年収300万ってどんな生活? 無理なく楽しく暮らせるの?

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300万円

「ぜいたくな生活」とはなかなか縁遠いイメージの年収300万。

とはいえ、現在の日本では全人口の4割近くが、この300万という枠のなかで生活しています。

「年収300万円」の人は現在どのくらいいるのか、どんな工夫をして暮らしているのか、そして結婚や住宅購入は可能なのか……。ここでは、そのような疑問にお答えします。

【目次】

1.「年収300万円」の人って、どのくらいいるの?
労働者の約4割が年収300万以下
2.年収300万円の人の家計簿を覗いてみた
年収300万でも無理なく暮らしている人は多い
【単身者の家計簿】少しの節約を心がければ、無理なく遊べて貯金も可能
【夫婦2人の家計簿】自炊や弁当を増やし、共働きをする
【夫婦+子ども1人の家計簿】保険や通信費などを見直す
【ひとり親+子ども2人の家計簿】手当や控除などの支援制度を利用する
ひとり親家庭への支援制度を知っておこう
年収300万でも、辛くならずに暮らすポイントは?
3.年収300万で、結婚できるの?ローンで家は買える?
無駄づかいをしなければ、結婚しても大丈夫
年収300万円でも住宅ローンは組めるが、頭金を貯めるのが先
割り切って「ずっと賃貸」という選択肢もある
4.まとめ

1.「年収300万円」の人って、どのくらいいるの?

労働者の約4割が年収300万円以下

国税庁が調査した給与に関するアンケート調査(※)の結果によれば、年収300万円以下の人の割合は、40.9パーセントです。

ちなみに、ここでいう「年収」は、「給料」「手当」「賞与」を加えた「額面」のことであり、税金や社会保険等を支払うと、手取り額は250万円前後になります。

(注釈)
※国税庁が2015(平成27)年に行った「平成26年分 民間給与実態統計調査」。2014(平成26)年12月31日現在の源泉徴収義務者のうち、民間企業に勤務する、1年を通じて勤務した給与所得者4,756万人が対象。

●年収別の労働人口割合:全体(男女合算)

年収別の労働人口割合_男女合算

グラフからわかるように、年収が「200万円超~300万円以下」という人の割合は、17パーセントです。
また、「300万円以下」「200万円以下」「100万円以下」を合計すると、41パーセントになります。

つまり、給与所得者(非正規雇用を含む)の4割が、年収300万円以下です。
これは実数にすると1,940万人。もはや少数派ではないのです。

ただし、男女別にすると、その割合が大きく異なるので、それぞれ確認してみましょう。

●年収別の労働人口割合:男女別

年収別の労働人口割合_男

年収別の労働人口割合_女

男女別で見たときに、差が大きいのは100万円以下と200万円以下の所得の人を合わせた割合です。300万円以下と400万円以下の所得者を合わせても男女間でそこまでの差はありませんが、200万円以下所得の合計を見ると男性が11%であるのに対し、女性は43%という結果に。

これは、非正規雇用で働く人の割合が男性よりも女性の方が多いということが一因として挙げられます。

2.年収300万円の人の家計簿を覗いてみた

年収300万でも無理なく暮らしている人は多い

年収300万だと生活はなかなか厳しい…と思っている人も多いかもしれませんが、少しの工夫や節約に目を向けることで、無理なく暮らすことは可能です。

ここでは、「単身者」「夫婦2人」「夫婦+子ども1人」「ひとり親+子ども2人」というケースに分けて、実際の暮らしぶりを家計簿から見ていきましょう。暮らすうえでの何かしらのヒントが見えるかもしれません。

なお、下で見せている家計簿の「手取り月収」は、年収300万円(額面)から、所得税、社会保険料、住民税等を引き、12か月で割った数値とします。

【単身者の家計簿】少しの節約を心がければ、無理なく遊べて貯金も可能

単身者の場合、「年収300万円」はそれほど厳しい生活とは言えません。
少しだけ節約をすれば、遊びの費用を削る必要もありません。将来を見越して貯金にも励みましょう。

・単身者Aさん 年収300万円(手取り240万円)の場合

単身者Aさん_年収300万円

【夫婦2人の家計簿】 自炊や弁当を増やし、共働きをする

夫婦だけで子どもがいない世帯のケースです。

妻がフルタイムで働けるのであれば、所帯の年収はぐんと上がります。フルタイムが無理であれば、パートでもOK。それだけで無理なく暮らせるはずです。

・Bさん夫婦 世帯収入約358万円(手取り約286万円)の場合

Bさん夫婦_世帯収入約358万円

【夫婦+子ども1人の家計簿】保険や通信費などを見直す

小学2年生の子どもがひとりいるケースです。

子どもの教育費などが必要ですが、保険や通信費などを見直せば、貯金や学資保険加入も可能です。

・Cさん夫婦 世帯年収387万円(手取り約310万円)の場合

Cさん夫婦_世帯年収387万円

【ひとり親+子ども2人の家計簿】手当や控除などの支援制度を利用する

母親と、小学4年生と小学2年生の子どもが2人いるケースです。

ひとり親家庭に対する手当や控除などがあるので、よく調べて上手に利用しましょう。

・Dさん一家 世帯年収約363万円(手取り約302万円)の場合

Dさん一家_世帯年収約363万円

<コラム> ひとり親家庭への支援制度を知っておこう

日本のひとり親家庭の貧困率は、54.6パーセント(2012年調べ)と、先進国の中では飛び抜けて高い数値になっています。

先進諸外国に比べて手薄とはいえ、それでも、ひとり親への支援制度がいくつかあります。
しっかりと調べて、賢く利用しましょう。

ちなみに、下記で頻出する「控除」とは、その金額分が課税対象額から減額される、ということです。

例えば、年収300万円に対して寡婦控除27万円が適用されれば、課税対象は273万円になり(年収273万円相当の課税額となり)、手取りは増えます。

寡婦(夫)控除(特定寡婦控除)
夫(あるいは妻)と死別や離婚をしていて、一定の条件を満たしている場合は、寡婦(夫)控除として、所得の27万円が控除されます。

特に女性の場合、「子どもがいる」「合計所得金額が500万円以下」という条件に合致していれば、「特定の寡婦」とされ、控除額は35万円になります。

控除を適用すると、年収300万円の場合、所得税で17,500円、住民税で30,000円の合計47,500円(年間)が安くなります。

児童手当
ひとり親にかぎらず、所得制限を超えない場合、以下の児童手当を受け取ることができます。

児童手当の支給額

児童手当の支給額
児童扶養手当(母子手当)
ひとり親家庭の場合、所得額の条件などがありますが、児童扶養手当を受け取ることができます。児童手当と同時受給が可能です。

支給額の計算はかなり複雑なので、詳しく知りたい場合は、住民票のある市区町村に問い合わせてください。

住宅手当
ひとり親家庭の場合、自分で家賃を払っていれば、市区町村によっては住宅手当が支給されます。

支給額や支給条件は、市区町村によって異なります。

ひとり親家庭等医療費助成制度
「ひとり親家庭」などに該当すると認定された世帯の保護者や児童が、病院や診療所で診療を受けたときに、健康保険の自己負担分を市区町村が助成する制度です。

所得制限などがあり、また市区町村によって条件が異なるので、問い合わせてみましょう。

年収300万で、辛くならずに暮らすポイントは?

年収300万円では、無駄使いをする余裕はほとんどなく、常に節約を心がける必要があります。

しかし、「24時間」「365日」、いつも節約のことばかりを考えていては、辛くなるはずです。
「節約する部分」と「気持ちよく使う部分」とでメリハリをつけましょう。

また、節約術のなかには比較的手軽なものもあります。服を買うときはネットオークションやフリマアプリを活用する、携帯電話を格安SIMに変えるなど、できることから始めてみましょう。

また、車を所持しているけど使用頻度が低い人はカーシェアリングに切り替えたり、家賃を下げるために郊外への引越しを検討してみたりするというのも手です。必要経費だと思っているものであっても、やりようによっては意外と削減することができます。

3.年収300万で、結婚できるの?ローンで家は買える?

無駄づかいをしなければ、結婚しても大丈夫

年収300万円の「夫婦2人」「夫婦+子ども1人」の家計簿を、先に紹介しましたが、それらを見ていただければ、赤字もなく、貯蓄もできているのがわかるはずです。

もちろん、家賃は住む場所によってその額が異なるため、仮に「東京の人気エリアに住まざるをえない」などの制約があるなら、年収300万円での生活は難しいかもしれません。

しかし、そのような制約がなければ、そして贅沢や無駄づかいをしなければ、家族で楽しい生活が送れるはずです。

むしろリスクヘッジという意味では、一方が失業したり病気で倒れたりしたときでも、他方が働いて収入を得ることができるため、単身者よりも夫婦のほうが安心です。

子どもが産まれると、夫婦の一方は(あるいは両方が)子育てのためにできる仕事が制限されることもあります。その時期までは、できるだけ共働きをして収入を増やし、貯金をしておきましょう。

年収300万円でも住宅ローンは組めるが、頭金を貯めるのが先

貯金イメージ「年収300万円で家は買えるのだろうか?」という疑問をよく耳にしますが、購入する住宅の価格や、預貯金があるかどうかによって、答えはまったく異なります。

頭金をしっかりと貯めている人を除けば、まずは、「住宅ローンの審査に通るかどうか」という問題があります。

銀行が貸してくれる住宅ローンの目安は、「年収の6倍」と言われています。300万円の6倍であれば、1,800万円。

しかしローンの種類によっては、「前年の年収が400万円以上」という条件がついていることがあるので、まずはその確認から始めましょう。

たとえば、「2,000万円の物件」で、「頭金が500万円」くらい貯まっていて、「返済期間35年」が可能なら、それほど無理ではないかもしれません(諸経費200万円として1,700万円の借入)。

金利にもよりますが、月々の返済額は5万~7万円。

マンションの場合は、これに管理費と修繕積立金を加えた額が、今の家賃と同等か下回るようであれば、それほど無謀ではありません。

しかし、「2,000万円の物件」というのは、都市部であれば、何らかの条件(築年数や立地や広さ)を我慢しなければなりません。

そして、「頭金が500万円」というのも、「年収300万円」の人には、ややハードルが高いのではないでしょうか?

「どうしても持ち家を」というのであれば、まずは頭金を貯めることから始めましょう。

割り切って「ずっと賃貸」という選択肢もある

年収300万円で頭金がなくても、保証人を立てるなどの方法を模索すれば、住宅ローンは可能かもしれません。しかし、月々の返済額は、「年収に見合った額」ではなくなります。

また、固定資産税も必要になりますし、家の修繕などで予定外の出費が必要になることもあります。

人口減少により、これからは住宅が余ると言われています。

どうしても家を買わなければならない理由がないのであれば、無理せず、一生賃貸で暮らす、という選択肢もあるのです。

住宅ローンの返済のためにさらに辛い思いをするよりも、その分、旅行に行くなどして生活を楽しむのもいいのではないでしょうか。

4.まとめ

いかがですか?年収300万円以下の人の割合は労働者の4割に達していて、少し節約や工夫に力を入れれば無理なく暮らせることがお分かりいただけたかと思います。結婚や持ち家なども無謀な夢ではありません。

ただし、ぜいたくが楽しめる収入でないことは事実。各種手当の給付を受けたり、日常生活の中で節約を心がけたりなどして、少しでも余裕を生み出せるよう目指すと良いでしょう。