市場拡大が注目される「FX業界」とは？？
金融業界担当 コンサルタント山本 友香
新しい投資ツールとして、今注目されている「FX（外国為替証拠金取引）」をご存知でしょうか。外国為替（外国通貨）の売買を行い、その差額決済によって収益を得ることを目的とした金融商品です。
「証拠金」や「レバレッジ」といった取引方法を用いることで、元手の何十倍となる金額の取引が行えることや、インターネットをつなげれば誰もが簡単に取引を行うことができることから、株式投資と並ぶほどの存在になりつつあります。
サブプライムローン問題の影響が大きい金融業界のなかで、 2005年度末には2,917億円だったＦＸ市場も、2008年度末には6,964億円にまで拡大。前年比13.5％（口座数では91.9%増）の成長を実現しています。
証拠金とは、FX取引を行う際に仲介会社へと預ける運用資金ことを指します。預けた資金（証拠金）を担保に、その何倍もの額の取引をすること「レバレッジ」といいます。もともとは英語で「てこ」を指す「leverage」が語源となっています。 レバレッジをかけて証拠金よりも大きな金額で取引を行えば、それだけ大きな利益を得る可能性が高まりますが、同時に損失額が大きくなるリスクも高まります。
今、これほどまでに「FX業界」に注目されている理由
FX（外国為替証拠金取引）が日本の個人投資家に解禁されたのは、今から約10年前のこと。解禁直後はまだ法律の整備や、取り締まる監督官庁の制定がなされていなかったこともあって、取引に関するリスク説明が足りずにトラブルを発生させてしまう企業もありました。
ただこうした企業に対しては、金融庁が近年二度に渡って行った法律の整備によって姿を消しているため、今では安全に取引が行えるようになっています。取引を行う企業は金融庁への登録が義務づけられ、健全性を高めるために最低自己資本規制率も制定されました。また、取引に伴うリスク説明と明示の徹底も規定されています。FXと聞いて「危ない投資ツール」といった印象を思い浮かべる方は、おそらくこうした業界の健全化が計れる以前のイメージを継続されているのかもしれません。
こうして健全化されたFXは金融業界のグローバル化の波と、インターネットやモバイルといった社会的インフラの整備を追い風に人気と注目を集めるようになったのです。
業界未経験OK、どこまで信じていいの？
草創期にあるFX業界では、各社ともFX市場でのポジションの確立を目指し、ユーザーサポートを重視した人員の増強にも積極に取り組んでいます。金融業界への転職には通常、金融業界での業務経験が求められることが一般的です。ただ、FX業界は業界自体の歴史が浅いため、ユーザーサポートの要である「カスタマーサポート」や「オペレーター」のご経験をお持ちの方であれば、特に金融業界での就業経験を求めない企業も多くあります。
入社後の研修はいずれも丁寧で、お客様の問合せに対して迅速に答えることができるよう、FXのみならずその他の金融商品や経済知識なども身に付けることが可能です。異業界から金融業界への転職を検討されている方には応募しやすい状況にあるかと思います。
FX会社に向いているのはこんな人！？
- 金融業界・経済活動に関心がある
- 専門知識を身に付けたい
- お客様とのコミュにケーションが好き
- 学習意欲・探究心が高い
株式投資的存在への成長に期待
今では個人投資家の間でも代表的な投資ツールとなっている株式投資。この株式投資も個人投資家に解禁された直後には、ギャンブルのような印象がもたれていました。今ではFXも株式投資と同様現在ではビジネス雑誌だけでなく、若者向けの一般雑誌でも特集されるまでになり、今後の更なる普及と市場の拡大が注目されています。
FX業界への転職のヒント
FX業界草創期の今であれば、金融業界での就業経験を問わず、入社後の研修や資格取得制度が充実しているFX業界。カスタマーサポート職として専門知識を深め、キャリアを磨きたいという方には注目の業界と言えるでしょう。
入社までは金融業界に対する経験や知識は問われなくとも、入社後には継続的な学習意欲が求められます。業務の全てが国内外の市場の動きと密接に関係しているため、継続的に勉強する意欲の高い方が求められる傾向にあります。
