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【連載】本田勝裕 ーアラサーaround30世代へ贈るー

キャリアの悩み 解決します

【 Vol.11 】 タテヨコナナメの関係まとめ
<ジャイアンの空き地>

本田勝裕 −アラサーaround30世代へ贈る−キャリアの悩み解決します とは…

アラウンド30世代の皆さま、「俺も随分オトナになったな・・・」と感じること、多いのではないですか?
会社組織においては『若手層』ではなくなり、会社によってはマネージメント層へ本格仲間入り・・・私生活では結婚や、親の現役引退など「社会のなかでもポジショニングが変わってきたな・・・」と、オトナの重みを感じられているのでは?
このコラムは、そんなアラウンド30の皆さまへ贈るキャリアの悩み解決コラムです。
講師の本田勝裕氏は、学生・社会人のキャリア形成、企業の人材採用などのコンサルタントとして活躍中。
組織心理学「FFS理論」と、コーチングの最先端技術である「ソリューションフォーカスドアプローチ」をベースに、アラウンド30世代:オトナのキャリアの悩みを解決します。
社会責務やら、悩みやら、ついこの前まで頭を悩ませていた問題とはちょっと違う「いわゆるおとなの悩み」が出てきはじめたアラウンド30の皆さま・・・「楽スルナカレ、クルタノシモウ」!

ポンタです。

陽射しが段々弱くなるこれからの季節、僕はジャイアンを思い起こす。
彼は今どこにいるのだろう?
放課後、学校から帰って真っ先に出かける裏の空き地なんて、もう日本の都会にはない。
区画整理が進み、空き地はマンションに変わったり、きれいに整理された公園になった。

僕らはジャアインたちと同じように、
土管を3つ俵状に置いてある空き地で、陽が暮れるまで野球をしていた。

バットは2,3本。
折れているバットも使うことがあったし、
打ってもどこに飛ぶのか予想できないような、木の枝や短い角材を使うこともあった。
まともなボールもなく、雨の翌日には雨水がたまるデコボコの空き地を、
紙とビニールテープで丸めたボールがいびつに転がってゆく。

その野球チームはいつも無秩序に需要と供給のバランスで構成されていた。
守備は4,5人いれば十分だし、
攻撃は2,3人いれば打者と走者が両方こなせたから、
大人数になると、遅く来た者や弱い者から弾かれる。
「寄せて〜」「あかん、今いっぱいや」
「頼むは〜。代打で1回でエエから」「ほな道にボールが転がり出た時の守備をしろ」

小学校4年生を中心に、低学年から高学年が交ざる。
(小学校6年生がメインと思われるかもしれんが、
5,6年生は授業が長いので、空き地の主導権は4年生が中心になった)

近所の友達が中心だが、夏休みには親戚の子供たちも交ざる。
知らない子でも互いに呼び捨ての名前を呼びながら、
「もっと早く走れや〜」とか「今のはアウトじゃ〜!」と怒鳴りあう。
勝って喜び、負けて悔しがる競争と協力の社会。

たまには試合後、空き地のそばの駄菓子屋か、たこ焼き屋でワイワイガヤガヤが続く。
「仮面ライダースナック」はカードが目当てで、スナックなど小川に捨てたこともある。
いいカードを引き当てると、どんなに運動音痴の僕でもヒーローになれた。
「そのカード、オレのカードと交換してーや〜」「お願い、おねが〜い」という声をよそに、
嬉しさでいっぱいになりながら、カードをニヤニヤ見つめてる。

やがて鬼の形相のオカンがやってきて「あんたら、いつまで遊んでるの〜!」
「5時には帰ってきなさいって言うてあったでしょ!」と叱られながら親ととぼとぼ帰る。
他人の子どもでも、わが子と同じように、目を見てしっかり叱る親がほとんどだった。

あの空き地はどこにいったのだろう。

遊びのなかに道具を作る知恵と工夫があり、
遊びのなかに独自のローカルルールがあり、
遊びのなかに競争と協力があり、
遊びのなかにコミュニケーションがあり、
オカンという共通の怪獣がいた。

そこにはタテ・ヨコ・ナナメの関係が無秩序に、それでも自由にあった。
遅れてやってくるのが上位の学年でも、ダメなときはダメと断ってた。

野球に飽きれば、かくれんぼや鬼ごっこ。
たまには金持ちの子が見せびらかすために持ってきたラジコンの自動車の操作に興じる。
操作は金持ち貧乏に関係なかったから、
下手な金持ちの子が上手な貧乏の子に、
ラジコンのリモコンを奪われ泣きべそをかいてたり。

雨が降ったら、土管のなかに集合して、
プロレスやアニメや学校の話を、あることないこと語り合ってた。
「お前んとこの担任の先生、今度結婚するんやて〜」
「アホカ、先生もその次の週には離婚するらしいで〜」
「リコンってなに〜」
「ボケ〜、そんなことも知らんのにあの先生に担任してもらってんのか!」

ジャイアンもいれば、のび太もいれば、出来杉君もスネ夫もいる。
オカンもいれば、先生も登場し、駄菓子屋の愛想の悪いオバハンもおれば、
親戚のおっちゃんから郵便配達のお兄ちゃんまで、空き地に出入りする。

小学4年生のプレイグラウンド。

僕はジャアインやのび太たちの学年(1964年生まれ)から3つ歳上である。
つまり僕らが小学生だった時代、1970年代にはこういう風景が「フツー」だったのだ。
タテもあれば、ヨコもあれば、ナナメもある。

さて君には空き地があるか?
空き地では自分を制限することも、
無理に自分を威張ることもない。
自由にチームを作れるグラウンド。

そのグラウンドで自由に枝といびつなボールを使って遊べる仲間も数人は最低必要やろう。
誰かが投げ、誰かが打ち、誰かが取り、誰かがホームベースを踏むような関係を、
まずは自分スタンダードで作っていこうや。

君の「プレイボール」は、まだこれからやろ?
それでええやん。
ぼちぼちでええやん。

今は不景気。
経済を追求するよりも
チームが作れるぐらいの
知恵と人脈を作っておこうや。

だからな、ゴキゲンでやる必要があるんや。
ゴキゲンでない奴に、誰が集まるねん。
ゴキゲンやから腕白ガキ大将でもジャイアンに人は集まるんやから。
ほな、いってらっしゃい。

あ、バットと20円忘れてる!
これぐらいは持っていきや〜!
仮面ライダースナックぐらいは買えるんやから。

ほな、ごきげんさ〜ん♪

ああ、そうそう。
言い忘れてた。

タテもヨコもナナメも、ぜんぶ近所にあるで。
君が今いてる、すぐ近所にね。

本田 勝裕
キャリア・コンサルタント。有限会社ポンタオフィス代表取締役。
就職、創業、進学をテーマにしたコンサルタント。1962年生まれ。神戸在住。1985年甲南大学経営学部経営学科卒業。同年、(株)学生援護会に入社し、11年間『an』の編集及び企画業務に携わる。また、学生・OL向けのイベント、セミナーもプロデュース。同社退社後、(株)クリエテ関西(あまから手帖版元)で広告企画部長を経て、1997年1月にキャリア・コンサルタントとして独立。
現在は、企業や学生を対象に講演及び執筆活動を行っている。また、キャリア支援ホームページ「ポンタのキャリアゼミナール」やメーリングリストを主宰。授業・講演実績約506本(90分単位)、コラム執筆約100本、本出版1冊(すべて2009年実績)。社会人、学生がお互いに学びあう学校、ポンタキャリアカレッジも主催。 自分と組織の関係性、コミュニケーション能力、自分マーケティング能力などについてのセミナーが反響をよんでいる。

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