が曖昧。
  • 目標が立てられない。
  • 計画性が低い。
  • スケジュールに無理がある。
  • 情報に惑わされやすい。

この中でも、計画性の低い人は、生活環境を整えることができません。それは正しい食事や睡眠をとることですが、これはトレーニングの前提でもあり、トレーニングの効果を上げるために不可欠な要素です。場合によっては、トレーニングよりも大切だといえます。
 計画性がないので、簡単にトレーニング方法を変えてしまいがちです。トレーニングの効果が出るのは人によりますが、長い時間がかかるものです。その効果が出る前にトレーニング方法を変えてしまっては、効果が出るはずもありません。
 また、雑誌やテレビから発信される健康情報に影響を受けやすい人、情報に惑わされやすい人も失敗することが目立ちます。
 自分は勉強しているつもりですから、専門家であるトレーナーのアドバイスを聞かなくなるのです。 では、成功する人の共通点は何でしょうか。それは次のとおりです。

  • 目的が明確である。
  • 忍耐力がある。
  • 計画性が高く実行力がある。
  • 情報の選択力が高い。
  • コミュニケーション能力が高い。
  • 仕組み化がうまい

ただし、これらの能力がなければ成功できないわけではありません。たとえもっていなくても、トレーニングを続けることで獲得することができますし、トレーニングをしているうちに身についてくるものです」

 経営者やエグゼクティブクラスのビジネスマンには努力家が多い。努力せずに、そのような地位につけないことも事実だ。ところが、一生懸命やるものの、トレーニングの方向性を誤る人もいる。

「目標や目的の棲み分けができていない人がいます。健康になることが目標なのですが、そのためには運動することをはじめとして、病院に通うこともあるでしょうし、サプリメントなどをとることもあるでしょう。ところが、そのための手段に夢中になってしまう人がいるのです。
 トレーニングにもバランスが大切で、筋トレばかりをして、スーツが着られないとか、生活に支障がでるようでは何のために鍛えているかわかりません。また有酸素運動も常習性があるようで、これもやりすぎは害になるので気をつけてください。健康を害しては元も子もありません。
 体力には、持久力や瞬発力など、様々な要素があります。それらのひとつだけを伸ばしすぎると、それ以外をやる気がなくなり、メンタルに支障がでます。総合的に能力をアップしなければなりません。こだわりすぎる人は、それに足を引っ張られ成功は難しいかも知れません。柔軟な考え方ができ、常にチャレンジすることができる人が成功すると思います」

「ジョブステ」の読者が住む北陸地方の人たちがトレーニングをする場合、どのようにすればいいのか。最後にアドバイスをもらった。

「トレーニングジムに通うという習慣はアメリカから入ってきたものですが、何もアメリカ人のライフスタイルをマネすることはありません。最近では逆にアメリカ人の発想が日本化しているという面もあるくらいです。日本人とアメリカ人は異なる生物といえるほど違いがあり、アメリカ人はYes or Noで、日本人はそこまでハッキリ言語化できません。  これまでのトレーニングと言えば、痩せるか筋肉をつけるかのいずれかでしたが、どちらもこれからの時代にはそぐわないと思います。
 最近は全国展開しているスポーツジムがありますから、どうしても最新のトレーニングマシンや綺麗な施設に興味をもってしまうでしょう。でも、そればかりを追ってはいけません。流行は必ずすたれますから。
 たとえトレーナーが個人で経営している昔ながらの小さなジムであっても、そちらのほうが信用できるのではないでしょうか。なぜなら、指導法がリアルだから長く経営できているわけですから」

気持ちをリフレッシュさせる筋トレ

病気までには至らないものの、精神的な悩みやストレスを抱えている人は、今後も増えることはあっても減ることはないだろう。
うつ病や抑うつ状態に対しても筋トレは効果がある。

「経営者のほとんどが悩み多き状態にあるといってもいいでしょう。彼らは表に出さないだけで、精神的にはかなり追い込まれています。自分とは何だろうかと考えてしまうこともあるようです。 会社の求める数字を出すことに必死になるあまり、ビジネスマンも心が疲れています。
このような場合、仕事とは関係ないことでいいので、気持ちの主張、つまり意思を示すことが救いになるでしょう。スポーツをすることでも意思を示すことができますし、働き方で示してもいいのです。人よりも早く出社するとか、お洒落なスーツを着るとか。結果は関係ありません。どんなことでも意識して自分で決めて行動することで意思を主張できます。
ただし、経営者は結果を出さなければなりませんから、話は別です」

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