わかりやすく解説! 団体職員とはどういう仕事をしている人?

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 ニュースや求人で「団体職員」という言葉を見聞きしたことがある人は多いのではないでしょうか。公務員のようなイメージはあっても、実際の仕事内容や「団体」にあたる組織がわかりにくいかもしれません

この記事では、「団体職員」について解説します。

団体職員とは?

団体職員とは非営利組織で働く人

団体職員とは、非営利組織(NPO)などで働く人を指す「通称」です。団体職員について法律で定められた定義はありません。

福祉など公的な事業のイメージから準公務員と呼ばれることもあります。例としては、防災コミュニティネットワーク(NPO法人)、東京信用金庫、JAや生活協同組合などが当てはまります。

また、一般的な企業は利益を求める「営利組織」であるため、会社員は団体職員には該当しません。

社会福祉法人で働く人は団体職員に含まれる?

保育所などの社会福祉法人は非営利組織の一種であり、そこで働く人も団体職員といわれます。

社会福祉法人は、社会福祉法で「社会福祉事業を行うことを目的として設立された法人」と定義されており、生活保護や児童支援、老人福祉といった公共性の高い事業に取り組んでいます。

保育所のほかに、特別養護老人ホームや児童養護施設、訪問介護、デイサービスなど、介護や子育てに関わる事業が該当します。

全国に約2万の法人があるため、日常生活で社会福祉法人が運営する施設を利用していたり、そこで働く団体職員と関わったりしたことがある人も多いでしょう。

コラム:NPO法人(非営利組織)とは

NPO(non-profit organization:非営利組織)とは利益を稼ぐことを最終的な目的としていない民間の組織で、誰でも名乗ることができます。

事業の利益が発生したとき、一般企業は株主や社員に還元することがありますが、NPOの場合は事業のために使うか、サービス料金を安くするなど利用者や社会に還元するのが特徴です。

2019年9月時点でNPO法人は51,415法人、認定NPO法人は1,116法人となっています。

ちなみに、会員の出資で成り立つ「信用金庫」も相互扶助を目的とした非営利組織であり、勤務する人は団体職員と呼ばれます。

団体職員は公務員とは異なる

団体職員は、その職務の公共性から「準公務員」などと呼ばれることもありますが、あくまで「民間」の非営利組織であるため、公務員ではありません

とはいえ、福祉分野などを取り扱い、事業の公共性が高いという点は公務員と共通しています。公的な仕事に就くことを目指す方にとっては、民間企業の就活と並行するよりも、公務員と団体職員の併願の方が挑戦しやすいかもしれません。

コラム:団体職員の仕事は公益事業?収益事業?

団体職員は事業の性質上、基本的に公益事業に取り組んでいます。公益(目的)事業とは、学術や技芸、慈善などに関する事業で、不特定多数の人の利益に貢献するものとされています。つまり、文化や福祉に関係しており、かつ多くの人がそのメリットを受けられるような取り組みです。

ただし、NPO法人などが、公益事業ではない「収益事業」を一切禁止されているわけではありません。収益事業とは事業場を設けて継続的に行われるもので、販売や製造業など一般的なビジネスをいいます。

もし収益事業を行う場合は、「非営利」の前提に矛盾しないよう、事業の必要性や本業とのバランスなど一定の条件を満たさなければなりません。

団体職員の仕事内容。公益事業としては学術及び科学技術の振興を目的とする事業や公衆衛生の向上を目的とする事業がある。団体職員の収益事業は物品販売業や通信業など34事業ある。

団体職員になるには?

団体職員の就活は一般的な方法と変わらない

アジア・アフリカ文化財団などの公益財団や協同組合などで働く団体職員になる方法は、一般的な就職・転職活動と変わりません。就活サイトやNPO法人のWebサイト、ハローワーク経由でエントリーし、書類選考や適性検査、筆記試験、面接などを経て内定を得ることで、晴れて就職できます。

労働政策研究・研修機構(JILPT)の「NPO法人の活動と働き方に関する調査」によれば、地域の人からの紹介やハローワークでの応募が、就職に至る経路として代表的です。

特に地域に根付いた規模の小さいNPO法人に就職したい場合は、寄付やボランティアなど何かしらの形で活動に関わることが、仕事につながるかもしれません。

ただし、関係者との「コネ」がないからといって就職の機会が失われるわけではありません。同調査では、正規職員を採用する際、内部登用よりも外部からの採用が2割ほど多いこともわかっています。

非営利組織にはボランティアの職員も

NPO法人にはボランティアの職員も多く、給与が発生する有給職員は平均で2割程度です。さらに有給であっても契約社員やアルバイトなど、非正規雇用の場合もあります。

求人があっても必ずしも正規・無期雇用であるとは限らないので、応募を検討する際は注意してください。

団体によってはボランティアスタッフから正社員への登用を行っていることもあります。就職希望の団体に非正規雇用の求人しかない場合は、登用のチャンスがあるか確認してみましょう。

年収は平均以下~1,000万円まで幅広い

団体職員の主な勤務先であるNPO法人は規模や職員の雇用形態が幅広く、年収は組織によっては1,000万円に至るケースもありますが、平均は約260万円と低めです。あくまで非営利であるため、「高い営業成績をあげてガツガツ稼ぎたい」といった志向とはマッチしません。

全体的な傾向としては、組織の財政規模が500万円を超えるあたりから有給職員の割合が多くなり、5,000万円以上では95%のNPO法人で正規職員を雇用しています。

NPO法人の職員数は増加傾向にありますが、その多くは40代以上です。規模にかかわらず若手不足が課題としてあがっており、20~30代で社会貢献に興味のある方にとっては追い風であるといえるでしょう。

※参考:労働政策研究・研修機構「NPO法人の活動と働き方に関する調査

【付録】団体職員の勤務先一覧

団体職員の仕事は、非営利で公共性があるなど特徴はあるものの、非常に幅広い事業が該当します。そこで、具体的にどのような組織が勤務先にあたるのか、一覧にまとめました。あくまで一部の例になりますので、情報収集のきっかけとして参考にしてください。

団体職員の勤務先となる組織例

1NPO法人

  • 日本伝統文化協議会
  • 日本がん登録協議会
  • 大学宇宙工学コンソーシアム
  • きぼうのいえ
  • 多文化共生センター東京
  • 東京多摩いのちの電話
  • 全国就労支援事業者機構
  • 全国盲導犬施設連合会
  • 難民支援協会
  • 環境経営学会

 公益財団・社団法人

  • アジア・アフリカ文化財団
  • アムネスティ・インターナショナル日本
  • 医療機器センター
  • 教育美術振興会
  • 結核予防会
  • 交通事故紛争処理センター
  • 国際研修協力機構
  • 国土地理協会
  • 消費者教育支援センター
  • 全日本柔道連盟

 3商工会

  • 全国商工連会合会
  • 北海道商工会連合会
  • 宮城県商工会連合会
  • 東京都商工会連合会
  • 愛知県商工会連合会
  • 大阪府商工会連合会
  • 京都府商工会連合会
  • 愛媛県商工会連合会
  • 福岡県商工会連合会
  • 沖縄県商工会連合会

4協同組合

  • 全国弁護士協同組合連合会
  • 日本税理士協同組合連合会
  • 生活協同組合
  • 日本ポスティング協同組合
  • 日本写真家ユニオン
  • 東日本ものづくり協同組合
  • 東京都個人タクシー協同組合
  • JA(農業協同組合)
  • JF(漁業協同組合)
  • 森林組合

まとめ

団体職員は、社会に貢献する仕事に取り組む人たちのことです。正規職員の採用数は増えてきており、特に若手の人材のニーズは高まっています

団体職員の勤務先にはさまざまな組織や法人がありますので、就職を目指すときは「団体職員」という立場にこだわらず、関心のある分野でどのように社会貢献したいかをしっかりイメージして挑戦してみましょう。

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