採用担当者200名に聞いた 「他に受けている企業は」で合否は決まる?
面接で聞かれることが多い「他に受けている企業はありますか?」という質問。
「合否を左右する質問かもしれない」と不安になり、正直に答えるべきか、他の企業を受けていることを隠しておくべきか、悩む人も多いのではないでしょうか?
この質問に対するモヤモヤを晴らすべく、今回は採用担当者200名を対象にアンケートを実施(※)。「合否に直結するのか?」「正直に答えて大丈夫なのか?」など、本音をまとめました。
※アンケートについて
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直近5年以内に転職の面接官を経験し、なおかつ「他に受けている企業はありますか?」という質問をした経験がある20代~50代の男女200名を対象にアンケートを実施
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調査期間:2023年7月11日~7月18日
Q. 面接の合否に直結する質問なの?
「他に受けている企業はありますか?」という質問の答え方で、合否は決まってしまうのでしょうか?
採用担当者200名にアンケートをとったところ、明確に「この質問の結果を受けて、不合格にしたことがある」と答えた人は29.5%でした。
「不合格にするまでではないが、評価を下げたことがある」と回答した人も32.5%おり、明確に不合格にすると答えた人と合わせると、全体の60%強の採用担当者が「答え方次第で評価を下げる・不合格にする」と回答していることになります。
これだけで合否が決まるとは言い切れませんが、少なくとも回答の内容が面接の評価に影響する可能性は高いため、対策が必要不可欠と言えそうです。
Q. どんな答え方だと、評価が下がってしまう?
答え方によって評価が下がることがわかりましたが、具体的にどんな答え方だと評価が下がってしまうのでしょうか?
一般的によく言われている4つの「NGな内容」について、実際に評価が下がるものを聞いてみました。
最も多かったのは「応募先への一貫性がない」
評価が下がる答え方として、回答した人が最も多かったのは「応募先に一貫性がなく、手あたり次第に応募している印象を受けたもの」で、39.0%の人が回答していました。
一般的に、応募先の業種や仕事内容がバラバラだと「手あたり次第に応募している」という印象に繋がります。加えて「仕事の理解が甘い」「自分がやりたいことが定まっていない」と思われ、志望度の高さを疑われることにもなるので、応募先の一貫性には注意しましょう。
2番目に多かったのは「志望度・意欲が高くないと感じた」
2番目に多かったのは「自社への志望度・意欲が高くないと感じたもの」で、34.0%でした。
内定を出すにあたって、同じようなスキル・経験の応募者がいた場合、志望度や意欲が高い人を選ぶという話はよく聞かれます。そのため、「他に受けている企業は?」と質問された際に応募先のどこに魅力を感じているかを具体的に伝えたり、「第一志望はどこですか?」と聞かれた際に応募先が第一志望だと明言したりすることで、志望度や意欲の高さをしっかりアピールすることが大切になりそうです。
Q. そもそも採用担当者は、何を確かめるために質問している?
評価が下がるのを防ぐには、質問の意図を汲み取って、適切な内容を返すことが重要です。「他に受けている企業はありますか?」という質問の場合、採用担当者はどんなことを確かめるために質問しているのでしょうか?
質問の意図を聞いたところ、最も多かったのは「志望度の高さを確かめるため」で59.5%でした。
「Q. どんな答え方だと、評価が下がってしまう?」でも志望度が低いと評価が下がると言われていたように、応募先への志望度の高さには採用担当者からの関心が最も集まるようです。
そのため、質問された際には「内定をいただけたら、御社に入社したいと考えています」「第一志望です」といった形で、志望度が高いことを必ずアピールしていきましょう。
また、採用担当者が調べたいこととして2番目に多かったのが「どんな企業や仕事に興味・関心を持っているのか探るため」というもので、42.5%の人が回答していました。
採用担当者は、応募者の興味・関心を知ることで、仕事へのモチベーションの高さや、ミスマッチが無さそうかを判断しています。
評価が下がる答え方でも伝えた通り、興味・関心を持っている仕事の幅が広すぎたり、応募先の仕事内容とズレたりしていると、やりたい仕事が定まっていない=応募先への関心・意欲が低いと思われてしまいます。
そのため、繰り返しになりますが、回答の際は自分の興味・関心と応募先とのマッチングを意識して答えることが大切です。もし応募している業界や仕事内容がバラバラだったとしても、統一感が出るように適宜ピックアップして伝えれば印象の悪化を防げるので、事前にまとめておくようにしましょう。
コラム:正直に「他の企業も受けている」と言って大丈夫?
「他の企業も受けていると正直に言うと、志望度が低いと思われそう」と不安になるかもしれませんが、実際、評価に影響はあるのでしょうか?
アンケートを取ったところ、「全く問題ない」と答えた人が30.5%なのに対して、「できれば言わない方がいい」と答えた人は15.0%で、伝えても問題ないケースの方が多いことがわかりました。
また「自社が第一志望だと伝われば問題ない」と答えた人は54.5%と、過半数を占めていました。志望度の高ささえ伝われば、他の企業も受けていると正直に伝えて問題ないと言えるでしょう。
「他に受けている企業はありますか?」には、どう答えるのが正解?
具体的に、この質問にはどう答えるのが正解なのでしょうか?
下記の記事では「他に応募している企業がある場合/無い場合」に分けて、答え方の例文とポイントを紹介しています。ぜひ面接対策に活用してください。
この記事の執筆者
ライター・編集者
久保田 敦大
株式会社クイック
転職Hacks編集部のライター・編集者。
大手求人メディアにて求人票や転職ノウハウ記事の制作を手掛けたのち、転職Hacks編集部に参画。自身の転職経験を活かした「実践的なノウハウ記事」が強みで、企業研究から入社の手続きまで、転職活動の全体をフォローしている。
転職時に自身も感じていた「わかりにくい!」というモヤモヤを解消すべく、どこよりも分かりやすい記事づくりに日々邁進中。