【 Vol.12 】 <秋のスペシャルコラム>
組織から解放される、自分スタンダード起業論
アラウンド30世代の皆さま、「俺も随分オトナになったな・・・」と感じること、多いのではないですか?
会社組織においては『若手層』ではなくなり、会社によってはマネージメント層へ本格仲間入り・・・私生活では結婚や、親の現役引退など「社会のなかでもポジショニングが変わってきたな・・・」と、オトナの重みを感じられているのでは?
このコラムは、そんなアラウンド30の皆さまへ贈るキャリアの悩み解決コラムです。
講師の本田勝裕氏は、学生・社会人のキャリア形成、企業の人材採用などのコンサルタントとして活躍中。
組織心理学「FFS理論」と、コーチングの最先端技術である「ソリューションフォーカスドアプローチ」をベースに、アラウンド30世代:オトナのキャリアの悩みを解決します。
社会責務やら、悩みやら、ついこの前まで頭を悩ませていた問題とはちょっと違う「いわゆるおとなの悩み」が出てきはじめたアラウンド30の皆さま・・・「楽スルナカレ、クルタノシモウ」!
おはよう〜!
いや〜神戸は朝晩が涼しいけど、そっちはどない?
って最初に季節の話をよくするのはなぜか知ってる?
それはね、共通点を探してイイ関係を作っていくためのお膳立て。
仕事でお客さんと話す時に、
「まいど」「こんちは」「どないでっか?」「お世話になっております」といった挨拶もそうやね。
イイ関係を作ってから、僕らは仕事をスタートするわけやね。
では次。
もうすぐ収穫の秋やね〜。
ほな、種まいておこか〜!
ってなアホなことを関西人が言うのはなんでかわかる?
「なんでやね〜ん」とツッコミを入れることでジョークが成立するわけやな。
ジョークを通じて空気が和み、笑いがおきると気分が変わる。
では練習問題。
大学生の就職率がエライことになってるな。
文部科学省の調査によると、今春卒業者の就職率は6年ぶりに68.4%に下がり、
就職も進学もしてへん人は8千人増えて6万8千人、卒業者の12.1%になるねんて〜。
という話題にたいして、さてどんなジョークや空気を和ませる会話を作れるかな?
<スクロールせんと、考えてんか〜タイム♪>
僕は事実に基づいて、アイデアをリンクさせてみた。
・68,000人のフリーターとニート誕生
・ってことはヒマやんね
・ってことは時間を使えるね
・お金がなくてもできることってなんやろう?
・中小企業挑戦支援法に則って、会社作るとヒマはなくなるしお金もいらんな〜
・68,000人の起業家誕生の可能性が開いたな〜
・末は松下幸之助さんか、本田宗一郎さんか、柳井正さんか、三木谷浩史さんか!
・起業して失敗してもその経験は貴重な経験で次に活かせるね〜
ここまでくるとジョークと違ってマジですけどね。
ってなことで、
オメデトウ!
って言っちゃおう!
読者がアラサーであってもまったくおなじ!
君は組織から解放されたのだぞ!
きつい上司からも、無理なノルマからも、現場に即してない就業規則からも解放された!
よし、今すぐ起業準備にかかれ〜!
起業のための秋の収穫キャンプだぁ〜!
個人起業でもイイし、家のガレージで古着屋はじめてもイイし、
得意な技術やすでにある人脈を使って会社にしてもイイし、
う〜ん、めでたいね〜。
不景気という機会をつかんでよかったね。
好景気だと、まずこういうアイデアは浮かびにくい。
だって現状のままでいいから、このコラムだって読みにこないはずやろ?
ましてやキャリアのバージョンアップなんて考える気にもならんやろう。
ってことで、起業はブラックユーモアではなくて、本気のバージョンアップの方法。
ましてや学生と違ってアラサーには、社会人の経験や知識や人脈がある。
これらをお荷物からリソース(資源)に転換しちゃえば起業もまた楽しい!
今は不況。
不況は知恵の時代、起業のタイミング!
やもん。
お金ないから、知恵で起業すりゃ〜ええタイミングやね〜。
ロスト10イヤーズには松下さんや三木谷さん以外にもたくさんの後輩が育ち始めた。
そういう小さなヒーローを紹介しよう。
□株式会社伝統デザイン工房の高橋万太郎氏
日本中にある伝統を今の社会につなぐことをテーマに大手電気機器メーカーから起業。
群馬県に会社を置きながらも全国の醤油メーカーなどを飛び歩く。ただの仲介業者
ではなく、その土地のメーカーを育てていくコンサルティング業務を展開。
以下、ウェブサイトから彼の考え。
伝統産業・地域産業の分野の中で、
「つくり手」と「使い手」の「つなぎ手」として、
関わる全ての人が満足する「仕組み」を作る。
□株式会社旅のお手伝い楽楽の佐野恵一氏
学生時代に身体の不自由なお祖母ちゃんたちと家族旅行でバリアフリーの問題に
触れて、福祉と旅の接点をテーマに起業へ。京都で設立し、平成20年度京都府
ビジネスモデル創出事業として認定されている。
その事業「京都バリアフリー観光案内所」にはこう書かれている。
行ける「京都」ではなく、
行きたい「京都」へ
□有限会社アンザス・インターナショナルの早川楽氏
大学院に通う頃、「自分はなぜ学んでいるのか」という哲学の迷い道に。
そういう進路の迷子のための起業支援業を経て、先輩や同級生と一緒に、
留学など教育事業、得意なコンピュータースキルを活かして起業。
日本とオーストラリアのあいだを行き来しながらマルチに展開。
「社名の由来」にこうある。
アンザスという社名には、
ITと教育を融合させた、
新たなコンテンツを創造してゆくという
私たちの会社のミッションが込められています。
彼らは皆、20代に起業した僕の仲間。
学生時代に起業した奴もいれば、卒業して就職後、起業した仲間もいる。
彼ら以外にも、地元に帰って市議会議員をやっている後輩や、
語学力を活かして通訳・翻訳業務を個人起業した人もいる。
イタリア好きがこうじて、南イタリアのエスプレッソを中心にキャフェを展開してる人。
自分がアレルギー体質だったことと化粧品の美容部員だったことから、
オーガニック化粧品専門店&カフェを開業した女性も元気にやってる。
もちろん成功談ばかりじゃなく、起業して失敗して再起を図る仲間もいてるよ〜。
ミュージシャンを志して一向に売れず、会計士を目指して勉強中の仲間もいるで〜。
街頭カフェで起業して失敗して、今は営業マンでバリバリやってるのもおるで〜。
20代から30代前半って、そういうキャリアで転んでもエエ時間なんとちゃうかな〜?
だって起業して体験した失敗や成功や人脈は、
そのまま活かしていけるからね〜。
日本では起業したチャレンジャーにたいして、社会は決して冷たくない。
「やるだけのことをやったんやね」というプラスの評価がついてくる。
この機会に起業についてじっくり調べてみてはどない?
特に僕は失敗からようさん学べた。
起業して3年目、取引先の人材ビジネスのある会社が倒産した。
僕の売上は95%この会社に集中してた。
結果的に8割方回収できたことも不幸中の幸いやったけど、
それ以上に、取引先を増やすことにしてリスク分散をすることに成功した。
今は毎月10社前後のビジネスがあり、
どの取引先も売上シェアが15%未満になっている。
僕は気が小さいので、こうやって自分スタンダードを形成できてるわけやね。
失敗に学びは多いねんで〜。
さて起業についての調べ方は2つある。
・ネットサーフィン
・会いにいく
前者はポータル(玄関)、後者はリアル。
前者は様々な情報で溢れている。
ビジネスプランの描き方、金融機関へのアプローチ、
法人登記の仕方、起業のためのマインドセットなどなど。
後者には実際に起業した人たちの足跡や考え、ビジョンなどが伝わってくる。
リアルを加速すれば、自分の考えもまとまってくるし、
出会った人とのつながりも大きくなり、新しいビジネスプランも生まれてくる。
上に例示した3人だって、
人との出会いからビジネスプランが変容したり、サイズアップしていったのは事実。
この両方を組み合わせて、サイコーの収穫を作り上げてはいかがかな?
ちょうど、ようさん連休もあるからね〜。
もちろんとことん調べて、出会って「起業はしない」って決めれたら、
今の会社で踏ん張るか、就職活動で張り切るか、腹が決まるやろ?
このキャリアもアリやなーと思えば調査も楽しくなってくるしね。
一番アカンのは、
「やるべきだとはわかってるのですが」
「たしかにそれも一つの方法ではありますね」
という言い訳で、自分の可能性の出し惜しみをすること。
これではサイコーの収穫は、冬になってもできっこない。
種を撒かずに収穫はない。
勇気のない言い訳にサヨナラして、
自分スタンダードのキャリア作りにいってらっしゃいな。
僕はこれからまた、新しい旅に出る。
「はじめまして」と「よろしくおねがいします」と「ありがとう」の旅にね。
どこにもイヤな空気は流れ込まないよ。
ほな君も、ごきげんでいってらっしゃ〜い♪
本田 勝裕
キャリア・コンサルタント。有限会社ポンタオフィス代表取締役。
就職、創業、進学をテーマにしたコンサルタント。1962年生まれ。神戸在住。1985年甲南大学経営学部経営学科卒業。同年、(株)学生援護会に入社し、11年間『an』の編集及び企画業務に携わる。また、学生・OL向けのイベント、セミナーもプロデュース。同社退社後、(株)クリエテ関西(あまから手帖版元)で広告企画部長を経て、1997年1月にキャリア・コンサルタントとして独立。
現在は、企業や学生を対象に講演及び執筆活動を行っている。また、キャリア支援ホームページ「ポンタのキャリアゼミナール」やメーリングリストを主宰。授業・講演実績約506本(90分単位)、コラム執筆約100本、本出版1冊(すべて2009年実績)。社会人、学生がお互いに学びあう学校、ポンタキャリアカレッジも主催。
自分と組織の関係性、コミュニケーション能力、自分マーケティング能力などについてのセミナーが反響をよんでいる。