【 Vol.26 】ネットワーク時代のツナガリ論5
<やせ我慢と礼節でカッコエエ大人へ>
アラウンド30世代の皆さま、「俺も随分オトナになったな・・・」と感じること、多いのではないですか?
会社組織においては『若手層』ではなくなり、会社によってはマネージメント層へ本格仲間入り・・・私生活では結婚や、親の現役引退など「社会のなかでもポジショニングが変わってきたな・・・」と、オトナの重みを感じられているのでは?
このコラムは、そんなアラウンド30の皆さまへ贈るキャリアの悩み解決コラムです。
講師の本田勝裕氏は、学生・社会人のキャリア形成、企業の人材採用などのコンサルタントとして活躍中。
組織心理学「FFS理論」と、コーチングの最先端技術である「ソリューションフォーカスドアプローチ」をベースに、アラウンド30世代:オトナのキャリアの悩みを解決します。
社会責務やら、悩みやら、ついこの前まで頭を悩ませていた問題とはちょっと違う「いわゆるおとなの悩み」が出てきはじめたアラウンド30の皆さま・・・「楽スルナカレ、クルタノシモウ」!
まいど。
まず質問から。
(1) 君は男か、女か?
(2) この夏、暑かったか?
(3) 男のクールビズという上着を着ずにネクタイも外す姿をどう思った?
ではクールビズ撲滅委員会会長から一言。
やせ我慢せんかい!
スーツ上着を着て、一番上のボタンも外さず、きちんとネクタイをせよ。
体温と同じ気温のなかで、わざわざ暑い服装をすることで、やせ我慢ができる。
それをせん奴が、不景気や劣悪な環境に勝てるかい!
就職活動しとる学生を街で見てたら、ほんまに彼らがガンバッテルことがわかるやろう!
奴等は、不景気に勝ちにいこうとしとるんやでー!
って思ってんねんけど、どう思う?
僕はなんでこないにカッコエエ大人が減ったんか、よく考える。
その軸に「やせ我慢」をしたことがない大人の存在が目に映る。
僕を含め、君もまた喉が渇けばペットボトルの水やお茶を飲み、
連絡したければ携帯ですぐ電話かメールで連絡し、
退屈になると携帯ゲームをはじめ、
およそ物質文明をそのまま素直に、考えることもなく、使っていきてる。
それは便利なだけであって、ちっともカッコエエところがない。
この夏、スーツ上下で猛暑の石垣島で高校生に就職ガイダンスをしてきたけど、
これを仕切ってるコーディネータからも、
「上着、着なくていいですよ」と仰っていただいた。
でもそれでは未来のワカモンのモデルにならん。
僕は断固クールビズ撲滅委員会会長として、汗みずくになって、
それでも笑顔で6時間のガイダンスをやった。
カッコエエというのは、
高いスーツを着るのではなく、
ジャケットの胸ポケットにモンブランの万年筆をさすことでもなく、
やせ我慢をすることを指すんや。
そこから少しずつ「あの人カッコエエな〜」がスタートする。
便利なものに囲まれて、楽に生きてる人はカッコワルイねん。
人とつながることをテーマに第4章を書いてきたけど、
人とつながること自体、自分の弱みもさらけ出すことがある。
トラブルがあって謝罪にいくこともそうだけど、知識のなさがばれることもある。
だから人は自分のブサイクなところを見られることにびびって、自分を隠す。
挨拶のときもきちんと頭を下げて、後頭部を相手に見せることができない。
(注:お辞儀の際、後頭部を見せるのは、自分の弱みをさらけ出す身体行為)
ではどうすればネットワーク時代の「カッコエエつながり」ができるか順序を追って説明しよう。
もちろんここに男女の違いはない。
(1) まず「はじめまして。ポンタです」と明るい声と笑顔で挨拶
(男も女も愛嬌は重要なメッセージ)
(2) スピーディに頭を腰からまっすぐ曲げて45度で止める
(息は止めんでもエエで。角度は自分がカッコエエと感じるところでエエで)
(3) 止めたら「おおきにおおきにおおきに」と3回心の中でつぶやく
(「よろしくよろしくよろしく」でもいいよ)
(4) 心のつぶやきが終わったら、ゆっくり身体を起こし相手に微笑む
(この人、後頭部を見せた僕を叩かなかった、なんてエエ人なんやろうと微笑みかける)
(5) ここからは「聴く」と「問う」を中心に、たまに「話す」ことを展開する
正直に打ち明けると、僕は(1)から(4)が得意で、(5)から先が苦手。
相当我慢せんと、すぐに「話す」ことから始めて、「話す」ことで終わろうとする。
授業や講演ばかりしてるからなのか、ただのオシャベリなのかは謎。
ゆえにコーチングやソリューションフォーカスを学んで「聴く力」と「問う力」を養っておるのぢゃ。
話、脱線。元に戻す。
この(1)から(5)を自然とやりながら、
相手から学ぶ姿勢をつくっていくと、
そこにできる「つながり」は、カタチが変わっていく。
自分を謙虚にし、
相手をリスペクトすることになるから、
その人のカッコエエところとカッコワルイところが、
シンプルに発見しやすい。
つまり礼節・聴く姿勢・問う姿勢で人とつながるのは、
結果としてカッコエエところをどんどん盗めるから、自分がカッコエエもんになっていく。
つながり方を変えるだけで、人と人の関係は変り始める。
そのお試しを、君のもっとも身近な人からはじめてみぃ〜!
ほな、ぼちぼち後頭部を見せていらっしゃいな。
「よろしくお願いします」を言葉だけで伝える記号にするのはもったいないからね。
読んでくれて、ほんまにありがとう。
<ここでペコリと笑顔でパソコンに向かって、その先にいるあなたに向かって、挨拶するポンタ>
なんぞ「つながり」について意見があったら教えてくださいね。 よろしくお願いします。
ほな、ぼちぼちいこか〜! 僕は今日もスーツ上下で残暑のなかを歩いてくるわ。 でもってきちんと頭を下げてニッコリ笑ってこようっと。
本田 勝裕
キャリア・コンサルタント。有限会社ポンタオフィス代表取締役。
就職、創業、進学をテーマにしたコンサルタント。1962年生まれ。神戸在住。1985年甲南大学経営学部経営学科卒業。同年、(株)学生援護会に入社し、11年間『an』の編集及び企画業務に携わる。また、学生・OL向けのイベント、セミナーもプロデュース。同社退社後、(株)クリエテ関西(あまから手帖版元)で広告企画部長を経て、1997年1月にキャリア・コンサルタントとして独立。
現在は、企業や学生を対象に講演及び執筆活動を行っている。また、キャリア支援ホームページ「ポンタのキャリアゼミナール」やメーリングリストを主宰。授業・講演実績約506本(90分単位)、コラム執筆約100本、本出版1冊(すべて2009年実績)。社会人、学生がお互いに学びあう学校、ポンタキャリアカレッジも主催。
自分と組織の関係性、コミュニケーション能力、自分マーケティング能力などについてのセミナーが反響をよんでいる。