iDeCoのメリットをフル活用 【超図解】貯蓄しながら手取りを増やす方法

給料は思うように増えないけれど、将来に備えて貯蓄をしたいし、できれば手取りも増やしたい…。

最近注目されているiDeCo(個人型確定拠出年金)を使えば、そんな望みを叶えられると聞いて、お金の専門家、ファイナンシャル・プランナーの風呂内亜矢さんにお話を伺いました。

貯蓄しながら手取りを増やすにはiDeCoがおすすめ

給料は思うように上がらない。でも…「貯蓄したい」「手取りを増やしたい」この2つを同時に実現する方法があるなら、知りたいと思いませんか?

それならiDeCo(個人型確定拠出年金)がおすすめです!ファイナンシャル・プランナー風呂内亜矢さん

まずはiDeCoの概要を見てみましょう。iDeCo(個人型確定拠出年金)とは。iDeCoは自分で作る私的年金。20歳〜60歳未満なら加入できる。受け取りは原則60歳以降。掛金を積み立てて運用。掛金が全額所得控除されるなど節税メリットあり。2022年5月からは国民年金に加入する65歳未満も加入できるようになります。

つまり…「積み立てで貯蓄」「節税で手取り像」同時に実現できる!

掛金は月5000円から自由に決められます*掛金の上限は職業によって異なります。

iDeCoには3つの節税メリットがある

iDeCoの節税メリットを詳しく見てみましょう。iDeCoの節税メリット①積み立て時掛金が全額所得控除②運用時利息・運用益が非課税③受け取り時退職金・年金としての税制優遇あり

3段階の税制優遇で大きなメリットを得られます 風呂内さん

【1】積み立て時のメリット|所得控除で給料の手取りが増える

①積み立て時掛金が全額所得控除 所得分(当年分)と住民税(翌年)が安くなる つまり、給料の手取りが増える!

勤務先の年末控除で所得控除を受けるのを忘れずに!

■所得税・住民税が安くなる仕組み■(勤務先で年末調整を受ける場合)①金融機関を通じてiDeCoに加入 ②掛金の支払い ③年末調整の必要書類 ④年末調整 ⑤所得税の還付 ⑥住民税の減額 

どれくらい手取りが増えるかシミュレーションしてみると…。30歳・年収450万円の会社員Aさんが毎月1万円を60歳まで積み立てた場合(年間の掛金:12万円)。1年間で22,122円30年間だと663,660円の手取りが増える

積み立て金額を増やすと節税効果も大きくなります 風呂内さん

【2】運用時のメリット|利息・利益から税金が引かれない

②運用時 利息・運用益が非課税 運用で10万円の利益が出た場合 通常の運用だと受け取れるのは約8万円 iDeCoなら10万円

先ほどの会社員Aさんのケースでシミュレーションしてみましょう。毎月1万円を積み立てて年率3%で適用できた場合 通常の運用は利益に税金がかかる 積立合計額 3,600,000円 運用益 2,227,369円 税金 ▲445,474円 iDeCoは非課税 合計 5,827,369円 通常の運用と比べると、手元に残るお金が40万円以上多くなる *この資産結果はあくまでもシミュレーションです。*通常、運用益に対して20%の税金がかかる前提で計算しています。*復興特別所得は考慮していません。

【3】受け取り時のメリット|一定の金額まで非課税

③受け取り時 退職金・年金としての税制優遇あり 一定の金額まで非課税 前述の会社員Aさんの場合 一時金として受け取ると1,500万円まで非課税 *30年間地見立てて一時金として受け取った場合(退職所得控除が適用されます)。非課税になる金額は、勤続年数・収入金額によって異なります。

受け取り方法は自分で選べます 風呂内さん

受け取り方法 税制優遇措置 一時金として受け取る 退職所得控除 年金で受け取る公的年金等控除 一時金と年金の併用 退職所得控除+公的年金等控除

▼退職所得控除について知りたい人はこちら

知っておくべき4つの注意点

iDeCoには知っておくべき4つの注意点があります。①原則60歳まで引き出せない 住宅資金や教育資金は別に用意しよう ②中途解約ができない 無理のない金額で始めることが大切

掛金の減額(年1回)や休止は可能です 風呂内さん

③口座管理手数料がかかる <加入時の手数料>国民年金基金連合会2,829円 <毎月の口座管理料>国民年金基金連合会 月額105円 事務委託先金融機関 月額66円 雲煙管理機関(申し込みをした金融機関)金融機関ごとに異なる

金融機関によっては、運営管理機関手数料が無料なので確認してください 風呂内さん

④元本割れのリスクがある 「運用は余剰資金で」が鉄則です *元本割れとは、金融機関の価格が変動して当初購入した金額(元本)を下回ってしまうこと。*iDeCoでは定期預金や保険など元本確保型の書品を選べる金融機関もあります。

半年〜1年分の生活資金を手元に確保しておきましょう 風呂内さん

リスクを考慮して無理のない範囲で取り組もう

iDeCoを上手に活用すれば、節税効果で手取りを増やしながら、将来に向けてしっかり貯蓄をすることができます。

iDeCoは定期預金や投資信託など、自分で選んだ金融商品で運用するものですが、リスクの低い金融商品でも、元本割れのリスクはゼロではありません(定期預金など元本保証型の商品も掛金が少ないと節税効果が小さく、手数料を考えると元本割れしてしまう可能性もあります)。

また60歳になるまで引き出せない中途解約できないといった注意点もあります。

リスクも考慮しつつ、無理なく支払い続けることができる金額で始めることをおすすめします。

デザイン/ヤマムラユウイチ(CYKLU)

この記事の話を聞いた人

1級ファイナンシャル・プランニング技能士

風呂内亜矢

1978年生まれ。電機メーカー系SIerに勤めていた26歳のとき、貯蓄80万円でマンションを衝動買いしたものの、物件価格以外にも費用がかかることを知り、あわててお金の勉強と貯蓄を始める。2013年、ファイナンシャルプランナーとして独立。現在はテレビ、ラジオ、雑誌、新聞などで「お金に関する情報」を精力的に発信している。著書に『超ど素人がはじめる資産運用』(翔泳社)、『つみたてNISAの教科書』(ナツメ社)など多数。日常の記録にお金の情報を交えるYouTubeチャンネル「FUROUCHI vlog」も更新中。

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