【 Vol.23 】ネットワーク時代のツナガリ論2
<KNOW WHO?からHOW WHO?へ>
アラウンド30世代の皆さま、「俺も随分オトナになったな・・・」と感じること、多いのではないですか?
会社組織においては『若手層』ではなくなり、会社によってはマネージメント層へ本格仲間入り・・・私生活では結婚や、親の現役引退など「社会のなかでもポジショニングが変わってきたな・・・」と、オトナの重みを感じられているのでは?
このコラムは、そんなアラウンド30の皆さまへ贈るキャリアの悩み解決コラムです。
講師の本田勝裕氏は、学生・社会人のキャリア形成、企業の人材採用などのコンサルタントとして活躍中。
組織心理学「FFS理論」と、コーチングの最先端技術である「ソリューションフォーカスドアプローチ」をベースに、アラウンド30世代:オトナのキャリアの悩みを解決します。
社会責務やら、悩みやら、ついこの前まで頭を悩ませていた問題とはちょっと違う「いわゆるおとなの悩み」が出てきはじめたアラウンド30の皆さま・・・「楽スルナカレ、クルタノシモウ」!
まいど。
そもそもネットワークってなんやろ?
網、関係、人脈と訳してもいいわけやね。
で、ここで書いてるネットワークって人脈のこと。
そして「インターネット」や「会う」という方法で「人とのツナガリ」ついて論じてる。
いかにツナガルか?
これを直訳するとHOW WHO? になるでしょ?
実は今、これが重要になってきてんねん。
逆に「誰それを知ってる」という人脈自慢があるけど、これは無用。
しかも困ったことに、僕はこれをよくやってしまう。
聞いてる側にしたら「それがどないしてん!」と思うやろう。
僕は他人がこれをやってるのに遭遇すると「ほんで、どないやねん!」とツッコミを入れる。
こんな感じ。
僕「大阪府の橋下知事と対談したことがあるねん」
友「へーすごいやん。ほんで?」
僕「それだけ。つんくとも仕事したで」
友「へーすごいやん。今も?」
僕「昔話」
友「なんぢゃそりゃ!」
知ってるだけでは意味がないでしょ?
もはやKNOW WHO? の時代ではない、
HOW WHO? の時代。
「誰を知っているのか」ではなくて、
「誰とどうつながっているか」の時代。
キムタク知ってる。じゃダメダメ。
キムタクと同級生。でもアカンねん。
キムタクと3年ほど同棲してて、今もSMAPの将来について議論することがあるねん。
これが素晴らしいわけ。ソンナ奴オルンカァ〜!
話がそれた。戻そう。
キムタクでなくても十分イイよ。
むしろ近所の知り合いや、同じ趣味の仲間でも、社会人サークルの仲間でも、
同じ会社の同期でも、同業他社の仲間でも、異業種交流会で出会った友達でもイイ。
大事なことはそんな彼らと、どうつながるかやな。
そこで君に課題を授けよう。
ツナガリを作るのが苦手な人は身近にあるこんなところからはじめてみてはいかが?
場所は美容室であり床屋。
君は美容室や床屋でどんな話をしてる?
僕は神戸にあるカルチャーショックという美容室に30年近く通ってる。 ドンナ店名ヤ!
そこでファッションの話をしてもエエよね。
なんせ美容室や床屋は、いろんな人が集まりファッションに興味ある人もおるから、
当然情報が蓄積されてる。
僕も最近買ったシャツについて話したり、見せたりすることもある。
しかしファッションの話に拘ることはないよな。
実際にカルチャーショックのN氏とは、「靴を買う基準ってあるか?」みたいなことで。
僕「うん15年履けることが前提やね」
N「なんで、そんなに長持ちさせたいの?」
僕「だって15年履いたら完璧に僕の靴やん。そこのブランドのではなくてね」
N「そんな考え方、なんか古くさいなー」
僕「そうかな。僕は気に入ってる」
考え方、街のこと、時代のこと、犬のこと、共通の話題を広げて、情報収集も議論もできるよね。
僕はカルチャーショックのN氏と、
・なぜこの店のレイちゃん(プードル犬)が僕になつかないのか
・犬の感性はどこまで優れているのか
・犬も、相手が追いかけてくると逃げ、関心を示さないと興味を持つものか
・レイちゃんは、僕らの日本語をどこまで理解しているのか
・レイちゃんは、ドライヤーの音をどう捉えているのか
・レイちゃんは、N氏の家族とは仲良しなのか
・レイちゃんも、N氏を中心に家族の上下関係を作っているのか
・N氏のお嬢さんは、中学生の頃からインターネットで美術画廊をやっていた。
なぜ高校でそれを閉めたのか
・もし今もその美術画廊を事業としてやっていれば、
作品掲載料やバナー広告などの収入で、どれぐらいの年収になっただろうか
・お嬢さんは携帯電話のコンテンツ作成の仕事で、なぜ「自分がやりたい仕事」に拘らず、
「お客様の求めている仕事」に集中できるような大人なのか
・そこに親の影響はあるのか
・人はなぜ働くのか?
そんな会話を、イーゼルに立て掛けた大きな鏡ごしに1時間。
黙ってるのも、寝るのもエエけど、ファッションの話でも、ゴシップ話でも、愚痴話でもエエけど、
月に一回程度、どうせ行くんやったら色彩豊かな話をしてみてはどうやろう?
鏡ごしの話がつながって線へ、そして面に広がっていくかもしれない。
実際、僕はカルチャーショックのN氏に紹介してもらった接骨院で酸素カプセルに入ることがある。
床屋から酸素カプセルにつながって、肩こりのない生活も手に入れられたわけ。
もちろん接骨院でもいろんな話をしてるから、また情報収集にもなるし、新しい出会いもある。
床屋でも接骨院でもどこでも、やはり、点から線へそして面に広がっていく楽しさがある。
さてその効果についてである。
髪の毛を切ってもらえることと、肩こりが楽になること以外に、人生を変えるほどの効果はない。
でもそこでそういう話を仕入れて帰るからヨメサンには語れる。
さらにこの原稿でネタとして使ってるわけやから、仕入れタダで原稿料になって返ってくる。ガハハ
閑話休題。
家の鍵を厳重にかけ、防犯カメラが作動しセキュリティ対策バッチリ。
会社ではUSBなどが使えなくなり、ノートPCの持ち出しもロックされる時代。
あっちでロック、こっちで鍵をかけるってことで、セキュリティ抜群やな。
でも同じように、心のロックまでかけて、
「誰かを知っている」程度の浅い人間関係だと、それはアラサーの君の役に立つことはない。
「誰かと、こうツナガッテいる」といえる関係を作っていこう。
それは「いや、違うでしょ」「他にはどんな答えがあるかなー」といえる関係。
つまりね、議論ができて兄弟ゲンカができる関係にしていこう。
HOW WHO? の時代。
コレカラ誰と会うの?
その人とどうツナガッテいくの?
アニキみたいに?
妹みたいに?
まずは床屋さんとツナガッテおいでや〜!
(と、12年目になるメフィストのチロリアンシューズを履きながら)
ほな、またな〜!
本田 勝裕
キャリア・コンサルタント。有限会社ポンタオフィス代表取締役。
就職、創業、進学をテーマにしたコンサルタント。1962年生まれ。神戸在住。1985年甲南大学経営学部経営学科卒業。同年、(株)学生援護会に入社し、11年間『an』の編集及び企画業務に携わる。また、学生・OL向けのイベント、セミナーもプロデュース。同社退社後、(株)クリエテ関西(あまから手帖版元)で広告企画部長を経て、1997年1月にキャリア・コンサルタントとして独立。
現在は、企業や学生を対象に講演及び執筆活動を行っている。また、キャリア支援ホームページ「ポンタのキャリアゼミナール」やメーリングリストを主宰。授業・講演実績約506本(90分単位)、コラム執筆約100本、本出版1冊(すべて2009年実績)。社会人、学生がお互いに学びあう学校、ポンタキャリアカレッジも主催。
自分と組織の関係性、コミュニケーション能力、自分マーケティング能力などについてのセミナーが反響をよんでいる。