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『東京ゲームショウ2008/さぁ、行こう!GAMEの時間です。』注目の7企業 徹底レポート

取材記者プロフィール 岩尾 学

伝説のパソコンホビー誌「LOGiN」の元名物編集者。 その後、週刊ファミ通編集者、プロボクシングA級レフェリー、インプレスの企画編集スタッフを経て、2004年にフリーライターとして独立。
ゲーム以外の業界も含め、独自の視点で分析した内容をテキストとして書き連ねている。
 

過去最大の規模で開催された「東京ゲームショウ2008」次世代機の登場に沸いた2007年を超えた2008年のワケ

ゲーム業界の発展を促すために社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)が主催する国内最大規模のゲームショウ、それが「東京ゲームショウ」(TGS)である。2007年に開かれたショーは、その前年に次世代機として注目されたソニー・コンピュータエンターテインメント(SCEJ)の「プレイステーション3」と任天堂の「Wii(ウィー)」とが前後して発売されたこともあり、対応ゲームの登場ラッシュでおおいに盛り上がった。
では肝心の「東京ゲームショウ2008」はどうだったかといえば、やはり今年も2007年に劣らないほどの活況を呈したのである。

「さぁ、行こう!GAMEの時間です。」をメインテーマとする東京ゲームショウ2008は、10月9日から12日の4日間にわたって千葉県の幕張メッセで開催された。日本・アメリカ・イギリス・インド・韓国などゲーム文化が根付く国と地域から209の企業が参加した今年は、ブース規模において昨年の1735小間を上回る1768小間を記録し、ゲーム業界の隆盛を改めて感じさせるものであった。
同ショーが次世代機登場の翌年よりも規模を拡大できた背景には、次世代機がユーザーに浸透したことでメーカーが安定してゲームをリリースできるようになったこと、また次世代機と連動して遊べる携帯ゲーム機が一般ユーザーの視野を広げたことが大きい。

そのためだろう、今年も協賛各社からはコアユーザーに向けたボリューム感のあるタイトルが数多く発表される一方で、一般ユーザーの開拓に大功績のあったWiiやニンテンドーDS向けにライト感覚で楽しめるタイトルの登場が目立った。とくにWiiリモコンを持たずに遊べるSEGAの「レッツタップ」が小規模ブースながら行列を作っていたことを見ると、今後は既存の考え方を覆す新しいアプローチでユーザーを魅了することが必須のようだ。

ゲーム業界にも吸収・合併の流れがあり、東京ゲームショウ2008では大手メーカーの巨大ブースと中小メーカーの小規模ブースの格差に一抹の寂しさがあった。

しかし、一方で「レイトン教授の事件簿」シリーズでユーザーのハートをつかんだレベルファイブのような新興勢力が着実にブーススペースを拡大している点に頼もしさも感じたのも確かだ。今後ゲーム業界は据え置き型のプラットフォームから携帯ゲーム機やケータイ電話へと舞台を広げていくが、それぞれのフィールドにマッチした魅せ方を追求できるかどうかが勝負の鍵となるのは間違いないだろう。 その鍵をいくつつかめるかでゲーム業界の勢力地図が劇的に変化することを考えると、2008〜2009年にかけてゲーム業界でどれだけの下克上が生まれるか興味は尽きない。

東京ゲームショウ2008で注目の7企業

バンダイナムコゲームス テクも カプコン コーエー ハドソン ソニー・コンピュータエンタテイメント スクウェア・エニックス