大企業との違いは? 中小企業で働くメリット・デメリット

中小企業への就職や転職を考えている方に向けて、大企業と比べてどんなメリットやデメリットがあるのかについて解説します。

中小企業で働くメリット・デメリットは?

大企業に比べると、従業員数が少なく事業規模も小さい中小企業。

働く上ではどんなメリット・デメリットがあるのか解説します。

中小企業で働く上でのメリット

中小企業で働く場合、大企業と比べて以下のようなメリットがあります。

中小企業で働く上でのメリット一覧表(大企業と比較)。以下、項目:中小企業|大企業。仕事の裁量:任される仕事の範囲が広く、やりがいがある|業務が細分化しすぎていて、モチベーションが保ちにくいことも。仕事の流れ・目標:事業規模が小さい分、仕事の流れが見えやすい|目の前の自分の仕事が何のためにやっていることなのかわかりにくいことも。意思決定までのスピード:承認の人数が少ない分、スピーディーに済む|フローの工程数や承認の人数が多く、時間がかかりがち。転勤や異動:業種や職種によるものの、少なめ|総合職では全国転勤があるケースも多い。社内の雰囲気:アットホームで社長との距離も近い|人数が多い分、面識のない人も多数いるため、ビジネスライクな雰囲気。

任される仕事の範囲が広くやりがいがある

中小企業は人数が少ないため、任される仕事の範囲が大きくやりがいを感じやすいというメリットがあります。

一方、大企業は業務が細分化している分、仕事に対する手応えや達成感を得にくい傾向があります。

事業規模が小さい分仕事の流れが見えやすい

中小企業は事業規模が小さいため、全体的な業務フローを把握しやすいのも中小企業のメリットです。

一方、大企業では、大規模なプロジェクトなどに参加できるものの、業務の一部しか関われない場合も多く、全体像が見えにくい傾向があります。

大企業に比べ意思決定までがスピーディー

中小企業では、規模が小さいゆえに意思決定までの工程が少なくスピーディーに処理できるのもメリットです。

一方、大企業では、意思決定までに関わる人数が多く、最終的な承認までに時間がかかることがあります。

異動が少ない

人事異動や配置転換が少ないのも中小企業のメリットです。

地方に支店の多い大企業の場合、頻繁に異動や配置転換があり、特に総合職の場合はその傾向が顕著です。家族と離れて単身赴任しなければならないことも珍しくありません。

アットホームな雰囲気

中小企業では人数が少ない分、従業員同士や社長との距離感が近く、アットホームな雰囲気になりやすいのもメリットでしょう。

一方、大企業の場合は人数が多い分、親密度は低く、社員同士でも面識がないということも珍しくありません。

中小企業で働く上でのデメリット

中小企業で働くデメリットには、大企業に比べて以下のようなものが挙げられます。

中小企業で働く上でのデメリット一覧表(大企業と比較)。以下、項目:中小企業|大企業。給与:昇給などのシステムがわかりにくく、社長の独断に委ねられることも。また、ボーナスがない場合も珍しくない|ボーナスがしっかり支給されるケースが多く、昇給などのシステムも明確。社会的知名度:低い(ローンを組むのに手間がかかる場合もある)|高い(ローンを組む際に有利になったり、転職しやすくなったりする)。人手の確保:人手不足になりやすく、個人の仕事量が増えがち|十分な人手を確保でき、分業制がしっかり整えられている。

賞与など給与面で大企業に比べ劣る傾向がある

中小企業は事業規模が小さい分、大企業に比べて給与水準や賞与面で劣る傾向があります。

大企業は中小企業よりも給与水準が高く、ボーナスがしっかりと支給され、昇給のシステムも明確なケースが多いようです。

ただし、大企業は年功序列であることが多いため、どんなに実績を上げても社歴が短い場合は役職を与えられないこともあります。一方の中小企業は、実績を上げれば若くても管理職に就けることが多く、努力次第でスピード出世ができるケースもあります。

社会的知名度が低い

中小企業は、社会的知名度という点ではどうしても大企業に劣ります

社会的知名度が高い大企業で働くことは、ローンを組んだりする際の審査に有利というメリットがあります。

人手不足の際は業務量に影響が出やすい

中小企業は人数が少ないために人手不足に陥りがちで、個人の業務負担が大きくなる可能性があります。また、求人募集を行っても、知名度の低さなどから応募が少なく、採用活動に苦戦することも珍しくありません。

一方、大企業の場合は、求人募集をすればネームバリューや待遇面の良さからたくさんの応募があり、十分な人手が確保できるため、それぞれが自分の業務に専念できます。

コラム:中小企業とは?定義を解説

中小企業の定義は、業種ごとに資本金や出資の総額、従業員数によって違い、具体的には以下のように定められています。

中小企業の定義一覧表。以下、業種:資本金または出資の総額|常時使用する従業員数。(1)製造業、建設業、運輸業、下記②~④以外の業種:3億円以下|300人以下。(2)卸売業:1億円以下|100人以下。(3)サービス業:5,000万円以下|100人以下。(4)小売業:5,000万円以下|50人以下。

中小企業のメリットを受けやすい人とは?

中小企業で働くメリットを受けやすいのは、どういった人なのでしょうか。

その特徴を紹介します。

キャリアチェンジで未経験の職種に就きたい

今まで経験したことのない職種への転職を希望する際、大企業よりも中小企業の方がハードルは低いといえそうです。

大企業の場合、採用基準として経験値が重視される傾向がありますが、中小企業では、たとえ経験がなくても仕事への興味ややる気を評価してもらえるケースも少なくありません。

指示された仕事だけをこなすことが嫌い

指示された仕事だけをこなすよりも、幅広い分野の仕事を任されながら自主的に動きたい人は中小企業に向いています。

業務が細分化された大企業では、業務範囲が狭く指示された業務だけをこなすだけ、というシチュエーションも珍しくありません。

一方、会社の規模が小さい中小企業では一人一人がこなす仕事の範囲が広く、業務に対する社員の意見や提案などを積極的に受け入れてもらえることもあります。

家族と住む持ち家を購入している

地方に支店の少ない中小企業は基本的に異動や転勤が少なく、単身赴任の可能性が低いことから、持ち家に家族と住んでいる人に向いています。

大企業に勤めていると異動や転勤、単身赴任のリスクもあり、せっかくマイホームを購入したのに単身赴任になってしまうケースも珍しくありません。

まとめ

中小企業は一人ひとりの仕事内容が幅広く、異動や転勤も少なめで、アットホームな雰囲気が特徴です。

中小企業を就職・転職先として検討する際には、これらの特徴が自分の人生設計や生活スタイルに合っているかどうか照らし合わせてみましょう。

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